FX取引所取引「くりっく365」はレバレッジ10倍規制の対象外なのか

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今年9月末、FX取引のレバレッジ上限が10倍に引き下げられるというニュースを聞いて驚いた方も多いのではないかと思います。ところが最近になって取引所取引の「くりっく365」は10倍規制の対象外だという話を耳にすることも多くなりました。

そこで今回は、25倍のレバレッジで取引を継続できる唯一の可能性となった、取引所取引「くりっく365」の特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。

2018年5月31日追記

金融庁はFX取引のレバレッジ上限を「一律10倍」に引き下げる方針を変更し、FX会社の財務力やリスク管理能力の弱い企業を個別に狙ってレバレッジ上限の引き下げを促す方針に切り替えるようです。
金融庁はFX取引のレバレッジ上限を一律10倍にまで引き下げる方針を変更し、FX会社の財務的な健全性によってレバレッジを見直すように促す方針に切り替えられました。この記事では今回の方針変更の背景や、今後利用すべきFX業者の選び方について解説しています。

FX会社の第二次生き残り競争

2017年9月28日、一部の新聞に「金融庁はFX取引におけるレバレッジ上限を、現行の25倍から10倍に引き下げることを検討している」という内容の記事が掲載されました。新聞報道の当日はFXビジネスを収益の柱としている全企業の株価が下がり、FX業界全体に与える悪影響を市場は折り込み始めました。レバレッジ上限引き下げがもたらすFX業界への影響につきましては以下の記事にまとめてあります。

金融庁は早ければ2018年度中にもレバレッジ上限を10倍程度まで引き下げることを検討しているということですが、このレバレッジ規制が将来のFX業界にもたらす悪影響と日本の個人投資家に与える不要なリスクについて大胆に予測してみました。

FX会社によっては顧客に対するアンケート調査を実施して、レバレッジ上限引き下げ後の顧客の取引がどのように変化するのかを予測しようとする動きも見られましたが、レバレッジ引き下げをポジティブに捉えることができるような調査結果が出て来るはずもありません。

FX取引専業業者の多くは、レバレッジ200倍時代に築いた財産を食い潰しながら、現状の25倍というレバレッジで細々と経営を維持しているというのが正直なところであり、レバレッジが10倍に引き下げられるなら、FX取引以外の収益源を早急に作り上げることに成功しない限り、最終的には大手FX会社に会社を売るという選択肢しかありません。

大手は仮想通貨を取り入れ始める

レバレッジ上限の引き下げ報道から1ヶ月が経過し、その間にFX業界も様々なルートから情報を収集し、金融庁の意図やレバレッジ上限引き下げに対する本気度などについてはある程度の感触がつかめてきている状況のようです。

金融庁は「まだ何も決まっていない」というスタンスで、今回の件は一部報道機関の勇み足であったとしながらも、レバレッジ引き下げについては「やる」とも「やらない」とも言わない姿勢を貫いています。

それに対してFXを高頻度取引(デイトレードやスキャルピングなど)で利用している顧客の動きは敏感です。ひとつの流れとしては海外FX業者を利用した400倍程度のハイレバレッジ取引にスイッチングする方向、もうひとつの流れが値動きが激しくレバレッジも25倍程度はかけられる仮想通貨の取引にスイッチングする方向です。

FX業者の動きも活発になっており、GMOフィナンシャルホールディングスやマネーパートナーズグループなどはFX取引との親和性が高く、高いシナジー効果が期待できる仮想通貨ビジネスへの参入で収益の多角化を狙っています。既に両社とも仮想通貨交換業者として財務局への登録も完了し、仮想通貨ビジネスを収益化できる環境は整ってきています。

くりっく365はレバレッジ25倍

GMOフィナンシャルホールディングスが2017年10月25日(水)に開催した 2017年12月期第2四半期決算説明会での質疑応答において、代表執行役社長グループCEOの鬼頭氏がFX取引のレバレッジ上限引き下げによる影響についての質問に回答しています。

回答の内容を要約しますと、「金融庁がFX取引のレバレッジ上限を引き下げるのかどうかはわかりませんが、もし10倍に引き下げた場合、取引ボリュームは3割~5割程度減る可能性があり、中堅規模のFX業者が最も厳しい影響を受けるでしょう。これはGMOにとっては顧客の自然流入増やM&Aのチャンスとなります。過去のレバレッジ規制時においてはバイナリーオプション取引が増えました。またGMOコインでは25倍のレバレッジ取引が可能なのでそちらへの流入も期待できます。また今回のレバレッジ規制の対象外である上場FX取引の「くりっく365」への移行などもあり、顧客はGMOグループ内での移行に留まるものと考えます。」ということだそうです。

質疑応答においてレバレッジ規制に関する質問が出てくるのは事前に想定されていたはずですから、十分に練り上げた模範回答を準備の上での回答だと思いますが、「今回のレバレッジ規制の対象外である上場FX取引の「くりっく365」への移行」という言葉を公の場で口にしたことには驚かされました。同じFX取引なのにどうして店頭取引と取引所取引という違いだけでレバレッジの上限が異なるのでしょうか。

くりっく365は大切な天下り先

確かにFX業界の過去を振り返ると「くりっく365」だけが特別扱いされたケースは初めてではありません。例えば、同じFX取引なののに店頭取引と取引所取引(くりっく365)という違いだけで取引の利益に対する税金の計算方法が異なっていた時代がありました。

2011年くらいまでは、「くりっく365」は申告分離課税で税率は20%、3年間の損失繰り延べや他の先物取引所の取引との損益通算も可能でしたが、店頭取引のFX取引については雑所得として総合課税の対象となっており、所得の多い人ほど「くりっく365」で取引するメリットが大きいという状態が長く続きました。

現在「くりっく365」の売買高は店頭取引FX会社でいうなら中堅FX会社1社と同じくらいの水準です。つまり、日本のFX取引全体で見れば、「くりっく365」の売買高は無視できる程度の存在でしかありません。しかしながら日本の全ての取引所は金融庁にとって大切な天下り先であり、金融庁としては「くりっく365」にも頑張ってもらわなければなりません。

もしも「くりっく365」だけがレバレッジ25倍を維持できるのであれば、顧客は店頭取引から取引所取引に流れる可能性があり、店頭取引FX会社が「くりっく365」の新たな会員となることについても期待が持てます。そうなれば取引所の収益が増え、金融庁の天下り先は安泰です。

さすがに金融庁もこのような決断をするためにはそれなりの合理的な理由が必要です。いくら頭の良い官僚たちであっても店頭取引FX会社が納得できるような理由を考え出すのには苦労するだろうと思いますが、万一の場合に備えてGMOクリック証券のような店頭取引と取引所取引の両方を取り扱っているFX会社に口座を作っておくというのは悪い考えではないのかも知れません。

「くりっく365」の特徴

◆スプレッドは変動性でやや広め

店頭FXのスプレッドは「原則固定」を謳っているところが多いのですが、「くりっく365」ではマーケットの状況によってスプレッドは自由に動きます。私の見る限り、「くりっく365」ドル円のスプレッドは非常に安定しており、頻繁にスプレッドが拡大するイメージはありません。ただし、スプレッドは店頭FXよりも広く、平常時のドル円で3銭くらいのスプレッドです。通貨ペアは25通貨ペアありますので品揃えとしては十分なレベルと言えます。

◆スワップポイントは一本値

店頭FXでは売りポジションと買いポジションでスワップポイントに差があるのが一般的ですが、「くりっく365」のスワップポイントは売りも買いも同じです。両建てをする人にはありがたいルールだと言えますし、スワップポイントの水準も標準的で問題のないレベルです。

◆約定力は問題なし

「くりっく365」ではスリッページやリジェクトといった嫌らしい問題もなく、ストップ狩りのような悪質な行為もありません。このあたりはさすがに公正な取引所取引ですね。

手数料を無料にしている会社を選ぶ

ご存知ない方もいらっしゃると思いますが、「くりっく365」ではGMOクリック証券やカブドットコム証券のように手数料を無料としている会社がありますので、そのような会社を選べば店頭FXとほぼ同じ環境で取引することができます。

FX会社が取引所取引で手にすることができる唯一の収入源が手数料なのに、手数料を無料にできるのはなぜでしょうか。実は2012年くらいから「くりっく365」の税制メリットがなくなってしまい、取引量が半減するような事態となったのです。そこで2013年くらいから取引所は店頭FXとの競争のために、取引量に合わせて取引所の会員であるFX会社にキャッシュバックする制度をスタートさせました。

FX会社は顧客から手数料をもらう代わりに取引所からキャッシュバックをもらうことによって手数料を無料にすることができる環境ができたのですが、全てのFX会社が手数料を無料にしている訳ではありません。取引所からのキャッシュバックは1万通貨ペアあたりにつき100円くらいのはずですから、それ以上の儲けが欲しい会社は今でも手数料を徴収しています。

ちなみに取引所は会員にキャッシュバックするためのお金をどこから得ているかというと、「くりっく365」にレートを提供している銀行から徴収しています。そして銀行はキャッシュバックのお金を払うために顧客に提示するレートの差益から収益を得ようとします。こうして考えると結局は顧客が負担してるようなものなのかも知れませんね。

まとめ

FX取引のレバレッジ上限が10倍に引き下げられた場合でも「くりっく365」のレバレッジが25倍を維持する可能性が出てきました。「くりっく365」はスプレッドが原則固定ではないというデメリットを除けば、店頭FXとの差は昔ほど大きなものではなくなってきています。

将来のリスクヘッジのため、今のうちに「くりっく365」が取引できる会社に無料で口座だけでも開設しておくのであれば、「くりっく365」の取引手数料が無料で、会社の収益源が店頭FXに依存しきっていないGMOクリック証券会社のような会社を選んでおくことをお勧めします。

FX会社選びでお悩みの方は以下の記事を参考にしてみて下さい。

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