国内FX取引のレバレッジ10倍で顧客は海外FX業者に

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2017年9月28日に一部の新聞で報道されたFX取引におけるレバレッジ規制10倍への引き下げについて、株式会社マネーパートナーズグループが金融庁に確認したようです。

要約しますと「証拠金倍率引き下げについては金融庁でも様々な議論をしているが、もし引き下げをするなら業者や業界の意見を聞いてからやるので、金融庁が一方的に引き下げを強行するようなことはしない。」ということのようです。

どうやら金融庁は、近い将来にやりたいと考えているFX取引に対する更なるレバレッジの引き下げについて、一部の報道機関にリークしてみて世間の反応を見ているようです。

ただ、この報道を受けた個人投資家の行動は金融庁にとって好ましいものにはなっていないように見えます。

追記:2017年11月18日

2017年11月16日のロイターニュースでも「金融庁は店頭FX取引のレバレッジ上限を10倍に規制する内閣府令改正を目指している。」との報道がありました。規制対象が「店頭FX取引」ということは取引所取引である「くりっく365」は規制の対象外ということなのかも知れません。「くりっく365」と今回のレバレッジ規制につきましては以下の記事でまとめてありますので是非ご覧下さい。

FX取引のレバレッジ上限が10倍に引き下げられるというニュースを聞いて驚いた方もおおいのではないかと思います。ところが最近になって取引所取引の「くりっく365」は対象外だという話を耳にすることも多くなりました。そこで今回は、取引所取引「くりっく365」の特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。

2018年5月31日追記

金融庁はFX取引のレバレッジ上限を「一律10倍」に引き下げる方針を変更し、FX会社の財務力やリスク管理能力の弱い企業を個別に狙ってレバレッジ上限の引き下げを促す方針に切り替えるようです。
金融庁はFX取引のレバレッジ上限を一律10倍にまで引き下げる方針を変更し、FX会社の財務的な健全性によってレバレッジを見直すように促す方針に切り替えられました。この記事では今回の方針変更の背景や、今後利用すべきFX業者の選び方について解説しています。

レバレッジ25倍のFXは危険なのか

FX取引のレバレッジを語る時、よく比較されるのが株の信用取引です。株の信用取引のレバレッジは最大でも3.6倍(二階建ての場合)なのに、FX取引のレバレッジが25倍というのはいかがなものかというのが定番の比較論です。

どうせFX取引のレバレッジと比較するなら日本で最も歴史の古い取引である商品先物取引との比較をすればいいと思うのですが、例えば「金」の先物取引のレバレッジ上限は30倍~40倍となっており、FX取引よりも高いレバレッジで長年取引されています。

ここ10年で「レバレッジが高い取引は低い取引よりもリスクが高い」という印象操作が進んでいるようです。だったらFX取引よりも先に商品先物取引のレバレッジに規制をかけるという話が出てきそうなものですが、実際の取引リスクで考えると「金」の取引におけるレバレッジ40倍はそれほどのリスクではありません。

本質的な取引のリスクは原商品のボラティリティに対するレバレッジで判断するものであり、単純なレバレッジの数字だけで比較しても取引のリスクを判断することはできないのです。

金融庁が理想とするレバレッジの考え方

リーマンショック級でも耐えられる

ドル円の取引において、1日における過去最大の値動きがあったのは2016年6月24日(英国のユーロ離脱を問う国民投票)で終値ベースで7円強、当日の高値安値の差だと10円弱の値動きがありました(当日は106円台の始値からスタートし、安値は97円台までありました)。

FX業者によって多少異なりますが、レバレッジ25倍(証拠金率4%)だと、当日は4万5000円前後の証拠金で1万ドルの取引が可能でした。この場合、もしも10円の値動きがあったところで決済が行われると10万円の取引損失が発生しますので、取引口座の残高はマイナス5万円ということになってしまいます。

ところがレバレッジが10倍だった場合は証拠金が10万6000円必要ですので10円の値動きがあっても6000円が口座に残ります。

つまり、金融庁が目指しているレバレッジの上限値とは、過去における1日の値動きの最大幅から計算し、もし同じ程度の値動きがあった場合でも顧客の取引口座にいくらかのお金が必ず残るレバレッジなのです。

強制ロスカットはあてにならない

FX取引の経験がある人ならご存知だと思いますが、ほとんどのFX会社は証拠金維持率が50%を割り込むと強制ロスカットが発動します。

簡単に説明しますと、例えば4万円の証拠金でドル円を1万ドル取引した場合、証拠金の50%である2万円を上回る評価損が発生した場合は強制的に決済注文が出されてしまい、取引を終了されてしまうというルールです。

つまり、上記の2016年6月24日の値動きのように10円の値幅でドル円が動いたとしても、2円の値動きで2万円の評価損が発生しますので10円の値動きが発生するまえに取引は終了されており、顧客の口座にはいくらかのお金が残るはずなのです。

しかし、現実には大暴落が発生しているマーケットではFX会社はレート配信を停止してしまいますので、損失が2万円ではなく10万円になる可能性は否定できません。

実際に多くのFX会社がこの日にレート配信を停止しており、口座にマイナスが発生したお客様がいらっしゃったことは間違いない事実です。

未収金発生リスクは株の信用取引と同じ

株の信用取引の場合、例えば101円のA株のストップ幅は50円です。このA株を担保にして信用取引でA株を2株買った場合、もしもストップ安で売ってしまうと信用取引の建玉である2株の決済損は100円となり、担保である101円のA株も51円の価値となるため口座の中はマイナス49円となります。

上記の例は二階建ての極端な例ですが、FX取引のレバレッジ25倍と信用取引のレバレッジ3.66倍はリスクとしてはほとんど同じであり、25倍のFXはリスクが高くて3.66倍の信用取引はFX取引の7倍安全だということにはなっていないということをご理解頂きたいと想います。

10倍になっても海外のFX業者はダメ

ハイレバでは顧客は勝てない

海外のFX業者のレバレッジは私の知る限りで最大2000倍というところがありますが、400倍くらいのレバレッジを提供する海外FX業者が多いようです。

海外のFX業者を勧める人が主張するメリットはレバレッジだけではなく、「0カットシステム」というものがあります。これは口座残高がマイナスになるような事態が発生してもマイナス分はチャラにしてくれるという、もし本当なら夢のようなロスカットルールです。

また、口座開設のボーナスとして10万円から50万円の資金を予め取引口座に入気しておいてくれるというキャンペーンなどを実施している業者も多く、もしレバレッジが10倍になってしまったら、一部の個人投資家の中にはこれらの怪しげな海外FX業者に口座を開設する人も今よりは増えるだろう思います。

既に現時点でも「海外のFX業者は大丈夫ですか」という私への問い合わせも増えてきています。ちなみに私の回答は「大丈夫な訳ないでしょ」というものですが・・・。

海外のFX業者に関する被害相談で一番多いのが出金の拒否だと思います。いくら儲けても出金させてくれなくては意味はありません。

小さな金額の出金には応じてくれたのに大きく儲けたら連絡がつかなくなったという例もあり、このような被害にあっても泣き寝入りするしかないという現実を理解してもらいたいと想います。

昔、ある海外FX業者の人と話をした時に、「レバレッジとは客に履かせる竹馬の高さなんです。顧客と業者は殴り合うのですが、竹馬が高ければ高いほど客は簡単に倒れます。」といような話をしていたのを思い出します。

つまり、高いレバレッジで取引をやり続ければ最終的には顧客からの預かり資産の全てが会社のものになる(負けるまで取引を辞めさせない)ということを言っていたのです。

悪質なアフィリエイター対策が必要

ネット上で「海外FX業者は海外での登録業者だから安全だ」とか「私も長年利用しているがこれまで何の問題もないので安全だ」というような訳のわからない勧誘をしている人たちは海外のFX業者から高額のライフタイムコミッションと呼ばれるアフィリエイト収入を目的に甘い言葉で勧誘しています。

もしあなたがそのようなサイトを経由して海外FX業者に口座を開設して取引をした場合、あなたが10万ドルの取引をする度に、このサイトの運営者には10ドルのお金が海外FX会社から支払われる仕組みです。

毎月数百万円の収入を得ているサイト運用者もいるようですが、そのような法外なフィーを支払うためには誰かが大損をする仕組みになっていることは、少し考えればわかることだと想います。

関東財務局にも海外FX業者に関する被害相談が年々増えているようです。金融庁が個人投資家の保護を目的にレバレッジの引き下げを考えているのであれば、逆効果になることがないように悪質なアフィリエイターへの対応も同時に行って頂けることを期待しています。

取引所取引「くりっく365」は対象外

今回のレバレッジ上限規制の対象は「店頭FX取引」であり、取引所取引である「くりっく365」は対象外のようです。従って、わざわざトラブルの多い海外FX会社を利用するよりも公正な取引を提供する「くりっく365」を利用する方が安心です。

「くりっく365」は手数料がかかるというイメージがあるかも知れませんが、今では手数料無料の業者もあります。スプレッドは国内の店頭FXよりも広いですが、海外業者と比べれば遜色なく、スワップポイントも標準的で突然の口座凍結などもありません。

スプレッドが気になる方は「くりっく365 ラージ」という10枚単位のサービスを利用すれば手数料はかかりますがスプレッドは店頭取引FXとほぼ同じ水準で取引することができます。手数料はFX取引の経費として取引利益から差し引くことができるため、税金を安くすることができます。

例えば、「GMOクリック証券」の「くりっく365」では手数料が無料ですし、取引ツールも充実しています。バイナリーオプションや商品CFDなども利用できますので、万一に備えて口座を開設しておくといいでしょう。