KDDI(au)の「iDeCo」への参入で期待される「iDeCo」専用ロボアド

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KDDI株式会社は株式会社大和証券グループ本社と合弁会社「KDDIアセットマネジメント株式会社」を発足させ、資産運用サービス分野に参入することを発表しました。まずは確定拠出年金運営管理業への参入からスタートするということですので、「iDeCo」専用ロボアドに期待したいと思います。

※追記(2018年10月24日)

KDDI、KDDIアセットマネジメントは2018年10月24日より、個人向け確定拠出年金サービス「auのiDeCo」の提供を開始しました。

KDDIアセットマネジメントが運用する4本の投資信託と三菱UFJ銀行の1年定期預金という5つの運用先を組み合わせてiDeCoの運用を行うというシンプルなスタイルが特徴で、auユーザーの場合は年間最大WALLETポイントが1000ポイント付与される特典もあります。

「auのiDeCo」専用のスマホアプリは投資初心者でも直感的に操作できるように設計されていますが、5つの商品から一つか二つを選択するだけで運用がスタートするため、「ロボアド」のようにリスク許容度からポートフォリオを提案するような機能は実装されていませんでした。

ネットと金融は相性がいい

金融ビジネスとインターネットの相性がいいことは皆さんもよくご存知だと思います。例えば個人投資家の株式取引で見た場合、今では9割以上がネット専業証券会社からの注文です。投資信託や生命保険もネット直販のシェアが伸び、楽天銀行やジャパンネット銀行のようなネット専業銀行の預かり資産も右肩上がりの成長を見せています。FX取引や仮想通貨の取引などに至っては、電話や対面での取引サービスを探すほうが難しいくらいです。

以前は、金融ビジネスを展開している企業がインターネットを利用したサービスをリリースすることで、顧客への利便性を提供していましたが、今では様々なインターネットサービス企業が金融ビジネスに参入してくるという流れの方が主流になりつつあります。

インターネットを利用した物販サービスを展開している楽天市場は楽天証券や楽天銀行などで金融分野に参入し、今では収益の柱となっています。GMOグループではGMOクリック証券、GMOペイメントサービス、GMOコインなどを展開し、グループ力を活かしたシナジー効果で収益を拡大しています。最近ではLINEも金融分野に参入してきており、今後も様々なネット企業が金融分野に参入してくることが予想されます。

KDDIは攻めの姿勢で多角化に挑戦

KDDIの2017年4月から12月までの経常利益は過去最高水準であり、潤沢な資金を利用してビジネスポートフォリオを再構築している最中のようです。KDDIは昨年11月に「ライフネット生命保険」の株を買増し、先月は英会話のイーオンホールディングスを861億円かけて子会社化しています。

そして今回、大和証券グループ本社と一緒に資産運用サービスを手がける「KDDIアセットマネジメント株式会社」を立ち上げ、「iDeCo」や投資信託の管理・販売の準備をスタートしました。KDDIの携帯電話利用者数は約2500万人。この膨大な数の顧客に対して「iDeCo」や投資信託のセールスを行い、長期的な顧客の囲い込みに成功すれば、本業である通信事業の売上は安定的に維持されます。

若年層に伝えたい「iDeCo」の魅力

人生は100年時代に突入しており、若年代からの資産運用によって老後のための資産を形成する必要性が高まる中、未だに個人金融資産の大半が預貯金として保有され、投資へのシフトが進まない日本の現状にKDDIは成長の余地を見出したようです。

ここで「iDeCo」について簡単に説明しておきます。「iDeCo」は厚生労働省が管轄する個人年金制度の愛称です。「大学を卒業して企業に就職し、定年退職まで勤め上げて退職金をもらって老後はのんびり過ごす。」という一昔前の人生設計は既に通用しなくなっており、企業は終身雇用制度や退職金制度を維持する体力をなくしつつあります。

このままでは多くの高齢者が貧困生活を余儀なくされてしまうと考えた厚生労働省は、企業による退職金に頼ることなく、労働者が自己資金を積立てて運用する年金制度を考え出し、積立てを行う見返りとして税制優遇を与えることにしたのです。この制度が「個人型確定拠出年金」であり、その愛称が「iDeCo」です。

「iDeCo」の税制優遇は同じ非課税制度の「NISA」などに比べて遥かに大きなメリットがあります。「iDeCo」も「NISA」も金融商品の運用益にかかる20.315%の税金が非課税になる点では同じですが、「iDeCo」では年間の積立額の全額を所得から控除できるため、毎年確実に2万円から10万円の税金が戻ってきます。

例えば30歳から「iDeCo」に加入した企業年金制度のない年収500万円のサラリーマンの場合、毎月2万3000円を積立てることで、60歳までの30年間で最大165万円の税金を取り返せることになります。

30年間の積立による元本は828万円ですが、仮に年率3%の運用利回りで30年間運用した場合に発生する500万円近い運用益には税金がかかりません。これらの元利合計と節税による165万円を合わせた約1470万円が「iDeCo」によって形成できる老後資金となります。「iDeCo」については以下の記事で詳しく解説していますので是非ご覧下さい。

「iDeCo」とは節税しながら老後資金の準備ができる、とても有利な個人年金制度です。今回は、2018年から導入された新しいルールも含め、誰でも3分で「iDeCo」の始め方が分かるように、どこよりも分かりやすく解説してみたいと思います。

KDDIに期待するサービス

「iDeCo」は若年代から利用することで、老後資金を最も効率的に積み上げていくことができる制度ですが、制度そのものの認知度や制度利用に対する利便性については、まだまだ物足りない状況であると言えます。

KDDIでは専用のスマホアプリを開発し、利便性の高いサービスを展開する予定のようですが、数十年という長期間、自分の資産を運用するというハードルの高さに対するソリューションの提供にも期待したいと思います。

20代の投資未経験者が、自分の資産を効率よく運用するためのスキルを身に付けているとは考えられず、結果的には元本が保証されている定期預金で運用するようなことになれば、年間の利回りは0.1%程度しか期待できず、大きな老後資金を手にする可能性はなくなってしまいます。

個人的な意見で恐縮ですが、「iDeCo」の運用にもっともふさわしいのはロボットアドバイザーの利用だと思います。米国では既に個人の年金運用にロボアドが利用されていますが、米国のロボアドの手数料は日本のロボアド半分以下であり、平均的な手数料が運用資産の1%という日本のロボアドでは少し手数料が高過ぎるように思います。

日本のロボアドの中では最も手数料が低い「マネックス証券」が提供している「マネックスアドバイザー」の手数料は0.3%ですので、KDDIがこのレベルまで手数料を引下げた「iDeCo」専用のロボアドを提供してくれれば私も是非、利用したいと思います。

10月20日のリリースが延期されていたマネックス証券の新しいロボアド「マネックスアドバイザー」が10月25日からスタートしました。一任契約型のロボアドとしては国内最安水準の手数料となったマネックスアドバイザーの利用法などを初心者の方むけにレポートしてみようと思います。