プロが説明すると「FX取引」の仕組みはこんなに簡単だった

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なんとなく難しそうなイメージを持たれるFX取引ですが、実は海外旅行に行くときの両替と大きな差はありません。そこで、長年金融業界で働いてきたプロとして、両替とFX取引を比較しながら誰でもわかるようにFX取引を説明してみました。

FX取引の基本は海外旅行の両替と同じ

例えば、皆さんがハワイ旅行に行く場合、現地ホテルのボーイに支払うチップなどにはドル紙幣が必要です。値の張るものはクレジットカードで支払うとしても数百ドル程度のドル紙幣をどこかで両替して持っておいた方が安心です。

円をドルに交換できる場所としては成田空港や羽田空港の両替所、現地のホテル、現地街中の両替所などがありますが、両替してくれる交換レートは場所やお店ごとに微妙に違ったりします。

FX取引といっても基本的には両替所とやることは同じです。ですからFX会社が提示する両替レートもFX会社ごとに微妙に異なります。また、FX取引では円をドルに交換することを「ドル円を買う」、ドルを円に交換することをドル円を売ると表現しますので覚えておいてください。

両替所の店先に書いてある両替レートを思い出してみて下さい。日本円をドルに交換してもらうレートは「1ドル=100円」、手持ちのドル紙幣を日本円に交換してもらうレートは「1ドル=99円」というように2種類の交換レートがあることに気が付くと思います。

両替レートは売りと買いで別々です

FX取引では日本円をドル紙幣に交換するレートを「買いレート(Ask)」、ドル紙幣を日本円に交換するレートを「売りレート(Bid)」と表現しますので覚えておきましょう。覚え方ですが、日本円の金額が安いレートが「売りレート」、高いレートが「買いレート」になっていて売りと買いを同時に行うと必ずあなたが損をするようにできていると覚えてください。

両替所の儲けは、お客さんから安く買ったものを別のお客さんに高く売ることで発生してます。FX会社の収益も同じで顧客に提示する「買いレート」と「売りレート」の差額が収益となります。FX取引ではこのような売値と買値の差額を「スプレッド」と呼びますので覚えておきましょう。

ちなみにTVニュースなどで「本日の円相場は1ドル100円から99円で取引されています」というコメントを聞くことがあると思いますが、正しくは「買いレート(Ask)」が100円で「売りレート(Bid)」が99円という意味です。

FX取引と両替の違いはレバレッジ効果

両替所で両替したドルは現地でその大半を使ってしまうため日本に帰るときに日本円に交換できるドル紙幣あまり残っていないのが普通です。

ところがFX取引では1万ドルを買ったらその1万ドルは必ずどこかのタイミングで売って日本円に戻すのがルールです。従って、取引に必要な資金は1万ドル分に相当する日本円ではなく1万ドルを売り買いしたことによって発生するであろう売り買いの差額の受け払いを担保できる程度の資金で十分です。

レバレッジの秘密は差金決済ルール

FX取引で1万ドルを買ったとしても実際に1万ドルが手元にくる訳ではありません。FX取引で顧客の手元にお金が入るのは買った1万ドルを買値よりも高い売りレートで売った時だけです。手元にくる金額は顧客が実際に売った時のレートから買った時のレートを引いて1万倍した金額になります(計算式にすると(「売りレート」-「買いレート」)×1万ということになります)。

例えば、1万ドルを1ドル100円の買いレートで買って、1ドル101円の売りレートで売った場合、(101-100)×1万=1万円が手元に入ってきます。このように売値と買値の差額のやり取りをする取引を差金決済取引といいます。

上記の例のように1万ドルの取引といっても実際に手にする金額はドル円相場が1円動いても1万円です。従って、仮に1円程度自分にとって不利になる値動きがあった場合は1万円の評価損となりますが、取引の最初に担保として5万円程度を差し入れておけば1万円の評価損があったとしてもまだ4万円の担保価値が残っているため当日における取引の健全性は担保されます。

追証ルールは知らなくても実は平気

ただし、例えば1ドル100円で1万ドル買ったものが1ドル99円に下がってしまったことで発生した1万円の評価損をそのままにしておく訳にはいきません。5万円を差し入れ金として預けていたとしても1万円の評価損があれば、実質的な担保価値は4万円しかないことになります。そのため取引口座に5万円しか入金していなかった場合、翌日には追加で1万円を入金し、担保価値を元の5万円に戻すことで取引の健全性を維持するのがFX取引のルールです。

このように当初の差し入れ金に対して追加の入金が要求されることを「追証が発生する」といい、取引を始める際に最低限必要となる当初の差し入れ金のことを「必要証拠金」と言いますので覚えておきましょう。

FX取引ではわずか5万円程度の「必要証拠金」で1万ドル(100万円以上)の取引が可能なため、少額の手元資金でも大きな取引が可能となります。仮に5万円で100万円の取引をするということは手元資金の20倍の取引をしていることになり、FX取引ではこのような状態をレバレッジ20倍の取引をすると表現します。

ちなみに現在は法律の定めによってFX取引のレバレッジの上限は25倍となっています。

実際の取引では25倍のレバレッジで取引をする人はほとんどいません。5倍前後のレバレッジで余裕をもった取引をするのが一般的です。実際のところ追証が発生するような取引をする人はFX取引で成功する可能性はあまり高くないというのが現実です。取引の前に決済するポイントを決めておくことで追証とは無縁の取引を行うようにしましょう。

投資で勝つ人が取引を始める前に必ずやっていることがあります。初心者の多くはこれをしないせいで、大きな損失を出して投資の世界から消えていってしまいます。この記事ではこれから投資を始めようとお考えの初心者の方に投資のゴール設定について解説していきます。

一部の新聞報道ではFX取引のレバレッジの上限を10倍に引き下げる動きがあるとのことです。以下の記事をご参照下さい。

金融庁は早ければ2018年度中にもレバレッジ上限を10倍程度まで引き下げることを検討しているということですが、このレバレッジ規制が将来のFX業界にもたらす悪影響と日本の個人投資家に与える不要なリスクについて大胆に予測してみました。

FX取引ではスワップポイントも魅力

FX会社が顧客から受ける注文の80%以上はデイトレードです。その日に買ったものはその日のうちに売ってしまう(あるいはその日に売ったものはその日のうちに買い戻す)ことによってなるべくリスクの小さい取引を繰り返し行うのが今のFX取引の主流なのです。

このように多くのFX取引利用者はデイトレードをすることでリスクを大きくとらない取引をしていますが、外貨預金のようにリスクを承知の上で日を跨いで取引する人には「スワップポイント」と呼ばれる外貨預金でいうところの金利に相当するお金の受け渡しが発生します。

ドル円の取引で説明します。FX取引では各国の通貨に対してそれぞれの国の金利を計算して付与するというルールがあります。日本の通貨である円には日本の現在の金利がつきますし、アメリカの通貨であるドルには現在のアメリカの金利がつきます。FX取引で「ドル円を買う」という行為は「日本円を渡してドルを手に入れる」つまり「円を売って、ドルを買う」ということです。

実際には最終的に差金決済しますのでドルも円も持ってる訳ではないのですが、差金決済するまでの期間については1日ごとに金利の受け払いをするのがFX取引のルールです。ドル円を買っている場合、持っているのはドルですのでドルの金利は受取れますが、円を売っているので円の金利は支払います。この金利差の受け払い金額をスワップポイントといいます。

外貨預金として利用することも可能

現在アメリカの金利は日本の金利よりも高いため、ドル円を買っている場合はアメリカの金利を受取って日本の金利を支払っても金利差はプラスととなるためスワップポイントがもらえます

ドル円を売っている場合はドルの金利を支払い日本の金利を受け取ることになります。この場合現在の金利差はマイナスとなるためスワップポイントを支払わなければなりません。

実際のスワップポイントの計算は国の金利差だけではなく、インターバンク市場における通貨の調達コストや銀行ごとの個別の事情によってリアルタイムに変動しています。「昨日までスワップポイントをもらっていたのに今日からは支払うことになった」なんていうこともごく稀にあります。

金利面で比較するとFX取引のスワップポイントは銀行の外貨預金の金よりもかなり高いため、外貨預金感覚で賢くFX取引を利用する人が増えてきています。

普通預金の金利が0.001%という超低金利の時代、高金利が得られる外貨投資が注目されています。そこで今回は、「外貨預金」と「FX取引」とを比較して、プロの目から見てどちらがお得なのかの最終結論を解説と共にお伝えします。