FX会社を選ぶならスプレッドでなくレート操作に注目せよ

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FX会社が顧客に提示するレートはFX会社ごとに異なります。業界でカバー取引の実務を経験したことがある人であれば、提示レートの動き方を見ているとFX会社の意図や経営ポリシーまでが読み取れたりする瞬間があります。

この記事ではFX会社が行っているカバー取引を解説しながらFX会社が提示するプライスの品質を判断する方法について書いていきます。

取引所取引と相対取引との違い

証券会社がお客様に提示する上場会社の株価は取引所で取引されている値段です。従って、どこの証券会社に当日の終値を問い合わせても同じ銘柄であれば同じ株価ということになります。

ところがFX会社にドル円の終値を問い合わせた場合、FX会社によって終値が異なっているのが一般的です。同じ通貨なのに取引レートがFX会社ごとに異なっているのはFX取引の取引形態が株のような取引所取引ではなく相対取引であることが原因です。

取引所取引では各証券会社がお客様から受けた注文をそのまま取引所に投げてしまいます。取引所は全ての証券会社が投げてきた売り注文と買い注文を注文条件に合わせて約定させていきます。

この時、もしも売り注文あるいは買い注文のどちらか一方しかなかった場合には取引は成立しません。企業の不正会計が発覚したり、予想外の業績悪化が発表されたりした場合は売り注文が殺到するため全ての売り注文が成立しないケースも多く見られます。

FX取引ではFX会社が常に独自で決めた買いレートと売りレートをお客様に提示するのがルールです。原則として、全てのお客様の注文はFX会社が相手方となって必ず成立させます。

ただし、成立するレートはFX会社が独自で決めた提示レートとなりますのでFX会社の提示するレートが気に入らなければ、顧客は気に入るレートが提示されるまで待つことになります。

このように、お客様の注文を取引所に集中させてお客様の注文同士で成立させるのが取引所取引、お客様の注文を全てFX会社が相手方となって成立させてしまうのが相対取引です。

FX取引にも取引所取引は存在していますが、取引規模があまりにも小さいためこの記事では説明を割愛させて頂きます。また、証券会社にも相対取引の市場は存在しますが特殊な例であるため説明は割愛させて頂きます。

FX会社が操作するミッドレートとは

1ドルの価値が何円なのかを表すのがドル円のレートです。ドル円の買いレートが100円、ドル円の売りレートが99円だとすると、日本円をドルに交換する際のレートは1ドルにつき100円、1ドルを円に交換するレートが99円ということになります。

買いレートと売りレートの差額をスプレッドと言います。スプレッドは取引する際のコストですが、イメージしやすいように説明していきます。

あなたがドル円を100円で買った時の売りレートが99円だということは、100円で買ったものの価値(売値)がいきなり99円になることを意味しています。つまりいきなりスプレッド分の1円相当が評価損として発生することになるのです。

従って、普通に考えるとスプレッドが狭いFX会社を選ぶ方がお得なはずなのですが、必ずしもそうとは言えません。レートには売りレートと買いレートの2つがあることは説明した通りですが、この2つのレートのちょうど真ん中の値をミッドレートと呼びます。

ドル円のスプレッドが0.3銭のA社とB社のミッドレートを比較した場合、全く同じレートであることは稀です。例えばあなたがドル円を買いたい場合、スプレッドが同じであればミッドレートの低い方の会社で買うほうが安く買うことができます。

スプレッドの原則固定を謳っている会社は提示レートの95%においてはお客様と約束したスプレッドでレートを提示しなければなりませんので、FX会社が意図的に提示レートを動かしたい場合はミッドレートを動かします。

このミッドレートの動かし方には会社の個性や考え方、時には経営ポリシーまで感じ取ることができます。

レートの動かし方で会社の本性が見える

FX会社はお客様からの注文を自社が相手方となって成立させますが、そのままではFX会社が取引リスク(売り、あるいは買いのポジション)を持ちっぱなしになってしまうため、カバー先の金融機関に取引リスクを引き取ってもらいます。このように顧客の注文をカバー金融機関に流す作業をカバー取引と言います。

例えば、カバー先金融機関がFX会社に提示している買いレートが100円だった時にFX会社が顧客に提示する買いレートが99円だったとします。

この時、顧客がFX会社に99円で売り注文を出せば、FX会社は一旦99円で買い取ったドルをカバー先金融機関に100円で買い取ってもらい、差額の1円が儲けとなります。このようにカバー取引によって発生した収益をカバー収益と言います。

さて、あなたがFX会社のカバー取引担当者だったとした場合、私が今からドルを買うことが分かっていた場合にミッドレートをどのよに動かしますか?

当然あなたはミッドレートをすこし高めにずらしますよね。なぜなら、少しでも私に高く買わせた方が、カバー取引で売る時のカバー収益が増えるんですから。

問題はどうやって私がドルを買うことを予想するかということです。会社によっては過去の価格変動に対する顧客の注文状況を分析し、自動的にミッドレートを動かすシステムを導入しているところもあります。

これをやっている会社は自社でリスクをとってミッドレートを動かしているのでこのこと自体に問題はないと思います。

FX会社が一番やってはいけないのが「ストップ刈り」と呼ばれる悪質なレート操作です。これをやる会社はノーリスクで高い収益率を実現できるのですが、最悪なのがその利益が顧客の損失から発生しているという点です。このように顧客の注文を食い物にするような行為をするFX会社は最低です。

また、月曜日のオープニングはFX会社のレート操作が露骨に見られるタイミングです。特に金曜日の終値と乖離したプライスでオープンする場合については会社によってはかなり大胆なオペレーションをしてくるところもありますので注意が必要です。

FX会社の品質はプライスの品質です。悪質なプライスを出すFX会社は悪質な会社だと思って間違いありません。しかしながらプライスの品質は複数のFX会社とプライスの比較をしてみないと気が付かない場合もあります。知らないあいだにカモにされていないかをたまにはチェックしてみてはいかがでしょう。