「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド 」のどちらを選ぶべきか

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「楽天・全米株式インデックス・ファンド 」の強力なライバルとして「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が登場することになりました。

この記事では、米国市場の株式に投資する際の選択肢として、どちらの投資信託を選択すべきかについて解説しています。

「eMAXIS Slim シリーズ」が人気の理由

「eMAXIS Slim シリーズ」は同じカテゴリに属する他社の投資信託の信託報酬と比較して、常に最安の信託報酬を目指すことを明言しています。

実際にこれまで「eMAXIS Slim シリーズ」よりも信託報酬が低い同種の投資信託が登場したケースにおいて、「eMAXIS Slim シリーズ」は即座にそれに追随して信託報酬を引き下げてきており、投資家の信頼を裏切るようなことはありませんでした。

つまり、投資家は「eMAXIS Slim シリーズ」を選んでおきさえすれば、類似する他の投資信託よりも常に低コストな運用が実現できるという訳ですから、長期投資を考えている人にとって最良の選択肢のひとつになっています。

かつて「eMAXIS Slim シリーズ」は「eMAXIS シリーズ」の低コスト版というイメージが強かったのですが、2018年4月に設定された「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」のように、「eMAXIS シリーズ」には存在しない新しい投資信託も投入されるようになってきています。

この記事では新しく「eMAXIS Slimシリーズ」に加わった「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」のメリットとデメリットを解説しています。この投信は単独で利用するだけでなく、他の投資信託と組み合わせることで信託報酬を引き下げることができます。

NYダウではなくS&P500を選ぶ理由

世界で最高の投資家の一人であるウォーレン・バフェット氏は、ご自身の死後の遺産管理について、「資産の90%はS&P500、残り10%は政府短期国債に投資せよ」という言葉を奥様に伝えているそうです。

ウォーレン・バフェット氏は天才的な投資家ですが、奥様は決して投資の専門家という訳ではありません。そんな奥様でも可能な限り失敗しない資産の運用先としてバフェット氏は「S&P500」への投資を推奨しています。

日本では米国の株式市場の値動きを「NYダウ」の値動きで説明することが多いのですが、「NYダウ」は米国を代表する30銘柄の株価平均型の指数です。

それに対して「S&P500」は米国を代表する500銘柄の時価総額の加重平均による指数であり、米国の株式市場の80%以上をカバーをしているため、「NYダウ」よりも忠実に米国の株式市場の値動きを反映します。

2018年7月3日に設定される「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、「eMAXIS シリーズ」には存在しない「S&P500」に連動する新しい投資信託です。

最近まで日本には「S&P500」の値動きに連動する投資信託はほとんどなく、米国の株式市場全体に投資しようと考えた場合、「NYダウ」に連動するものを選ぶしかなかったのですが、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の登場により、低コストで「S&P500」に投資することができるようになります。

楽天・全米株式インデックス・ファンド

「S&P500」に連動する低コストの投資信託がないという投資家の声に応え、2017年8月31日に大和証券投資信託委託が新しく設定したのが「iFree S&P500インデックス」です。

「iFree S&P500インデックス」は信託報酬0.24%(税込)という低コストで「S&P500」に連動する点が評価され、2017年の「投信ブロガーが選ぶ!ファンド・オブ・ザ・イヤー」ではいきなり10位にランクインしました。

しかし、「iFree S&P500インデックス」が登場した1ヶ月後に発売された「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は信託報酬が0.17%(税込み)と格安であるだけでなく、ベンチマークとして採用している「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」は米国株式市場の大型株だけでなく中小型株も含めた約4000銘柄から構成されており、まさに米国の株式市場の全てに投資できるファンドとして人気を集めています。

その結果、「投信ブロガーが選ぶ!ファンド・オブ・ザ・イヤー」では「iFree S&P500インデックス」をおさえて第3位にランクインされています。

「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の2018年6月19日時点の純資産額は131億円、先発した「iFree S&P500インデックス」の純資産額(48億円)の2.7倍に達する人気となっており、現在のところ米国の株式市場に投資するための投資信託としては、不動の1位をキープしています。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

2018年7月3日に設定される「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬は0.1728%(税込)となっており、、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の信託報酬(0.17%:税込み)を意識したものになっています。

つまり、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は国内最安コストで米国の株式市場に投資できる投資信託として、強力なライバル関係にあると言えます。

それぞれのファンドは「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」と「S&P500」という異なるベンチマークで運用されます。ただし、指数を構成する銘柄数こそ異なりますが、両指数の値動きはほとんど同じであり、どちらに投資してもパフォーマンスに大きな差がつくことは考えられません。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は後発という点では不利な面もありますが、少なくとも「iFree S&P500インデックス」よりも低コストであるため、長期投資を前提とした場合には大きなアドバンテージを持っています。

また、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」とはコスト面での大差がないため、互角の戦いになることが予想されます。

まとめ

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は「楽天・全米株式インデックス・ファンド」と同等の低コストで米国の株式市場全体に投資できる投資信託として人気が出ることは間違いなく、少なくとも現在「iFree S&P500インデックス」を利用されている方は、乗り換えを検討してみてもいいでしょう。

ただし、慌てて乗り換える必要はなく、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の純資産額の増え方を確認してから乗り換えるようにしましょう。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド」のどちらを選ぶべきかという点については、可能な限り米国市場に幅広く投資したいという人は「楽天・全米株式インデックス・ファンド」を、米国市場の80%程度を占める米国を代表する企業群に投資したいという人は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を利用するのがいいでしょう。

マネックス証券のように「iDeCo」で「eMAXIS Slim シリーズ」を採用している証券会社では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が追加採用される可能性が高いものと考えられます。

また、「つみたてNISA」でも利用できるようになると思われますので、米国の株式市場への投資をお考えの方にとって「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は有力な選択肢の一つになるでしょう。

◆2018年7月8日:追記

2018年7月3日に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が「つみたてNISA」の対象となり、既にマネックス証券や楽天証券などで利用することが可能となっています。

この記事では「iDeCo」の運用方法がわからないという20代から30代の人に向けて、利用すべき証券会社と投資信託をセットにしてご紹介し、「iDeCo」の金融機関と選ぶべき投資信託がひと目で分かるように解説しています。