3分で完全に理解できるインデックスファンドの選び方と組合せ方のポイント

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金融庁は「つみたてNISA」という少額投資非課税制度の対象となる金融商品を選ぶ基準として「長期保有に適する」ものを厳選していますが、結果的に選ばれたのは全体の9割前後がインデックスファンドでした。

そこで今回は数あるインデックスファンドの中から自分の目的に合ったものを選び、組み合わせる方法について解説していきます。

インデックスファンドとは何なのか

投資信託の値段のことは基準価格といいます。基準価格が特定の指標や指数(インデックス)と同じ動きをする投資信託のことをインデックスファンドと呼びます。インデックスファンドは特定の指数に連動して動くように運用されている訳ですが、完全に連動している訳ではなく、多少のズレは発生しており、そのズレのことを「トラッキングエラー」と言います。

例えば、日本の株式市場の動きを代表する指標として「TOPIX」というものがあります。TOPIXは東京証券取引所の一部上場企業の時価総額の動きを表す指標ですが、現在は1秒毎に計算されて発表されています。

投資信託を1秒毎に変化する指標に完全に連動させて運用することは困難ですし、無理に連動させようとすれば売買頻度が高くなり、結果的には運用コストが増えることによりトラッキングエラーが発生することになります。

インデックスファンドが運用の対象としている資産クラスには、株式、債券、不動産(REIT)、コモディティーなどがありますが、今回は株式に連動するインデックスファンドについて解説していきます。

日本の株式市場と連動する指数

まずは分かりやすいところで日本株から説明していきます。日本の株価の指数と言えば皆さんもよくご存知の日経平均株価指数がありますが、これは日経新聞社が日本を代表する会社として選んだ225社の株価をベースに算出されています。ちなみに日経平均株価の過去の最高値は1989年12月29日につけた3万8915円87銭であり、今でもこの高値を上回ることができていません。

日経平均のように特定の会社の株価ではなく、東京証券取引所の一部上場企業(2064社)の全ての会社の時価総額をベースに算出されるのがTPOIXです。長期保有を前提に考えるとどちらの指数に連動するインデックスファンドを選んでも、リターンに大きな差は出ないものと考えられます。

先進国の株式市場に連動する指数

世界の株価に連動するインデックスファンドのベンチマークとなる指数の多くはMSCIが算出ています。MSCIはニューヨークに拠点を置く米国の指数算出会社です。かつてはキャピタル・インターナショナルとモルガン・スタンレーが株式を保有しており、MSCIという名称はモルガン・スタンレーとキャピタル・インターナショナルの頭文字に由来しているそうですが、リーマンショック後にモルガン・スタンレーはMSCIの株式を全て売却し、今では完全に独立した会社となっています。

MSCIの指数のうち、日本でよく利用される指数としては「MSCI KOKUSAI」指数があります。日本の株式には既になんらかの形で投資をしている個人投資家が、世界の先進国に投資する場合、日本を除く先進国の株式市場に投資しなければ日本への投資比率が不必要に増えてしまいます。

このような場合は、日本を除く22カ国、1328社の値動きに連動する「MSCI KOKUSAI」指数をベンチマークとしたインデックスファンド利用するのがいいでしょう。

まだ日本の株式市場に投資をしていない場合は、日本を含む23カ国、1649社の値動きに連動する「MSCI WORLD」指数をベンチマークとしたインデックスファンドを利用すれば、これ1本で世界中の先進国に投資することができます。

新興国の株式市場に連動する指数

先進国にだけ投資するのではなく、リスクを承知の上で先進国よりも高い成長率が期待できる新興国に投資したい場合は、中国、韓国、台湾、インド、ブラジルなどを始めとする24カ国の新興国、846社の値動きに連動する「MSCI EMERGING MARKETS」指数をベンチマークとしたインデックスファンドを利用しましょう。

できれば1本のインデックスファンドで世界中の先進国と新興国に投資したいという場合には、世界47カ国、2495社の値動きに連動する「MSCI ALL COUNTRY WORLD(ACWI)」指数に連動するインデックスファンドが利用できますが、この「MSCI ALL COUNTRY WORLD(ACWI)」指数には日本株を含むタイプと含まないタイプがありますので、既に日本株に投資している場合は「ACWI(除く日本株)」を利用するようにしましょう。

世界中の小型株にも投資したい場合

MSCI社による指数は大型株と中型株を中心に算出しているため、小型株も含めて全市場に投資するには英国のFTSE社によって算出されている、世界47カ国、7782社の値動きに連動する「FTSE GLOBAL ALL CAP」指数をベンチマークとするインデックスファンドを利用します。FTSEは現在はロンドン証券取引所グループの子会社ですが、もともとはフィナンシャル・タイムズの親会社であったピアソンが所有していました(2011年に売却)。

「FTSE GLOBAL ALL CAP」指数をベンチマークとするインデックスファンドとして最も有名なのが「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」という米国の上場投資信託(ETF)ですが、日本の個人投資家が利用するためには手数料を支払って日本円を米ドルに両替して投資する必要があり、配当金もドルで支払われるため再投資も面倒な上、売買手数料も割高になるため一般の個人投資家が手を出しづらい面がありました。

このように人気のあるETFでありながらも投資しにくかった「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」ですが、昨年「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」が登場したことで「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」に簡単かつ低コストで投資することが可能となりました。

「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」はこれまでは利用が難しかった「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」に投資する投資信託として注目を集め、2017年の「投信ブロガーが選ぶ!ファンド・オブ・ザ・イヤー」で第一位に選ばれた程の人気となっています。

楽天証券やマネックス証券などを利用すれば「つみたてNISA」でも「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を利用することができます。これ1本で世界の株式の98%に投資できる究極の国際分散投資を「つみたてNISA」で行うことが可能となります。

また、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」を始めとする優秀な米国のETFに格安のコストで投資するなら「ウェルスナビ」のロボットアドバイザー(ロボアド)を利用するという方法があります。

「ウェルスナビ」は国内でNo.1の利用者数、預かり高を誇り、米国の優秀なインデックスファンドを利用した国際分散投資を自動で行ってくれるサービスとして人気があります。「ウェルスナビ」については以下の記事でくわしく解説していますので是非ご覧下さい。

数あるロボアドのサービスの中で、ウェルスナビは預かり資産、利用者数においてNo.1のトップブランドであることは間違いありません。今回はウェルスナビのサービスの特徴や、ウェルスナビのメリット・デメリットについて解説していきます。

インデックスファンドの組み合せ方

インデックスファンドを組み合せて運用したいという場合、基本となる組み合わせ比率は時価総額ベースによる分散比率です。世界の株式資産の時価総額のシェアを見てみると、日本が8%、新興国が12%、日本を除く先進国が80%を占めていますので、この比率をベースに好みに合わせて調整してきましょう。

価格変動の相関性で見ると、日本株は他の先進国の株式市場との連動性が高く、殆どの場合、前日のNYダウが下がると日経平均も下がりますし、NYダウが上がると日経平均も上がります。新興国の株価は短期的には先進国の株価と連動しますが、長期的にはやや逆相関の動きをする傾向が見られます。

このようなことから、先進国と日本に投資しても動きが同じであれば同時に保有する意味はあまりなく、時価総額に比例した分だけ保有すれば十分ですが、他の先進国よりも日本の成長に期待する場合は日本株の比率を高めておきましょう。

先進国に比べて高い成長率が期待できる新興国の株式市場はハイリスクハイリターンであることを理解した上で保有する比率を考える必要があります。

ちなみに「MSCI EMERGING MARKETS」指数の中身を時価総額ベースで見た場合、中国の株式市場が30%、韓国が15%、台湾が11%のシェアを占めることになり、この3国で半分以上のシェアを占めています。

もしも、特定の新興国の成長に期待しているなら、その国に特化して投資するアクティブ運用の投資信託を選んだ方が、予想が的中した場合のリターンは高いかも知れません(リスクとコストも相当高くなりますが)。

繰上償還リスクも考慮する

「つみたてNISA」の影響もあってコスト競争が激しくなっているインデックスファンドですが、コストを切り詰めても人気が出なかった場合には繰上償還となるリスクもあります。

インデックスファンドでは同じ指数に連動するものであっても、信託報酬や純資産額の状況は異なりますので、純資産額が伸び悩んでいるものや減少しているようなものにはなるべく投資しないほうがいいでしょう。繰上償還のリスクについては以下の記事で詳しく解説していますので是非ご覧下さい。

10年以上の運用期間を前提とした「つみたてNISA」の利用においては無視できないのが投資信託の繰上償還リスクです。今回は、投資信託が運用会社の都合で運用を終了してしまう繰上償還リスクとその回避法について解説していきます。