FX取引のレバレッジ規制は「一律10倍に引き下げ」からFX会社ごとの「個別引き下げ」に方針を変更

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金融庁はFX取引のレバレッジ上限を一律10倍にまで引き下げる方針を変更し、FX会社の財務的な健全性やリスク管理能力の度合いによってレバレッジを見直すように促す方針に切り替えました。

この記事では今回の方針変更の背景や、今後利用すべきFX業者の選び方について解説しています。

「レバレッジ上限10倍規制」これまでの流れ

2017年9月28日、「FX取引におけるレバレッジ上限を25倍から10倍に引き下げることを金融庁が検討している」というニュースが一部の報道機関から伝えられ、FX業界に衝撃が走りました。当ブログでは直ちにレバレッジ引き下げがもたらす弊害について記事を書かせて頂きました。

金融庁は早ければ2018年度中にもレバレッジ上限を10倍程度まで引き下げることを検討しているということですが、このレバレッジ規制が将来のFX業界にもたらす悪影響と日本の個人投資家に与える不要なリスクについて大胆に予測してみました。

その後、レバレッジ上限を10倍に引き下げるのは店頭FXだけであり、金融庁の天下り先である「くりっく365」は25倍のままという事実に驚かされました。

FX取引のレバレッジ上限が10倍に引き下げられるというニュースを聞いて驚いた方もおおいのではないかと思います。ところが最近になって取引所取引の「くりっく365」は対象外だという話を耳にすることも多くなりました。そこで今回は、取引所取引「くりっく365」の特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。
来年の早い段階でFX店頭取引のレバレッジが現行の25倍から10倍へ引き下げられる可能性が高くなってきました。来年早々に店頭取引のFXだけを対象にレバレッジを10倍まで引き下げ、「くりっく365」のレバレッジは25倍のままというのはどういった理由からでしょうか。

2017年12月18日、金融庁は「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」を設置し、FX取引におけるレバレッジの上限を10倍に引き下げるための足跡作りをスタートしました。

しかし、FX業界はもとより、個人投資家にとっても今回の規制強化は受け入れがたいものであり、金融庁のゴリ押しにも限界が見え始めました。

FX取引のレバレッジ規制は日本だけで実施されている訳ではなく、米国や欧州でも実施されていますが、レバレッジ上限は主要通貨ペアで50倍(米国)から30倍(欧州)程度となっており、一律で10倍に規制するという金融庁の案はそもそも合理性に欠けていたと言えます。

5回に渡る検討会の末、最終的に金融庁は「一律10倍」を諦めて、FX会社の財務的な健全性やリスク管理能力によって個別にレバレッジの上限を引き下げる方針に切り替えました。

金融庁が方針を変更した理由

金融庁の長官人事

現在の森長官は既に3年という異例とも言える期間、金融庁の長官を努めており、さすがに6月には新しい金融庁長官が誕生するものと思われます。

このようなタイミングでFX取引のレバレッジ規制を強化するのは後任の長官に後始末を押し付けることにもなりかねず、金融庁は6月以降の新組織での仕切り直しを考えているとしても不思議ではありません。

トルコリラの急落

米国の利上げに伴い、新興国から投資マネーが流出しています。特に6月に選挙をひかえているトルコはインフレや経常赤字の拡大などもあり、資金の流出が止まりません。

ここ数年、トルコリラは高金利が注目され、FX取引でも人気の通貨となっていました。しかし、トルコリラはジリジリと値を下げ、特に2018年4月あたりからは急落しており、トルコリラの取引をしている投資家の大半は評価損が急激に膨らんでいます。

多くの投資家は追加資金を投入してロスカットから逃れてきましたが、中にはそろそろ資金が底をつきかけている投資家も出始めており、このような状況でレバレッジを10倍に引下げた場合、多くの顧客が資金不足によるロスカットに見舞われる可能性があります。

これでは投資家保護どころか投資家を追い詰めてしまうことにもなりかねません。

コインチェックの仮想通貨不正流出事件

2017年は仮想通貨の取引がブームとなり、仮想通貨に比べて値動きが小さくなってきたうえにレバレッジが引き下げられる可能性のあるFX取引から、多くの顧客が値動きの激しい仮想通貨の取引に流れていきました。

ところが2018年1月26日、仮想通貨の交換業者として人気の高かったコインチェックから580億円相当の仮想通貨が盗み出されるという前代未聞の事件が発覚しました。

仮想通貨業界を育成する方針で業界を見守ってきた金融庁でしたが、この事件をきっかけに顧客保護の強化を優先する方針に切り替えることになります。

金融庁は仮想通貨の交換業者に対して一斉に検査を実施しましたが、そもそも金融機関としての経験も自覚もない業者が多いこともあり、金融庁は交換業者に対して次々と業務改善命令を出すことになりました。

FX取引のレバレッジを引き下げれば相対的に仮想通貨取引の魅力は高まり、FX取引の顧客はますます仮想通貨の交換業者に流れていくことが予想されます。

現時点における仮想通貨の交換業者の顧客保護体制において不十分な点が多く、このタイミングでFX取引のレバレッジを引き下げてFX取引の顧客を仮想通貨の取引へ追いやることは金融庁にとって得策とは言えません。

利用すべきFX会社の選び方

FX取引におけるレバレッジ上限を現行の25倍から一律10倍に引き下げるという金融庁のプランは見送りとなりましたが、これで全てが終わったという訳ではありません。

金融庁はFX業界全体に対して一律に規制を強化する方針から、財務力やリスク管理能力が劣るFX業者を狙って各個撃破していく方針に切り替えただけなのです。

従って、FX会社の選び方を間違ってしまうと、ある日突然「来月からレバレッジの上限を10倍に引下げます」という連絡メールがFX会社から皆さんのもとに届く可能性は決してゼロではありません。

そのようなリスクをチェックするのに最も簡単な方法は、ご利用されているFX会社のホームページに記載されている「自己資本規制比率」の数字をチェックすることです。この数字が120%を割り込むと業務改善命令を受けることになり、100%を割り込めば営業停止処分となります。

ここで大切なポイントは、今後はリスク管理の基準が引き上がり、「自己資本規制比率」の計算における「リスク相当額」の算出基準が今まで以上に厳格化されていくということです。このことにより、FX業者の中には「自己資本規制比率」が大きく引き下がるところが出てくる可能性があります。

金融庁は「自己資本規制比率」が120%に近づいたFX業者に対して2つの選択肢を示すことが予想されます。ひとつは「増資」によって自己資本を増やして「自己資本規制比率」を高めること、もうひとつが「レバレッジ上限を引き下げる」ことにより、FX業者の「リスク相当額」を減らして「自己資本規制比率」を高めることです。

上場企業グループに属する企業であれば「増資」という選択肢もありますが、弱小なFX業者は簡単に「増資」することは困難であり、レバレッジの上限引下げを選択しなければ営業を継続することができない業者も出てくることが予想されます。

まとめ

FX業界に対する一律10倍のレバレッジ規制は見送られました。

しかし、金融庁はFX業者を選別して規制を強化する方針に切り替えただけえあり、決して手放しで喜んでいられる状況ではありません。

今後皆さんがやるべきことは、安心して取引できるFX会社を選んで乗り換えることです。

ひとつのポイントになるのが「自己資本規制比率」の数字の変化ですが、それ以外にも業者選びのポイントはたくさんあります。以下の記事を参考に、今一度、現在ご利用されているFX会社をチェックしてみてはいかがでしょう。

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