eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は楽天全世界株式インデックスファンドの強敵に

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1本の投資信託で全世界の株式市場に分散投資できる「全世界株」ジャンルの投資信託に人気が集まっています。この記事では2018年10月31日設定の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」についてご紹介し、既存の全世界株系の投資信託との違いについて解説しています。

全世界株系の投資信託が選ばれる理由

これから数十年先における世界各国の株式市場の値動きを正確に予測することは極めて困難です。しかし、世界経済全体の動きを振り返ってみると、数年程度の調整期間は存在するものの、概ね右肩上がりの成長が長期間に渡って続いていることが分かります。

今後も世界経済はこれまで通りの右肩上がりの成長を続けるだろうと考えている人々にとって、「全世界株系」の投資信託は世界経済の成長そのものに投資する手段として最適であり、急速に人気を高めています。

世界各国の経済状況や各国間の競争状況、個別の株式銘柄におけるファンダメンタルズなどに関する知識や興味が全くない人であっても、世界経済に丸ごと投資できる「全世界株系」の投資信託を利用すれば平均的な投資家に劣らない運用成果をかなり高い確率で手に入れることができます。

一昔前までなら全世界の株式市場に投資するためには複数の投資信託に投資する必要がありました。しかし、今では1本の投資信託で全世界の株式市場に低コストで投資できる投資信託が次々に登場しており、長期運用で必要となるリバランスなどの手間をかけることなく、誰でも簡単に世界経済の成長からリターンを得ることができるようになりました。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

「全世界株系」の投資信託で現在最も人気が高い投資信託は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」ですが、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の強力なライバルになりそうです。

全世界の株式市場の上位85%をカバー

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は世界の株式市場の時価総額上位約85%程度をカバーする「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動するように設定された投資信託です。

これに対し、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は世界の株式市場の約98%程度をカバーする「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」に連動する「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」に投資しており、両者の運用対象の違いは株式市場のほとんどを占める大型株、中型株だけでなく、時価総額の低い小型株にも投資するかどうかの違いだと言えます。

信託報酬は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」が0.23%(税込み)、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が0.15%(税込み)となっていますので、多めにコストを支払っても小型株の成長に期待される方は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を、信託報酬の差を埋めるほど時価総額下位15%の小型株に魅力を感じないという方は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を選ぶのがいいでしょう。

3本のマザーファンドで現物株投資

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の運用形態はファミリーファンド方式となっており、日本を除く先進22か国(1327銘柄)の株式市場の動きに連動する「MSCIコクサイ」をベンチマークとする「外国株式インデックスマザーファンド」、新興国24か国(845銘柄)の大型株・中型株の値動きに連動する「MSCIエマージング」をベンチマークとする「新興国株式インデックスマザーファンド」、日本の大型株・中型株(321銘柄)の値動きに連動する「MSCIジャパン」をベンチマークとする「日本株式インデックスマザーファンド」に投資します。

マザーファンド

「外国株式インデックスマザーファンド」および「新興国株式インデックスマザーファンド」の2本のマザーファンドは三菱UFJ国際投信が運用する他の投資信託でも利用されている実績のあるマザーファンドです。

それに対して、「日本株式インデックスマザーファンド」は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のために新設されたマザーファンドですので実績については未知数です。ただし、「日本株式インデックスマザーファンド」に対する投資比率は多くても1割程度までになると思われますので、影響力は限定的です。

それでも新設のマザーファンドが心配だという方は、「外国株式インデックスマザーファンド」および「新興国株式インデックスマザーファンド」の2本のマザーファンドのみで運用する「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」の利用を検討されてみてはいかがでしょう。

マザーファンド

「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」は2018年3月に設定されたばかりの投資信託ですが、0.15%という同一カテゴリにおける最安水準の信託報酬で人気を集め、2018年10月24日時点で既に25億円を上回る純資産となっています。

米国と比較して経済成長率の低い日本への投資を避けたい人、既に「ひふみプラス」などの投資信託で国内の株式市場に投資をしている人は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」よりも「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」を選ぶことをオススメします。

「投信ブロガーが選ぶ!ファンド・オブ・ザ・イヤー2017」で1位の座を獲得した「 楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の強力なライバルが出現しました。税込みで0.15336%という格安の信託報酬で世界中の株式に投資できる「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が2018年3月19日から売り出されます。

ライバルとなる全世界株系の投資信託

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と同じ「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」をベンチマークとする投資信託としては、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが運用する「全世界株式インデックス・ファンド 」がありますが、信託報酬が0.52%(税込み)となっており、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬(0.15%)と比べるとかなり割高となっています。

「全世界株式インデックス・ファンド 」は設定から1年以上が経過していますが純資産は7億6000万円程度(2018年10月23日時点)となっており、お世辞にも人気商品とは言い難く、繰り上げ償還リスクがゼロとは言えない状況となっています。

同じ時期に設定された「全世界株系」の投資信託としては「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」も純資産が13億程度となっており、信託報酬が最安水準の0.15%(税込み)であるにもかかわらず、人気は今ひとつな投資信託となっています。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は三菱UFJ国際投信が本気になって「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」に対抗するために設定した投資信託であり、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の弱点を見事に見抜いた商品設計となっています。

もともと「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は米国で人気の「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」に投資するという「ファンド・オブ・海外ETF」という特殊な商品設計となっており、取引コストや課税の問題から信託報酬以外のコストが膨らみやすく、実質コストは信託報酬よりも割高にりやすい傾向があります。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」はマザーファンドを通じて現物株式に投資するファミリーファンド方式を採用しており、コスト面において圧倒的に有利です。

また、「eMAXIS Slimシリーズ」は「他社の信託報酬引き下げの動きに対して機動的に対応する」ことを宣言しており、もしもライバルが信託報酬を引き下げれば「eMAXIS Slimシリーズ」も追随することで常に最安値水準を維持する姿勢を貫いてきています。このような姿勢は長期保有を前提とした積立投資家にとって非常に安心できる商品設計だと言えます。

現在までのところ、「全世界株系」の投資信託では「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の一人勝ちの状態が続いてますが、近い将来において「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が人気を二分する存在になる日が来るのかも知れません。

まとめ

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は信託報酬が0.15%(税込み)という業界最低水準の低さでありながら、全世界の株式市場の85%をカバーするインデックスファンドです。

「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」や「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」のようにETFに投資するのではなく現物株に投資するファミリーファンド方式であるため信託報酬以外の隠れたコストが大きく膨らむということはなさそうです。

ただし、新設の投資信託ですので慌てて利用する必要はなく、2019年4月25日に発表される決算の状況を見てから利用を検討することをオススメします。

特に日本の株式市場への投資にこだわりのない方、既に何らかの形で日本株への投資を行っている方は、運用実績のある「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」の利用がオススメです。