「つみたてNISAフェスティバル 2018」で話題となったつみたてNISAの2つの課題

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wanisa

2018年4月21日、「赤坂インターシティーコンファレンス4F the Air」で開催された「つみたてNISAフェスティバル 2018」に参加してきました。

山崎元氏、カン・チュンド氏、島田知保氏、田村正之氏といった有識者の方々、虫取り小僧氏、吊ら男氏、たぱぞう氏といった人気ブロガーの皆さんが登壇され、「つみたてNISA」をこれから始める投資未経験者や初心者を対象に、投資に関する基本的な考え方や「つみたてNISA」の誕生秘話などが披露されました。

有識者によるパネルディスカッションでは「つみたてNISA」の課題と言えるスイッチングの問題や20年という期限の問題について山崎氏と八幡道典政策管理官とのやり取りがあり、金融庁としても課題への取り組みが意識されていることが分かりました。

つみたてNISAフェスティバル 2018

「つみたてNISAフェスティバル 2018」の概要についてですが、最初に金融庁挨拶として村井英樹大臣政務官から日本の個人金融資産に占める株式投資のシェアが欧米と比較して低すぎる現状を変えていきたいというお話がありました。

次に岡本和久氏による「基調講演」があり、カン・チュンド氏、岡田篤氏、油布志行参事官による「つみたてNISA誕生秘話」、「はじめての投資!おススメの一冊ベスト10」、「つみたてNISA公式キャラクター発表」「有識者によるパネルディスカッション」という流れで進んで行きました。

はじめての投資!おススメの一冊ベスト10

個人投資家からの投票で選ばれた「はじめての投資!おススメの一冊ベスト10」というコーナーでは、有名投信ブロガーである、虫取り小僧氏、吊ら男氏、たぱぞう氏の3名がプレゼンテーションをされたのですが、彼らのキャラクターの強さに会場がざわついたのが印象的でした。

ランキングにつきましては以下の通りです。

1.「お金は寝かせて増やしなさい」 著者:水瀬ケンイチ
2.「敗者のゲーム」 著者:チャールズ・エリス
3.「ウォール街のランダム・ウォーカー」 著者:バートン・マルキール
4.「投資家がお金よりも大切にしていること」 著者:藤野英人
5.「全面改訂 ほったらかし投資術」 著者:水瀬ケンイチ
5.「難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えて下さい!」 著者:山崎元
5.「臆病な人でもうまくいく投資法」 著者:竹川 美奈子
8.「忙しいビジネスマンでも続けられる毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術」 著者:カン・チュンド
8.「全面改訂 超簡単 お金の運用術」 著者:山崎元
8.「図解 山崎元のお金に強くなる!」 著者:山崎元

番外編として今回登場された3名の投信ブロガーがおすすめする一冊は以下の通りです。

「いつか子どもに伝えたいお金の話」管理人である虫取り小僧氏は「老後貧乏にならないためのお金の法則」(著者:田村正之)、「吊られた男の投資ブログ(インデックス投資)」管理人である吊ら男氏は「難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えて下さい!」 (著者:山崎元)、「たぱぞうの米国株投資」管理人であるたぱぞう氏は「千年投資の公理」(著者:パット・ドーシー)を選ばれました。

「つみたてNISA」の公式キャラクター

「ドラゴン桜」、「インベスターZ」などの作者である三田紀房氏、アートディレクターの大山よしたか氏といった審査員の皆様が応募総数343通の中から「つみたてNISA」の公式キャラクターを選び、表彰式が行われました。

「つみたてNISA」の公式キャラクターに選ばれたのは以下の「つみたてワニーサ」というキャラクターでした。

「つみたてNISA」の公式キャラクター

有識者によるパネルディスカッション

島田知保氏、山崎元氏、田村正之氏、八幡道典政策管理官の4名が事前に寄せられた投資に関する疑問や質問に回答するという流れで50分間のパネルディスカッションが行われました。

繰上償還時のスイッチングについて

このパネルディスカッションの中で話題になったことの一つが投資信託の繰上償還についてでした。長期積立投資が前提となっている「つみたてNISA」の対象となっている投資信託が繰上償還となった場合は特別に他の投資信託へのスイッチングを認める必要があるのではないかというパネラーからの意見に対し、八幡道典政策管理官は前向きに検討する価値のある課題であるというニュアンスの回答をされていたように感じました。

「つみたてNISA」でスイッチングを認めていないのは、長期積立投資を前提とした制度でスイッチングを認めると、短期間で利食いや損切り、投信の乗り換えなどを頻繁に行う人が出てくるリスクを懸念してのことであり、制度が定着して長期積立投資の有効性が認知されればスイッチングを禁止する理由もなくなるというのが金融庁の考えのようです。

今年に入って繰上償還する投資信託の数が増えているような気がします。4月27日に繰上償還されることが決まっている10本の「i-mizuho シリーズ」は信託報酬が割り高なせいもあってどれも純資産額が10億円を下回っており、採算が取れないという判断から繰上償還となっています。

万一、「つみたてNISA」の対象となる投資信託が繰上償還された場合、強制的に利食いや損切りをさせられてしまうだけではなく、投資上限枠のせいで類似する別の投資信託に乗り換えることもできない(スイッチングができない)現在のルールは長期積立投資を事実上困難にさせており、ルールの変更が望まれます。

20年という非課税期間の無期限化

パネルディスカッションでは、「つみたてNISA」のもうひとつの課題である20年という期限の延長や無期限化について山崎氏から八幡道典政策管理官へ質問という形の要望が出されました。

ひと言でまとめれば「期限のある運用では長期積立投資とは言えないので20年という期間の延長については今後検討されると思いますが、ギリギリになってから議論するのではなく、早期にルールを見直して欲しい」という要望なのですが、金融庁はそのつもりでも税収に関する問題については金融庁の意見だけでは決められないという現実的な問題への理解を求めつつも、前向きに話を進めていきたいという金融庁の考えがなんとなく伝わってきました。

「つみたてNISA」で最も大切なことは積立てを継続することです。従って最低でも今から10年くらいまでは黙って積立を行うことが大切ですが、その頃までには20年という期限を撤廃してもらわないと「つみたてNISA」の出口戦略について準備しなければならなくなります。

2018年1月から「つみたてNISA」がスタートしました。この記事では「つみたてNISA」の金融機関の選び方や、144本もある投資信託の中から何を基準に投資信託を選び、どのような出口戦略を準備すればいいのかについて解説しています。