金融機関別「iDeCo」のおすすめ投資信託とその理由|20代~30代向け

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野村総合研究所が2016年10月に実施したアンケート調査によると、「iDeCo」の利用を検討している人のうち、31%の人が運用の方法を自分で決められないそうです。

この記事では特に20代から30代の皆さんに向けて、利用すべき金融機関と投資信託をセットにしてご紹介し、誰でも簡単に「iDeCo」の金融機関と選ぶべき投資信託がひと目で分かるように解説しています。

金融機関を選ぶ3つの基準

運営管理手数料が無条件で無料になる

「iDeCo」を利用する場合、口座を維持管理するための手数料を支払う必要があります。まずはイニシャルコストとして「iDeCo」に加入する際に国民年金基金連合会に支払う手数料が「2,777円」かかります。この手数料はどこの金融機関を選んでも金額は同じです。

次に、年金の資金管理を行う信託銀行に毎月支払う手数料が「64円」、積立ての度に国民年金基金連合会に支払う手数料として「103円」が必要で、これらの手数料につきましても金融機関による差はありません。

「iDeCo」の手数料の中で、毎月金融機関が受け取ることができる手数料が運営管理手数料であり、最高で毎月450円まで徴収することができますので、「iDeCo」の月間手数料の中では最大のウエイトを占めています。ただし、運営管理手数料には徴収義務がなく、金融機関の判断で無料にしても問題ありません。

毎月の積立額や運用資金額などの条件をクリアすることで運営管理手数料を無料とする金融機関もありますが、無条件で運営管理手数料を無料としている金融機関も増えてきています。

「iDeCo」は数十年におよぶ長い運用となりますので、毎月450円の手数料と言えども40年の運用なら21万6000円という手数料となりますので、このような無駄な手数料を支払わなくてよい金融機関を選ぶことが重要です。

受け取り方法がフレキシブル

「iDeCo」は非課税の年金制度ですので、60歳までの運用で発生した利益に対して税金がかかることはありません。しかしながら、60歳を超え、いざ自分の積立てた年金を受け取ろうとする際には「所得」としてカウントされ、課税の対象となります。

自分で積立てて運用してきたお金なのに、いざ受け取ろうとすると「所得」としてカウントされて税金がかかるなんて聞いて、ガッカリされている方もいらっしゃると思いますが、ご安心下さい。

「iDeCo」は厚生労働省による公的年金制度ですから、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」の対象となりますので、これらを上手に組合せて受け取れば実際には税金を支払わなくて済んだり、支払ったとしても少額の税額で済むケースが大半です。

「iDeCo」の受け取り方法には「一時金」として一度に受け取る方法と、「年金」として分割して受け取る方法がありますが、実際には受け取る人の職業や勤続年数、企業からの退職金の有無などによって「一時金」と「年金」を併用するケースも多くなります。

従って「iDeCo」を利用する金融機関を選ぶ場合は「一時金」での受け取り、「年金」での受け取りをフレキシブルに組合せて受け取れる金融機関を選ぶことが非常に重要となります。

詳しくは以下の記事で詳しくで解説していますので、是非ご覧下さい。

「iDeCo」は受け取る時に課税される仕組みであることをご存知ですか。ただし、「iDeCo」の受け取り方法を工夫することで場合によっては税金がゼロにしたり、大幅に税金を減らすことが可能です。この記事では「iDeCo」の受取時の節税方法について解説しています。

優れた金融商品を取り揃えている

「iDeCo」は20年、30年という長い時間を味方につけた長期積立投資を前提とした制度ですので、できるだけ若いうちから運用をスタートしておくことが重要です。「iDeCo」の運用では投資信託を利用するのが一般的ですが、投資信託には信託報酬と呼ばれる運用手数料が毎年発生します。

信託報酬は投資信託の時価評価額に対して年率数%という形で徴収されます。信託報酬の高いものだと4%弱くらいですが、低いものだと0.1%程度です。信託報酬は投資信託のリターンの高さに比例して徴収される訳ではなく、運用会社の手間やコストによって決められています。

優秀なファンドマネージャーを雇って独自のノウハウで複雑な運用を行うようなアクティブ運用の投資信託では信託報酬は高くなりますし、日経平均やTOPIXのような指数に連動するように運用されるインデックスファンドでは信託報酬を低く設定することが可能です。

また、TOPIXに連動する投資信託であれば信託報酬も全て同じという訳ではなく、例えば「しんきん トピックスオープン 」の信託報酬は0.86%ですが、「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) 」の信託報酬は0.17%です。もしも両方の投資信託に100万円ずつ投資30年間投資した場合、信託報酬の差額は毎年0.69%ですので、毎年6900円の手数料の差が発生し、30年間だと20万7000円の差となります。

つまり、同じ指数に連動する投資信託に投資する場合は信託報酬の差額分だけリターンは悪化することになりますので、「iDeCo」を利用する金融機関を選ぶ場合は、できるだけ信託報酬の低いインデックスファンドを取り揃えている金融機関を選ぶことが重要です。

選ぶべき金融機関は限られる

運営管理手数料が無条件で無料になる金融機関は現時点では楽天証券、SBI証券、マネックス証券、大和証券、イオン銀行の5つの金融機関だけです。

上記5つの金融機関のうちで、SBI証券と大和証券は「iDeCo」の受け取りについて「一時金」か「年金」かの二者択一しかなく、併用による受け取りができません。

また、SBI証券では「年金」としての受け取りを選択する場合も、5年間で受け取るか、10年間で受け取るかという選択しかなく、1年単位で受け取り期間を設定することもできません。既に「iDeCo」の受け取りを「一時金」に決めている人で、運用したい商品がSBI証券にしかないという方はSBI証券を利用してみてもいいでしょう。

低コストのインデックスファンドの品揃えという点ではマネックス証券と楽天証券がトップクラスとなりますが、アクティブ運用の投資信託として人気の高い「ひふみ年金」に投資したい方はマネックス証券を利用するのがいいでしょう。

大和証券については16本のラインナップのうちインデックスファンドは4本しかなく、信託報酬も割り高です。顧客の利益よりも利益率の高い自社グループの金融商品を売ることしか考えていないようなので利用は見送るのがいいでしょう。

マネックス証券の「iDeCo」の特徴

マネックス証券は「iDeCo」への参入が遅かったこともあり、既に参入していた金融機関を十分に研究し、競争力の高いサービスを展開しています。「iDeCo」の受け取りについても柔軟性が高く、低コストの優良な投資信託を揃えています。先行したライバル企業から言わせると完全な「後出しジャンケン」です。

特筆すべき点は、常に最安の信託報酬を目指して運用されている超低コストの投資信託である「eMAXIS Slim シリーズ」を「iDeCo」で唯一利用できるという点です。

マネックス証券の「iDeCo」で採用されている「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、どれも類似する投資信託の中では最も低い信託報酬となっているだけではなく、今後ライバルとなる投資信託が信託報酬を引き下げた場合は追随して引き下げることを宣言しているので長期運用には最適です。

◆2018年6月2日追記

2018年6月1日からマネックス証券の「iDeCo」で利用できる金融商品に「ひふみ年金」が追加されました。超低コストのインデックスファンドである「eMAXIS Slim シリーズ」に加え、アクティブ運用の投資信託として絶大な人気を誇る「ひふみ年金」が加わったことで、マネックス証券の「iDeCo」の品揃えは最強レベルに到達したと言えそうです。

マネックス証券で選ぶべき投資信託

マネックス証券で「iDeCo」を利用するなら「eMAXIS Slim シリーズ」を軸にした運用を考えるのがベストです。

基本戦略として「iDeCo」では国際分散投資を行うことをオススメします。世界の株式市場において日本の株式市場だけが右肩上がりの成長をしていませんのでTPOXや日経平均に連動するインデックスファンドを中心とした資金配分ではリスクの分散が十分とは言えないからです。

日本の株式市場に連動するインデックスファンドに投資する場合、資金の配分は1割程度にしておくのが一般的ですが、「ひふみ年金」のようなアクティブ運用の投資信託を利用するのであれば、資金配分については特に気にする必要はありません。

「ひふみ年金」は「ひふみ投信」、「ひふみプラス」と同じマザーファンドに投資している投資信託ですので、運用の中身は全く同じものですが、「ひふみ投信」、「ひふみプラス」の信託報酬が1.06%であるのに対して「ひふみ年金」の信託報酬は0.82%と割安に設定されているのが特徴です。

個人的には「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」を運用のコアとして利用し、日本を除く先進22カ国の株式市場に分散投資しておくことをオススメしたいと思います。

「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の信託報酬は税込みで「0.11772%」という驚異の低コストを実現しており、これよりもコストの低い投資信託はどこにもありません。

先進国への投資だけでなく、リスクを承知の上で大きな成長が期待できる新興国にも少しだけ投資しておきたいという方は、信託報酬が税込みで「0.20412%」の「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」を運用額の10%程度までなら組合せてもいいでしょう。

現在のような低金利の状況では国内の債券に投資するメリットはほとんどありませんが、日本以外の先進国の債券であれば投資すべきタイミングはありそうです。その場合は信託報酬が税込みで「0.1836%」で日本を除く先進国の債券に投資できる「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」を利用するのがいいでしょう。

ただし、債券への投資は「iDeCo」のリターンのブレを安定させる一方で、リターンを小さくする可能性もありますので、できるだけ株式への投資を中心に行い、世界の金利がもう少し上昇するまでは債券に投資するよりも定期預金にプールしておいた方がいいかも知れません。

堅実な運用を目指すなら運用額の3割から4割程度を定期預金にプールしておき、株価が急落した局面などを狙って株式投資信託にスイッチングするという方法もあります。

積極的に運用するなら50歳になるまでは全額を株式投資信託で運用し、その後少しずつ定期預金の比率を高めていくのがおすすめです。

楽天証券の「iDeCo」の特徴

楽天証券の「iDeCo」は31本の金融商品を揃えており、バランスの取れたラインナップとなっているだけでなく、「iDeCo」の受け取り方法にも柔軟性があります。

また、2017年の「投信ブロガーが選ぶ!ファンド・オブ・ザ・イヤー」で第一位に選ばれた「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」や3位に選ばれた「 楽天・全米株式インデックス・ファンド」という人気の目玉商品を「iDeCo」で運用できるのは楽天証券だけです。

楽天証券で選ぶべき投資信託

楽天証券で「iDeCo」を利用するなら「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」、あるいは「 楽天・全米株式インデックス・ファンド」を利用した国際分散投資を行うのがベストです。

「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は全世界で購入可能な株式の98%をカバーしている「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」をベンチマークとして運用されており、このファンド1本で先進国、新興国の大型株から中小型株も含めた国際分散投資が完成するという手軽さが人気の秘密です。

信託報酬は税込みで「0.2396%」となっており、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の「0.11772%」の2倍程度になりますが、新興国の株式市場や日本の株式市場へも1本で投資できるという点で、運用の初心者にはありがたい投資信託だと言えます。

「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の信託報酬が高いと感じる人は信託報酬が「0.1696%」の「 楽天・全米株式インデックス・ファンド」を中心にポートフォリオを組むといいでしょう。

株式市場の時価総額や先進国のGDP比率などから考えても世界の株式の半分以上は米国の株式市場で取引されており、先進国への投資は「 楽天・全米株式インデックス・ファンド」だけで代用が可能です。

新興国への投資を組み合わせる場合は「インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式」を10%程度までなら組合せていいでしょう。ただし、このファンドは信託報酬が「0.5940%」となっており、信託報酬が税込みで「0.20412%」の「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」と比べると割り高となります。

堅実な運用を目指すなら、日本を除く先進国の債券に投資してもいいでしょう。その場合は信託報酬が「0.1836%」の「たわらノーロード先進国債券」の為替ヘッジなしのものを利用するのがおすすめです。ただ、現時点では積極的に債券に投資する必要はあまりないと思いますので、金利が上昇するまでは資産の3割から4割程度を債券ではなく定期預金で運用してもいいでしょう。

運用に対して全く手間をかけずに適切な国際分散投資によるハイリターンを狙いたいという人は、楽天証券の「iDeCo」を利用して「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」1本に全額投資するというスタイルがおすすめです。

イオン銀行の「iDeCo」の特徴

イオン銀行の「iDeCo」は17本のラインナップで、「iDeCo」を受け取る方法もフレキシブルです。低コストファンドとしては定番の「たわらノーロード・シリーズ」を揃えており、平均点を確保しています。

特徴的なところをご紹介すると、「iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド<為替ヘッジなし>」を利用することで「金(GOLD)」への投資が可能です。株式市場よりも金(GOLD)の方が信用できるという人は信託報酬0.5%の「iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド<為替ヘッジなし>」に投資するといいでしょう。

また、運用実績が素晴らしいことから大人気となっている「ひふみ年金」(信託報酬:0.82%)を利用できることはアクティブ運用を好む投資家にとっては大きなメリットです。

イオン銀行で選ぶべき投資信託

低コストのインデックスファンドを中心に投資するならマネックス証券を利用する方がいいので、イオン銀行を選ぶなら「ひふみ年金」を中心に投資するのがいいでしょう。

ここ5年間の運用成績から圧倒的な人気となっている「ひふみ投信」、「ひふみプラス」よりも割安な信託報酬で利用できる「ひふみ年金」を非課税で利用できる訳ですから、既に「ひふみシリーズ」に投資している人であれば、「ひふみ年金」を利用しないのはもったいないと言えるでしょう。

ただし、マネックス証券でも「ひふみ年金」を取り扱っていますので、あえてイオン銀行を選ぶ積極的な理由は見当たりません。

SBI証券の「iDeCo」の特徴

SBI証券の「iDeCo」は現時点では「iDeCo」の受け取り方法が固定的であり、節税のための「一時金」と「年金」の併用ができないというのが最大のネックです。

また、投資信託だけでも63本のラインナップという点についても実は大きな問題があります。厚生労働省は「iDeCo」を取り扱う金融機関が利用者に提供できる金融商品数を35本までにする方針で動いており、2018年の5月に施行される「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律」により、35本が上限となる可能性があります。

現在35本以上の商品を提供しているのはSBI証券と岡三証券くらいですので金融業界としは厚生労働省に反対することはなさそうです。厚生労働省の意見としては商品が多いと利用者が選びづらいということのようですが、「iDeCo」の普及のために頑張って商品数を増やしてきたSBI証券には気の毒なお話です。

そのような事情もあり、SBI証券は現在の商品数を35本までに減らす必要が出てくる可能性があり、どの商品を残すのかハッキリとするまでは「iDeCo」の利用は見送るのが無難なような気がします。

さらに、インデックスファンドのコスト面や特徴という点については楽天証券やマネックス証券のような目玉商品がなく、魅力を感じない品揃えとなっています。「ひふみ年金」が目玉と言えばそうなのですが、「ひふみ年金」を利用するなら「iDeCo」の受け取り方に柔軟性のあるマネックス証券で利用する方がいいでしょう。

せめて信託報酬が「0.11%」の「EXE-i つみたて先進国株式ファンド 」あたりを運用商品として追加してくれない限り、現時点でSBI証券の「iDeCo」を利用するメリットは無さそうです。

「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律」の施行され、「iDeCo」で利用できる運用商品数の上限が35本となり、基本運用商品が投資信託に切り替わります。この記事では60本を超える運用商品数を誇るSBI証券を利用する際に注意すべきポイントや基本運用商品の変更について解説しています。

まとめ

「iDeCo」を利用するなら「eMAXIS Slim シリーズ」を利用して運用コストを極限まで引き下げることができるマネックス証券を選ぶか、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の1本で国際分散投資が可能になる楽天証券を選んでおくのがいいでしょう。

マネックス証券も楽天証券も「iDeCo」の受け取り方に柔軟性があり、運営管理手数料も無条件で無料になります。

ただし、楽天証券では「ひふみ年金」を「iDeCo」で利用できませんので、「ひふみ年金」の利用をお考えの方はマネックス証券を選んでおきましょう。

イオン銀行の「iDeCo」は平均的な品揃えであり、マネックス証券や楽天証券のように積極的に利用する理由はありませんが、イオン銀行をメインバンクとして利用されている方であれば選択肢のひとつとなるでしょう。

SBI証券については今後の動きに期待しましょう。

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