「つみたてNISA」のアクティブファンドなら「ひふみプラス」か「結い2101」を選ぶ

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「つみたてNISA」で国内の株式市場に投資する場合の選択肢としてはTOPIX連動の低コストなインデックスファンドに投資するのが一般的ですが、国内株式への投資ならインデックスファンドを上回るリターンを出しているアクティブ運用の投資信託を上手に利用できる可能性があります。

金融庁はインデックス派

「つみたてNISA」の対象となる投資信託は現時点では132本ですが、そのうち117本がインデックス運用となっており、アクティブ運用の投資信託は15本しかありません。統計的には7割前後のアクティブ運用の投資信託がインデックス運用の投資信託のパフォーマンスに負けてしまうことが知られており、「つみたてNISA」のような長期積立投資ではインデックスファンドに投資する方がいいという金融庁の考えが反映されている結果です。

しかしながら、日本の株式市場に投資する投資信託においてはインデックスファンドを上回るリターンを出しているものもあり、アクティブ運用の投資信託を頭から否定するのではなく、上手に利用する戦略も有効ではないかと考えます。

アクティブ運用は慎重に選ぶ

アクティブ運用の投資信託がインデックス運用の投資信託に勝てないということを統計的に証明するデータはたくさんありますが、アクティブ運用の投資信託の中には鎌倉投信の「結い2101」のように、そもそも市場平均を上回るパフォーマンスを目指していない投資信託もあることが勝率の計算結果に少なからぬ影響を与えている可能性があります。

また、表面上はアクティブ運用と言いながらも実際の運用はインデックス運用を行っている投資信託も多く存在しています。このような投資信託は信託報酬がインデックス運用の投資信託よりも割高であるため、絶対にインデックス運用の投資信託を上回るパフォーマンスを出すことはありません。

このようにアクティブ運用の投資信託はひとつひとつ丁寧にその中身を吟味していかなければ、とんでもないものを掴まされるリスクがあるという点で、インデックス運用の投資信託を選ぶよりも時間と手間が必要となります。

日本株のインデックスファンドなら

「つみたてNISA」の対象となっているインデックスファンドを比較するする場合、最初にチェックするポイントは信託報酬です。インデックスファンドはもはや工業製品と同じであり、コスト以外に大きなチェックポイントはありません。

インデックスファンドは、「規模のメリットを利用して信託報酬を引き下げることでシェアを獲得する」というビジネスモデルとなっており、最終的には米国のように上位数社の運用会社で大半のシェアを占めることになるでしょう。

「つみたてNISA」で国内株式に投資するインデックスファンドを選ぶなら、信託報酬が最安(0.17%)の「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」あるいは「eMAXIS slim 国内株式インデックス」あたりを選んでおけば問題ないでしょう。

国内株式に投資するアクティブ運用の投資信託を選ぶ際にはTOPIXに連動する信託報酬0.17%の投資信託がライバルとなります。「つみたてNISA」の対象となるアクティブ運用の投資信託は信託報酬が1%前後のものが大半ですので、市場平均よりも0.83%高いリターンを毎年実現しなければアクティブ運用に勝ち目はありません。

国内株式は右肩上がりとは言えない

ここ数年の株式市場は堅調に推移しており、株式に投資する投資信託のパフォーマンスは非常に良好です。このまま右肩上がりの相場が20年間継続してくれれば問題ありませんが、過去の歴史から考えても一方的に上昇し続ける相場はなく、上げ下げを繰り返しながらも長期的には右肩上がりに推移していくのが本来の理想形です。

現在出回っている多くの強気な材料は過去10年くらいまで遡ったデータを根拠としている場合が多いのですが、「つみたてNISA」の運用期間は最大20年ですので、過去30年くらいまで遡ったデータで検証する必要があります。実は国内株式市場の値動きを過去30年まで遡って検証すると、バブル期に付けた高値を未だに更新することなく上げ下げを繰り返しているのが国内株式市場の現状であり、厳密に言えば右肩上がりとは言えません。

これに対して米国の株式市場の値動きは過去30年まで遡ってみても、綺麗な右肩上がりの動きが確認できます。従って、国内株式に投資する際には米国株式市場に投資するよりも慎重にダウンサイドリスクを考慮しておく必要があります。

インデックスファンドは市場が右肩下がりの局面でも株式を投げ売りすることはありません。このことが右肩上がりの相場では有効に働くのですが、長期的な視点からは厳密には右肩上がりの相場になっていない国内株式市場では必ずしも有効に作用するとは限らないという点には注意が必要です。

下落局面に強い2本のアクティブ

アクティブ運用の投資信託の中には現金保有率の上限値が高い投資信託があります。このような投資信託はファンドマネージャーの判断で、保有する株式を売却して様子を見ることができます。例えば、想定以上に過熱したマーケットでは一旦株式を売却して様子を見たり、下落局面と判断した場合はある程度現金化して様子を見ることができるのです。

先程ご紹介した鎌倉投信の「結い2101」は運用資産の40%をコールローンなどの流動性資産で保有しており、相場の下落局面に強い運用を行っています。2012年8月から2017年7月までのデータを見ると、この期間の国内株式(TOPIX)の騰落率は最大65%、最小でマイナス22%となっていますが鎌倉投信の「結い2101」では最大35.9%、最小でマイナス7.7%となっており、下落局面での強さがよく分かります。

比較グラフ

個人投資家から圧倒的な人気を獲得している「ひふみプラス」も普段は90%以上が株式に投資されていますが、一時的な現金保有比率は49%を上限としており、約半分までは現金化して様子を見ることができます。

2012年11月から2017年10月までのデータを見ると、この期間の国内株式(TOPIX)の騰落率は最大65%、最小でマイナス22%となっていますがレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」では最大68%、最小でマイナス3.5%となっており、鎌倉投信の「結い2101」と比べると下落局面での強さだけでなく、上昇局面でのリターンの大きさまでTOPIXを上回っています。

比較グラフ

「ひふみプラス」は「ひふみ投信」と同じものですが、「ひふみ投信」はレオス・キャピタルワークスの直販商品であり、レオス以外の販売会社で販売する際の名称が「ひふみプラス」となっています。「ひふみプラス」はマネックス証券、楽天証券、松井証券などの大手ネット証券では「つみたてNISA」の取り扱い対象となっています。「ひふみプラス」については以下の記事でまとめてありますので是非ご覧下さい。

投資信託を積立てる場合、インデックスファンドを選ぶのが一般的ですが、最近ではアクティブ運用の投資信託を選ぶ人も増えてきています。今回は「つみたてNISA」の対象となっている15本のアクティブ運用型投資信託の中から人気化必至の1本をご紹介します。

まとめ

「つみたてNISA」で国内の株式市場に投資する場合の選択肢としてはTOPIX連動の低コストなインデックスファンドに投資するのが一般的ですが、日経225やTOPIXに連動する国内のETFに対しては日銀が8割近いシェアで保有しており、今後も日銀の買付が続けばいつかはこれらの指数が国内の株式市場を表す指数として正確に機能しなくなる日が来るかもしれません。

もちろん現時点では日銀の株式保有シェアは時価総額の5%程度であり、まだまだ買付の余地はありますが、日経225のように時価総額の高い銘柄が影響力を持つ指数では既に株価に歪みが出始めている銘柄もあります。

このような状況を考慮すると、機械的に銘柄を買い付けるインデックスファンドとは異なり、情報開示に熱心な顔の見える運用者が運用するレオス・キャピタルワークスのような運用会社が、企業の経営者に直接会って話を聞きながら投資判断をしていくような投資信託の方が安心して長期間保有できるという人も多いのではないでしょうか。

全世界の株式市場の時価総額のうち、日本の株式市場が占める割合は10%未満に過ぎず、国際分散投資を前提とした場合、国内の株式市場に投資する比率は全体の10%程度です。わずか10%の投資比率であるならば、信託報酬が1%であるか0.17%であるかを気にするよりも安心して長期間保有できるものを選ぶ方が途中で投資を止めてしまうリスクは小さくなるかも知れません。

ただし、これまでの5年間は素晴らしい運用が続いていても、それが20年先まで続くかどうかを現時点で知る方法はありません。不確かな将来の実績に期待するよりも確実に発生するコストの方を重視したいという人には低コストのインデックスファンドの利用をお勧め致します。

いずれにしても、「つみたてNISA」のような長期積立投資において世界経済の成長を前提とした安定的な運用を目指すのであれば、国内の株式市場だけでなく、米国や欧州といった他の先進国、余裕があれば成長著しい新興国への投資についても検討してみることをお勧めします。「つみたてNISA」の資産クラス別の投資信託選びについては以下の記事でまとめてありますので、是非ご覧下さい。

「つみたてNISA」が2018年1月からスタートしました。将来を考えて投資を始めるにはいい機会だとは思っていても、何にどのように投資をしていいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、投資の初心者が「つみたてNISA」を始める際に参考となる投資信託の選び方について解説していきます。