プロが「iDeCo」でおすすめする定期預金と投信を組合せた運用法

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「iDeCo」を運用する際の最も重要なポイントは定期預金の使い方です。定期預金を上手に利用できる人と、そうでない人とでは、「iDeCo」での運用実績に大きな差が出てしまう可能性があります。この記事では「iDeCo」における定期預金の上手な利用方法と具体的な投資信託との組合せ方について解説しています。

「iDeCo」はある程度の安定した収入のある人が利用することで、大きな節税効果と老後資金の形成を同時に行うことができる個人年金制度です。「iDeCo」についてよくご存知ではない方は、以下の記事で「iDeCo」のメリットやデメリットなどについて詳しく説明しています。

「iDeCo」とは節税しながら老後資金の準備ができる、とても有利な個人年金制度です。今回は、2018年から導入された新しいルールも含め、誰でも3分で「iDeCo」の始め方が分かるように、どこよりも分かりやすく解説してみたいと思います。

「iDeCo」で人気No.1の運用商品

野村総合研究所が2016年10月に行った「iDeCoに関するアンケート調査」によりますと、「iDeCo」の利用を検討している人の約34%の人が元本確保型の商品だけで運用したいと考えているそうです。

同調査によると、「iDeCo」への加入を検討している人の45%が定期預金の利用を考えており、22%の人が年金保険、19%の人が国内株式型投信、16%の人がバランス型投信の利用を考えているということです(複数回答可)。また、31%の人が「現時点では金融商品を決められない」と回答しており、これらの人は元本確保型の商品を選ぶ可能性が高いと考えられます。

このように、「iDeCo」では元本確保型の金融商品が圧倒的な人気となっており、その中でも定期預金が最も人気の高い商品となっています。

元本確保型でも元本割れは起きる

老後の資金を形成するための「iDeCo」ですので、元本が減ってしまうリスクは避けたいと考える人が多いのは当然のことだと思います。「iDeCo」の節税効果を考えると、元本確保型の商品で運用したとしても大きなリターンを得ることができますので、リスクを背負ってまで運用利益は望まないというのも一つの運用戦略だと言えるでしょう。

しかしながら、元本確保型の商品は元本を保証している訳ではないという点に注意が必要です。定期預金は途中解約しても金利が減るだけで元本を下回ることはありませんが、保険商品の場合は満期まで保有しないと元本割れするリスクがあります。

「途中解約なんてしないから大丈夫」だとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、例えば、将来なんらかの理由で転職さる場合、転職先の企業のDCに加入するためには「iDeCo」で運用しているものは全て売却(解約)してからでなければ資金を移動することができません。

このようなケースを考慮して、元本確保型で運用する場合は保険商品ではなく、定期預金を選択しておくことをオススメします。

退職を前に定期預金へシフト

「iDeCo」で投資信託を利用している人の場合、60歳になった時(「iDeCo」の受取年齢になった時)の株式市場の状況によっては運用益がマイナスとなってしまうリスクがあります。

このようなリスクを回避するため、50歳を過ぎた辺りからはタイミングを見ながら少しずつ投資信託を定期預金へスイッチングしていきましょう。マーケットの高値を狙って売り抜けることができれば一番いいのですが、そのようなことができる人は多くはいないと思います。

一般的な個人投資家が最も安全に投資信託を売却する方法は相場に関係なく決まった口数を売却していくことです。例えば毎月同じ口数を売却した場合、価格が高い月には解約額を増やし、価格が低い月には解約額を少なくする効果が自動的に発揮されます。

50歳を過ぎたら「iDeCo」への新たな積立は定期預金へ切り替えていき、既に積立てた投資信託については60歳になるまでには全てを定期預金へスイッチングしていきましょう。

投資信託は信託報酬0.3%以下が基準

「iDeCoに関するアンケート調査」で元本確保型の商品の次に人気となっていたのが国内株式型投信とバランス型投信です。同調査では34%の人は元本確保型だけでの運用をお考えのようですが、元本確保型と投資信託との組合せを考えている人も20%程度はいらっしゃるようです。

定期預金と投資信託を組み合せて運用することは非常にいい考えだと思いますが、投資信託であれば何でもいいという訳ではありません。投資信託の運用成績は運用コストである信託報酬に左右される面が強く、なるべく信託報酬の低いものを選ぶ必要があります。

信託報酬の目安としては2018年3月時点での水準で考えると「0.3%以下のものを選ぶ」というのが原則です。

国内株式型の投資信託としては、日経平均やTOPIXに連動するインデックスファンドなどが該当します。マネックス証券の「iDeCo」だと「DIAM DC 国内株式インデックスファンド」の信託報酬が0.1674%、楽天証券の「iDeCo」だと「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」の信託報酬が0.1728%となっています。

バランス型の投資信託であればSBI証券の「iDeCo」だと「大和-iFree 8資産バランス」の信託報酬が0.2376%、マネックス証券の「iDeCo」であれば「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の信託報酬が 0.17%となっています。

定期預金と相性の良い投資信託

「iDeCo」で人気があるのはバランス型や国内株式型の投資信託のようですが、定期預金と投資信託を組合せて「iDeCo」を運用するなら国内株式型やバランス型ではなく、世界中の株式に投資するタイプの投資信託を強くオススメします。

バランスファンドに投資する理由がない

超低金利時代が長く続いた現在、日本の金利はマイナスとなっており、これ以上金利が下がる可能性よりも10年先、20年先には金利が上昇している可能性の方が高いと考えるのが自然です。

米国では既に長く続いた金利下降局面が終わり、金利の上昇がスタートしており、米国債券の価格は下落しています。同様の現象が日本で発生した場合には日本の債券価格も下落することが予想されます。つまり、債券単体だけで見た場合、現時点で債券を保有することはリスク以外の何ものでもないと言えるのです。

バランスファンドとは株式と債券に投資するのですが、その前提には「株価が下落する局面では債券価格が上昇し、債券価格が下落する局面では株式価格が上昇する」という関係があったのですが、現在ではこのような価格の相関性が弱くなっており、バランスファンドが機能しなくなってきているようにも見えます。

この記事では最近の株価下落局面での「つみたてNISA」の対象としなっているバランスファンドの値動きと、他の対象ファンドの値動きを比較しながら分析し、バランスファンドの有効性や「つみたてNISA」で選ぶべきバランスファンドについて解説しています。

定期預金と投資信託を組合せて運用する場合、金利が上昇した場合は定期預金の金利が上昇しますので、仮に金利が上昇して株価が下落した場合でも定期預金での運用である程度カバーすることが可能です。

「iDeCo」で毎月新規に購入する定期預金は毎月最新の金利が適用されますし、過去に購入した定期預金も1年毎に新たな金利水準で自動継続されますので、金利上昇局面では毎年金利が上昇していきます。

日本国内の株式市場だけに投資しない

また、日本の株式市場だけに投資をするのはリスクがありますので、できるだけ世界中の株式市場に投資することをオススメします。

株価が急激に下落するという状況となれば、日本株も米国株も同時に下落する傾向が強いのですが、下落からの反発力についてはそれぞれの国の株式市場によって異なります。

歴史的には日本の株式市場よりも他の先進国の株式市場の方が市場の回復力は高いように見えます。従って、あえて日本の株式市場に限定して投資しなければならない理由はなく、むしろ日本以外の先進国の株式市場に投資するという考え方の方がいいのかも知れません。

例えば、楽天証券の「iDeCo」であれば「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」(信託報酬:0.2396%)に投資することで日本も含めた世界の先進国、新興国への投資を行うことが可能です。

マネックス証券の「iDeCo」であれば「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」(信託報酬:0.11772%)に投資することで日本以外の先進国22カ国に投資することが可能です。どうしても日本にも投資したいという人は「DIAM DC 国内株式インデックスファンド」(信託報酬:0.1674%)を、新興国にも投資したいという人は「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」(信託報酬0.20412%)を組み合わせてもいいでしょう。

定期預金と投信の組合せ比率

定期預金と投資信託を組合せて運用する場合の組合せ比率についてですが、安定的な運用がお好みの方は投資信託の割合を2割までにしておきましょう。かなり保守的な運用とはなりますが、テクニックとしては株価が20%程度下落したタイミングで投資信託の比率を3割まで引き上げる(定期預金から投資信託へのスイッチングを行う)ことを前提としています。

最初から投資信託を3割以上の比率で保有している場合、株価が急落した際に追加の投資を行う勇気がなくなってしまいます。最初は2割程度におさえておくことで急落時の追加購入をしやすい状態を維持しておきましょう。

現在のような低金利の状況では定期預金は資金を保管しておく場所であり、運用の場所ではありません。チャンスが来た時に投資できるようにプールしている資金だと考えて、状況に合わせて投資信託を買い増していきましょう。ただし、買い増しの上限は5割までと考え、一回の買い増しは1割程度を上限にしておきましょう。

もしも、あなたが「iDeCo」以外にも預貯金などの金融資産を十分に保有しているなら、「iDeCo」では全額を株式投資信託に投資するのがベストです。せっかくの非課税制度なので期待収益率の高いものに投資して大きなリターンを狙っていきましょう。

まとめ

「iDeCo」では定期預金と投資信託を組合せた運用が初心者には最適です。

選ぶべき投資信託は国際分散投資を行うために適したものであり、シンプルに運用したいなら楽天証券の「iDeCo」を利用して「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」(信託報酬:0.2396%)に投資するのがいいでしょう。

自由な組合せを考えるならマネックス証券の「iDeCo」を利用して「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」(信託報酬:0.11772%)、「DIAM DC 国内株式インデックスファンド」(信託報酬:0.1674%)、「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」(信託報酬0.20412%)をお好みの比率で組み合わせてもいいでしょう。

信託報酬を最低にしてリターンを狙うなら楽天証券の「iDeCo」を利用して「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(信託報酬:0.1696%)に投資するか、マネックス証券の「iDeCo」を利用して「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」(信託報酬:0.11772%)に投資しましょう。

定期預金と投資信託の比率はリスク許容度によって異なりますが、安定的な運用を望むのであれば投資信託の割合は3割程度、バランスファンドくらいのリターンを狙うのであれば投資信託の割合は5割程度、60歳までには元本を2倍以上に増やしたいと考えるなら投資信託100%で運用するといいでしょう。

ただし、60歳までには定期預金100%になるように50歳を過ぎた頃から少しずつスイッチングを行う方が安全であるということは頭の中に入れておいて下さい。

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