つみたてNISAとiDeCoの組み合わせでチャレンジしたいコア・サテライト戦略とは

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「つみたてNISA」は来年1月からのスタートですが、1月から運用を開始するためにはそろそろ申し込みをしておく必要があります。「つみたてNISA」の口座を開設できる金融機関は原則としてひとつだけですから、なるべくたくさんの投資信託を取扱っている金融機関を選んでおく方が安心です。また、毎月の積立金額の最低額についても金融機関によって違いがありますのでご注意下さい。

「つみたてNISA」の口座ができればいよいよ運用を開始する訳ですが、これまで投資信託を利用したことがない人が投資信託を選ぶ場合、無難な選択としてバランス型の投資信託を選ぶという人も多いのではないかと思います。このこと自体は間違っている訳ではないのですが、非課税の積立投資は「つみたてNISA」だけでなく、「iDeCo」という最強の節税制度がありますので、今回は「つみたてNISA」と「iDeCo」を組み合わせた「コアサテライト戦略」について考えて行きたいと思います。

つみたてNISAは10年積立と考える

「つみたてNISA」の非課税期間は買付から20年という期限があります。通常の積立投資のように無期限で積立をする訳ではないため、非課税メリットを享受するためには20年以内に利益を手にする必要があります。

例えば、過去の米国株式市場の値動きを見ると、10年という積立期間があればどのタイミングで投資をスタートしたとしてもそれなりのリターンを得ることができています。このようなことから「つみたてNISA」においては積立開始から10年、長くても15年くらいの期間で利益を確定するくらいのイメージを持っておきましょう。

積立投資において10年という期間は決して長期とは言えません。だからと言って期限ギリギリの20年間をベースに運用してしまうと、もうすぐ20年という時期と世界経済が停滞する時期が重なってしまった場合に、「つみたてNISA」特有のある問題が発生します。

「つみたてNISA」は運用によって発生した利益を無かったものと見なして税金を徴収しないメリットがある反面、運用によって発生した損失についても無かったものと見なしてしまうデメリットがあるのです。つまり、利益を出すことができない市場価格で「つみたてNISA」の期限である20年が経過した場合、買付価格はその時点の価格に上書きされてしまうのです。

本当はもっと高い価格で購入している投資信託であっても期限終了時の低い価格で買ったものとして扱われてしまい、将来利益を確定する際には税金を無駄に多く支払うことになってしまいます。このように「つみたてNISA」は20年という期間内においては非課税制度ですが、期限を過ぎると増税制度に変わってしまうため、20年以内に必ず利益を確定させなければなりません。

以上のことから「つみたてNISA」は10年積立だと考え、もしも10年積立てた段階で利益を出せない状況であった場合、残りの10年を予備期間と考えて、利食いのチャンスを待つか「iDeCo」へのスイッチングを考えてみましょう。

長期積立投資のコアはiDeCoで運用

老後資金のコアとなる部分の運用は大きな節税効果が魅力の「iDeCo」を利用して行うのが正解です。「iDeCo」の運用期間は60歳までなので30歳からスタートすれば30年間の積立期間があるため長期積立投資におけるメリットを十分に活かすことができます。ただし、60歳になるまでは引き出せませんので60歳までに使う予定のあるお金の運用は「iDeCo」ではなく「つみたてNISA」や定期預金を利用するようにしましょう。

また、「iDeCo」の積立上限額は企業年金のない会社員の場合で月間2万3000円ですので、それを上回る金額を積立投資できる人は「つみたてNISA」の併用を検討しましょう。「つみたてNISA」と「iDeCo」の使い分け方については以下の記事にまとめてありますので、是非ご覧下さい。

この記事では「iDeCo」と「つみたてNISA」のメリットやデメリットについて説明し、これらを組み合わせて利用することで計画的に老後資金を積み立てていくための具体的な方法について解説しています。

10年運用ならハイリターンを狙うべき

10年の積立期間において毎月いくらの資金を「つみたてNISA」で積立て、どれくらいのリターンを狙うのかによって投資すべき投資信託は異なります。例えば毎月1万円の積立を10年続けると積立てた元本は120万円になります。それに対して運用利益は年利1%の運用なら6万円、年利3%なら20万円、年利5%なら35万円が計算上のリターンとなります。

毎月1万円を「つみたてNISA」で10年間運用する場合、手堅く年利回り1%を狙って6万円のリターンを得たとしても非課税によるメリットは6万円の20%である1万2000円にしかなりません。これなら20年という期限を気にしてまで「つみたてNISA」で運用するよりも期限のない通常の積立投資を利用する方が安全です。

手堅い運用は所得控除のある「iDeCo」で行い、「つみたてNISA」ではせめて年利回り5%以上を狙った運用を行うというのが、この記事でおすすめする「コア・サテライト戦略」です。

コア・サテライト戦略の具体例

「コア・サテライト戦略」とはポートフォリオを「攻め」と「守り」に二分することによって運用効率を高める戦略のことを言います。言いかえると、安定運用を目指す「守り」の「コア」と、積極的にリターンを狙う「攻め」の「サテライト」を組み合わせることによって収益性の向上を目指す戦略です。

「iDeCo」ではバランス型の投資信託などを利用した安定運用だけでも所得控除による節税効果単独で毎年数万円のリターンを手にすることができます。この「iDeCo」による運用部分をポートフォリオにおける「コア」部分とし、「つみたてNISA」で運用するのはリスクをとってハイリターンを狙う「サテライト」部分とします。

「つみたてNISA」で投資できる投資信託のうち、大きなリターンが狙えるのは先進国株式と新興国株式に投資する投資信託です。国内株式は10年という運用期間を考えた場合に若干の不安がありますので、個人的には米国の株式市場を中心にヨーロッパの株式市場や新興国の株式市場に投資するというスタンスがおすすめです。

面倒であれば全て米国株式市場に連動する低コストのインデックスファンドに投資するだけでもOKですし、もっと攻めるのであれば10%弱は新興国市場の株式市場に連動するインデックスファンドに資金を振り分けてもいいでしょう。

10年積立てた結果がマイナス運用となった場合は、「つみたてNISA」での積立を中止し、これまで「つみたてNISA」で積立ててきた投資信託を毎月少しずつ決済し、そのお金で同じタイプの投資信託を「iDeCo」で積立てて行きましょう。これにより、「つみたてNISA」で運用してきたサテライト部分を「iDeCo」へ移動させ、非課税期間を延長することが可能となります。

「つみたてNISA」や「iDeCo」で投資すべき具体的な投資信託の選び方については以下の記事を参考にしてみて下さい。

「つみたてNISA」が2018年1月からスタートしました。将来を考えて投資を始めるにはいい機会だとは思っていても、何にどのように投資をしていいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、投資の初心者が「つみたてNISA」を始める際に参考となる投資信託の選び方について解説していきます。

iDeCoのメリットは知っていても、これまで投資をしたことがない初心者の方の中には、何にどれくらい投資したらいいのか分からないという方が多いのではないでしょうか。そこで、この記事では投資未経験者がiDeCoを始める際に選ぶべきおすすめの投資信託やその組み合わせ方法などについて解説していきます。