FX取引のレバレッジ規制|「くりっく365」はレバレッジ25倍のまま店頭FXだけ10倍に引き下げ

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天下り

来年の早い段階で店頭FX取引のレバレッジが現行の25倍から10倍へ引き下げられる可能性が高くなってきました。更に信じがたいことでなのですが、今回のレバレッジ上限引き下げの対象に取引所FX取引である「くりっく365」は含まれていないようです。

これまでもFX取引では2度に渡るレバレッジ規制により、50倍、25倍という2段階のレバレッジ上限引き下げが行われてきましたが、来年早々に店頭取引のFXのみ10倍まで引き下げられるというのはどういった理由からでしょうか。

2018年5月31日追記

金融庁はFX取引のレバレッジ上限を「一律10倍」に引き下げる方針を変更し、FX会社の財務力やリスク管理能力の弱い企業を個別に狙ってレバレッジ上限の引き下げを促す方針に切り替えるようです。
金融庁はFX取引のレバレッジ上限を一律10倍にまで引き下げる方針を変更し、FX会社の財務的な健全性によってレバレッジを見直すように促す方針に切り替えられました。この記事では今回の方針変更の背景や、今後利用すべきFX業者の選び方について解説しています。

「くりっく365」と呼ばれる取引所取引

多くの人がFX取引と聞いて頭の中でイメージしているのは、実は店頭FX取引である場合が多く、取引所取引のFXのことはあまり知られていません。

日本のFX取引は2002年辺りから普及し始めましたが、当時は店頭取引しかありませんでした。「くりっく365」の愛称で呼ばれる取引所取引によるFX取引がスタートしたのは2005年で、2013年まで取引手数料を徴収していましたが、店頭FXでは2006年くらいから取引手数料を無料とする動きが広まりました。

当時、わざわざ手数料を支払ってまで「くりっく365」を利用する人がいたのは2011年までは「くりっく365」のみに適用される税制優遇制度があったからです。「くりっく365」の取引によって発生した利益については申告分離課税が適用されましたが、店頭FX取引で発生した利益は雑所得の扱いとなり最高で50%程度の税金が徴収されるという「くりっく365」優遇制度が2011年まで存在していたのです。

税率が20%の「くりっく365」と雑所得として最大50%の税率となる店頭FX取引を比較した場合、お金持ちほど「くりっく365」を利用する方が得だということになりますので、2011年以降に税制が一本化されるまでは「くりっく365」を利用するメリットは大きかったと言えます。

現在では店頭取引と取引所取引の税制は一本化されており、「くりっく365」を利用するメリットはなくなっています。日本のFX取引において、「くりっく365」が売買高全体に占めるシェアは数%程度であり、「くりっく365」の存在感はほぼゼロであると言っても過言ではありません。

「くりっく365」のメリットとデメリット

スワップポイントの「売り」と「買い」が同じ

FX取引では高金利通貨の買いポジションに対してスワップポイントと呼ばれる金利相当額を付与し、高金利通貨の売りポジションからはスワップポイントを徴収します。店頭FXでは「買い」のスワップポイントと「売り」のスワップポイントに差があり、それはFX業者の収益となっています。

それに対して「くりっく365」ではスワップポイントが「売り」と「買い」で同じ金額となっており、顧客にとっては分かりやすく、売りポジションと買いポジションを同時に保有するいわゆる「両建て」をする人にとっては大きなメリットとなっています。

店頭FXよりもスプレッドが広い

以下の画像は同一時刻における店頭FX取引のレートと「くりっく365」のレートです。

◆店頭FX取引のスプレッド

店頭FXのレート

◆「くりっく365」のスプレッド

くりっく365

ご覧頂けばお分かりの通り、ドル円のスプレッドを比較すると店頭FX取引では0.3銭のスプレッドですが、「くりっく365」では3銭のスプレッドになっており、10倍の開きがあります。他の通貨ペアを見ても数倍の開きがあることがお分かり頂けると思います。

レバレッジが25倍で取引できる

これまで「くりっく365」のメリットはスワップポイントの分かりやすさしかありませんでしたが、来年からは「レバレッジ25倍で取引ができる」というメリットが新たに加わる可能性が高くなっています。

このことは、同じ資金で取引をする場合、店頭FX取引で取引できる数量の倍以上の取引が「くりっく365」では可能となる(店頭FX取引の半分以下の証拠金で取引できる)ということを意味しています。資金効率が倍以上ということですので大きなメリットだと言えそうです。

「くりっく365」が向いている人

上記のようなメリット・デメリットを考慮した上で、「くりっく365」を利用した方がいい人とは、中長期的なポジションを保有する人ということになります。中長期的にポジションを持つ人はある程度大きな利益幅を狙って取引する人か、スワップポイントを目的に取引する人です。

これらの人達にとって、数銭程度のスプレッド差よりも証拠金の安さ(レバレッジの高さ)の方が重要となる場合が多く、売買頻度が低いことからスプレッド差による収益悪化の影響が少なくて済むからです。

店頭FX取引が向いている人

スキャルピングあるいはデイトレードを中心とした取引を行っている人にとってスプレッドの狭さは収益に直結します。スプレッドが広くなるとこれまでの取引手法を変更する必要があり、そう簡単に「くりっく365」にシフトすることができない場合が多いだろうと考えられます。

ただし、これまで差し入れていた証拠金額を2倍以上に増やさないとこれまでと同じような取引ができませんので、資金力のない人は取引単位を小さくするか、「くりっく365」にシフトして新たな取引手法の習得にチャレンジするしかありません。

今回のレバレッジ規制の目的

金融庁による今回の規制の目的は投資家保護ではなくFX業者保護だと言われています。リーマンショック級の金融危機が発生した場合、顧客の損失が証拠金を上回るリスクによってFX業者が潰れてしまうことを回避するためにレバレッジを引き下げるという訳です。

「くりっく365」は公設の取引所がバックについているので顧客未収金によって潰れてしまうリスクはないのでレバレッジ規制の対象にはならないというのが金融庁の見解です。

個人的な意見を申し上げるなら、100年に1度の金融危機で潰れるFX業者よりもレバレッジを10倍に引き下げたことで潰れるFX業者の方が確実に多いはずです。FX業者を本気で保護する気持ちがあるなら、せめて投資家に迷惑をかけない別の方法を考えてもらいたいと思います。

今回の規制で安易に海外業者へ流れる投資家も増えると思いますが、突然口座を凍結されたり連絡がつかなくなる業者も多く、トラブルに巻き込まれるリスクの高さを考えると正しい選択とは言えません。

今回の規制を機に、「くりっく365」へシフトされる皆さんは手数料が無料の業者を選ぶようにしましょう。

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