リスクの本当の意味を理解せずに積立投資を始めてはいけない理由とは

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日常生活で「リスク」という言葉を聞くと、「危険」の同意語として解釈されるのが普通なのですが、投資の世界では全く別の意味を表しており、初心者の方に誤解を生じさせる原因となっています。今回は積立投資で成功するために知っておくべき投資の世界における「リスク」の本当の意味について解説していきます。

「リスク」=「危険」というのは間違い

2018年の大発会は日経平均が700円以上も上昇し、NYダウも堅調なスタートとなりました。昨年の好調な株式市場の流れがそのまま今年も継続することは、これから「つみたてNISA」を利用する人にとっても非常に喜ばしいことですが、相場は必ずしも期待通りに動くとは限りません。

相場が期待した方向に動かない可能性のことを「リスク」という言葉で表現し、「相場は必ずしも期待通りに動くとは限りません」という表現を、「相場にリスクはつきものです」という表現に置き換えたとしても日本語としては大きな違和感をおぼえる人は少ないと思います。しかし、投資の世界における「リスク」とは「意に反したこと」や「危険」を意味しておらず、初心者の皆さんが「リスク」の意味を誤解しやすくなっています。

投資の世界ではリスクはリターンのブレ

「リスク」という言葉の意味が正しく認識されていない原因の一つとして、日本人が長年持っている「貯蓄好き」という文化の存在が考えられます。皆さんもご存知の通り、郵便局や銀行の口座に入金しておけば、元本を割ることなく利息を手にすることができますが、利息の利率は事前に約束されており、それを上回ることも下回ることもありません。

「貯蓄」=「リスクがない」という方程式は日常生活での感覚としても正しく、投資の世界から見ても正しいのですが、「元本が割れない」=「リスクがない」という方程式は日常生活の感覚としては正しいのですが、投資の世界から見ると間違っています。

投資の世界において「リスク」とは「リターンのブレ」を表現する言葉です。貯蓄におけるリターンは利息のことですが、利率は事前に確定していることからリターンのブレは発生しないため「リスク」はゼロとなりますが、「元本が割れない」こととは無関係なのです。

従って、利率がマイナス1%に固定されている預金があるとすれば、元本は減少していきますが、マイナス1%というリターンが確定しているため「リターンのブレ」はゼロであり、元本割れが確定しているにもかかわらず「リスク」はゼロだと表現します。

期待リターンが高いとブレも大きくなる

「投資ではなるべくリスクの小さいものを選んで投資することが大切です」という言葉を聞いて、「その通りだ」と思う人はリスクの意味を正しく理解できていないため資産の大半を銀行口座で眠らせてしまいます。日銀の金利政策の結果、高いリターンが確定している金融商品が存在しなくなってしまった現在、リターンが確定している金融商品は極めて低いリターンのものしか存在しておらず、このような金融商品に投資しても資産が増えることはありません。

一般的に「リターンのブレ」、つまり「リスク」が大きいものに投資するほど期待できるリターンは大きくなります。リターンのブレを資産クラス別に大きいものから順番に並べていくと、「外国株式」、「国内株式」、「外国債券」、「国内債券」という順番になりますので、期待できるリターンの大きさもこの順番と同じになります。

ただし、期待できるリターンが大きいからといって何も考えずに「外国株式」や「国内株式」に投資すると、タイミングによっては大きな損失を被ることもありますので、投資する資産クラスを選ぶ場合は投資戦略に合ったものを選ぶ必要があります。

積立投資ではリスクの大きいものを選ぶ

リターンのブレが大きい「外国株式」や「国内株式」に対して一度に大きな金額を投資するとリターンのブレによる影響をそのまま受けてしまいます。タイミングが良ければ大きな利益が得られる反面、タイミングが悪ければ大きな損失を被ってしまうからです。それに対して毎月一定の金額を長期間に渡って積立てていく長期積立投資では、リターンのブレを利用して大きなリターンを狙うことができます。

例えば2007年から「国内株式」に投資する投資信託対して積立投資をスタートした場合と、同じ2007年に一括して「国内株式」に投資する投資信託を買った場合のリターンを比較すると、どちらも2008年に発生したリーマンショックによって大きなリターンのブレ(この場合は下にブレました)を経験することになりますが、積立投資ではリーマンショックによって国内株式に投資する投資信託を安く買える期間が発生したことにより、リーマンショックから19ヶ月でリターンはプラスに転換しましたが、一括投資ではリターンがプラスに転換するまで64ヶ月もかかってしまいました。

最終的に2017年の段階で比較した場合、一括投資の場合は10年間で資産が1.6倍程度に増えましたが、積立投資の場合は2倍程度まで資産が増加しており、積立投資ではリターンのブレが大きな利益を生む要因となり得ることがわかります。

積立投資でリスクの小さいものを選ぶと

同じように2007年から「国内債券」に投資する投資信託に対して積立投資をスタートする場合と、同じ2007年に一括して「国内債券」に投資する投資信託を買った場合のリターンを比較すると、リターンのブレが小さい「国内債券」ではリーマンショックによるリターンの悪化が小さかったため、積立投資が得意とするリターンのブレを利用した投資効果が発揮できませんでした。

最終的に2017年の段階で比較した場合、積立投資によるリターンは一括投資によるリターンを上回ることができず、積立投資ではリターンのブレが小さい資産クラスでは十分な効果を発揮できないことがわります。

まとめ

「つみたてNISA」のような長期積立投資においては、「リターンのブレ」が大きい「外国株式」や「国内株式」に投資する投資信託を選んで投資することで、高いリターンを狙うことが可能となります。

「リスク」という言葉だけを聞くと「避けなければならないもの」というイメージをどうしても持ってしまう人が多いのですが、長期積立投資は「リスク」を利用して大きなリターンを狙うための投資戦略ですので、積極的に「リスク」を利用することも考えてみてはいかがでしょうか。

「つみたてNISA」で「外国株式」に積極的に投資する投資信託をお探しの方は以下の記事を参考に投資信託を選んでみて下さい。

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