今の仕事で5年後も食べていける人と食べていけない人

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世間では、「AIの進化に伴って仕事を奪われる人が増えていき、20年後には今ある仕事の半分近くをAIが人間に代わって行うようになる。」というような話をまことしやかに語っている人を見かけます。

確かに、昔あった職業で、今では見かけなくなった職業はありますが、変化に対応し、形を変えて生き残っている場合が多く、あまり神経質になる必要はなさそうです。

例えば、カシオが電卓を販売し始めた当時は「そろばん」が世界から消えてしまうと考える人がたくさんいましたが、そろばんは現在でも存在し、多くのそろばん教師が欧米諸国や中東などに進出し、グローバルなビジネスを展開していたりします。

もちろん、AIがあなたの仕事を奪わなかったとしても手放しで安心という訳にはいきません。なぜなら今の仕事はなくならなくても、5年後に食べれなくなってしまう人は確実に存在しているからです。

同じ仕事をしていても、5年後も食べていける人と食べていけない人に分かれてしまうのは、「現在の自分の仕事が提供しているサービスの価値が将来どうなっていくのか」という予測をもとに、何らかのアクションを起こす人と起こさない人との差であると言えます。

需給関係が崩れている仕事は危険

行政による規制緩和などが原因で需給バランスが崩れているような仕事があります。そのような仕事に従事している人の場合、何らかの対策を打たない限り、近い将来において食べれなくなってしまう可能性が高くなります。

例えば、接骨院の数はコンビニエンスストアと同じくらいにまで増えています。厚生労働省の調査によると接骨院の店舗数は、2002年に25,975店舗だったものが2016年には48,024店舗 となっており、14年間で1.84倍に増加。現在も増加ペースに変化はありません。

増加の原因としては接骨院の資格を取るための学校が規制緩和によって爆発的に増えたことが考えられます。店舗の増加に伴い患者の奪い合いは年々激しくなってきており、簡単に開業できて誰でも儲かるという甘い考えが通用しない業界になりつつあります。

同様に、美容院、歯科医院のほか、公認会計士、弁護士などについても需給バランスの問題で食べれない人の数は増えてきています。

もし、今後もこのような業界で仕事を続けていくつもりであれば、厳しい競争に勝ち抜くための戦略が必要になります。少なくとも、今のまま何の手も打たずにいれば数年後には食べれなくなってしまう可能性があるという危機感だけは持っておく必要がありそうです。

そもそもどのような業界でも簡単に儲かる状況であれば新たに参入する人が出てくるのが当たり前です。新たな参入者の出現によって発生した競争は、サービスの質の向上や、サービス価格の引き下げを生み出し、最終的には消費者の満足へとつながります。

規制によって守られてきた業界が、いつまでも現状の上にあぐらをかいて座っていられる方が不思議であり、創意工夫によって生き残るための競争に負けた者が退場していくことはごく自然なことだと言えるでしょう。

これらの需給バランスが崩れた業界においても、競争に勝った人たちの中には継続して高収入を維持している人が大勢いらっしゃいます。徐々に売上を落としている人との違いがどこで生まれているのかをしっかりと考えなければいけません。

既存のサービスに更なる付加価値を

社会インフラの変化や技術革新などによって、これまで評価されてきたサービスの価値が極端に低下してきている例が増えてきています。

例えば、「証券マン」と言われる仕事(証券外務員)をしている人の数が、ピークから見るとかなり減少しています。従来の証券マンが受け持っていた株の注文を取り次ぐというサービスについては既に価値がなくなっています。わざわざ証券マンに頼まなくてもスマホアプリで3タップもすれば株の注文は完了してしまうからです。

それでもラップ口座のような大口投資家への手厚いサービスが提供できる人、付加価値の高い独自の情報でお客様の取引をしっかりとサポートできる人は、まだまだ高い収入を得ています。

また、最近では「Amazon」の影響で街の本屋さんの数も随分と少なくなりました。確かに、ある程度の売れ筋商品を置いているだけの本屋さんには価値が無くなってきているのは事実ですが、小規模ながらも独自色を出しながら生き残っている本屋さんも沢山あります。

新天地で頑張るという選択肢もあり

価値が低くなったサービスにしがみついているだけでは先は長くはありません。提供しているサービスの価値を常に客観的に評価し、それを高めていく努力を続けていかなくては、いずれ食べていけなくなったとしても誰にも文句は言えません。

自営業であれば、どのような仕事であってもアイデアや工夫で生き残っていくことは可能かも知れません。しかしながら、あなたがサラリーマンの場合は話が少し違ってきます。

経営に関する意思決定ができるような立場にないサラーマンの場合、先細りする業界であると感じた時点で転職も視野に入れた準備をしておくことも選択肢のひとつです。

価値の低下しているサービスをどんなに頑張って提供し続けてもいずれは限界が訪れます。無駄に疲弊するよりも、努力が報われる新天地で頑張った方が長い目でみれば良い場合もあります。

今は順調であっても同僚や同業他社との競争は常に存在しており、いずれあなたの将来を脅かす可能性は否定できません。あらゆる可能性を考慮した上で、競争に勝つ、あるいは競争を避ける戦略を考えてみてはいかがでしょう。