松井証券の「iDeCo」は11本しかない投資信託がメリットでありデメリット

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「iDeCo」は金融資産の形成と節税を同時にできるお得な制度ですので、収入が安定してきたら、なるべく若いうちから加入しておくことをオススメします。

ただし、「iDeCo」は利用する金融機関によって利用できる金融商品や手数料、60歳を過ぎてからの「iDeCo」の受け取り方法などが異なりますので、金融機関選びは慎重に行う必要があります。

ネット証券の老舗である松井証券が2018年3月30日から「iDeCo」のサービスを開始しましたので、その具体的なサービス内容や、メリット、デメリットなどについて解説してきます。

ロボアド「投信工房」で「iDeCo」を管理

「iDeCo」は厚生労働省が管轄する個人年金制度です。加入している年金制度によって投資できる上限額は異なりますが、60歳までコツコツと積立投資をすることで豊かな老後生活のための金融資産を形成していくことができます。

「iDeCo」の最大のメリットは積立てた金額がそのまま所得から控除されることによる節税効果ですが、運用益に対する税金がゼロになる点については「つみたてNISA」と同じであり、「iDeCo」と「つみたてNISA」を上手に使い分けたり組合せて利用することで老後資金を有利に積み上げていくことができます。詳しくは以下の記事にまとめてありますので是非ご覧下さい。

この記事では「iDeCo」と「つみたてNISA」のメリットやデメリットについて説明し、これらを組み合わせて利用することで計画的に老後資金を積み立てていくための具体的な方法について解説しています。

松井証券では2016年11月に投資信託の取引や管理を行う専用システムとして「投信工房」をリリースしています。「投信工房」にはアドバイス型のロボットアドバイザー(ロボアド)としての機能もあり、通常の投資信託の売買や積立はもちろんのこと、「つみたてNISA」や「iDeCo」の運用や管理も「投信工房」で行うことができます。

◆投信工房のパソコン画面サンプル

取引画面

「投信工房」では専用のスマホアプリも提供されていますので、面倒なログイン操作をスキップしてワンタップで運用状況を確認することもできます。

松井証券の「iDeCo」のメリット

運営管理手数料が無条件でゼロ

「iDeCo」では口座管理に手数料がかかりますが、証券会社や銀行が手にすることができる手数料は「運営管理手数料」と呼ばれる手数料だけであり、最高で毎月450円まで徴収することができます。

マネックス証券、楽天証券、SBI証券、イオン銀行、大和証券は「運営管理手数料」を無条件で無料としていますが、松井証券も無条件で無料となっています。

「iDeCo」の手数料は少なくとも60歳までは支払い続けるものですし、年金として受け取る場合は更に最長20年間は手数料を支払う必要があります。

「運営管理手数料」は月間450円でも40年間の加入期間だと21万6000円の手数料となりますので、「運営管理手数料」を無条件で無料としてくれる金融機関を選んでおくことは非常に重要です。

運用商品を選ぶのに悩むことがない

松井証券の「iDeCo」の最大の特徴は、利用者が選べる金融商品が厳選された11本の投資信託と定期預金に限定されており、各資産クラスごとに投資信託は1本だけしかないことです。

厚生労働省は「iDeCo」で運用できる金融商品の数が多いと利用者はどれを選んでいいか迷ってしまうと考えており、最大35本という上限を設定する方向で金融機関との調整が進んでいます。

マネックス証券が23本、楽天証券が31本の金融商品を「iDeCo」の運用対象としていることから比較すると松井証券の11本はかなり少ない印象を受けますが、その分だけ厳選した商品を選んでいると考えることもできます。

低コストファンドと「ひふみ年金」の組合せ

利用できる投資信託のラインナップを見ると、アクディブ運用では人気の「ひふみ年金」1本だけを採用し、残りの10本は低コストのインデックスファンドしかありません。

インデックスファンドで注目すべきは、これまでマネックス証券だけが採用していた「eMAXIS Slim シリーズ」を採用していることです。

「eMAXIS Slim シリーズ」は類似する投資信託の信託報酬が「eMAXIS Slim シリーズ」よりも低くなった場合は追随して信託報酬を引き下げることを宣言しており、安心して長期間保有することができます。

「iDeCo」の受取方法が自由に選べる

「iDeCo」の受取方法については松井証券のホームページに明確な記載がまだなかったため、松井証券に直接問い合わせて確認してみました。

その結果、松井証券ではSBI証券のように年金か一時金かのどちらかを選択する方式ではなく、マネックス証券や楽天証券と同様に、一時金としての受け取りと、年金としての受け取りを併用することができ、年金としての受取期間についても5年から20年の範囲で1年単位で選べることが判明しました。

年金の受け取り方法がSBI証券のように固定的だと「iDeCo」を受け取る際に、上手に節税することができないケースが出てくる可能性があります。「iDeCo」の受取方法による税金の違いにつきましては以下の記事で詳しく解説していますので是非ご覧下さい。

「iDeCo」は受け取る時に課税される仕組みであることをご存知ですか。ただし、「iDeCo」の受け取り方法を工夫することで場合によっては税金がゼロにしたり、大幅に税金を減らすことが可能です。この記事では「iDeCo」の受取時の節税方法について解説しています。

松井証券の「iDeCo」のデメリット

11本という投資信託の数をメリットと感じるか、デメリットと感じるかは人それぞれです。

例えば、国内の株式市場の動きに連動する投資信託を選ぶ場合、TOPIXに連動するものを選ぶ人もいれば、日経平均に連動するものを選ぶ人もいると思いますが、松井証券の「iDeCo」ではTOPIXに連動する「DIAM DC 国内株式インデックスファンド」しかありませんので選択の余地がありません。

先進国の株式市場の動きに連動する投資信託についても松井証券の「iDeCo」では「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」だけしか選択肢がなく、米国の株式市場の動きに連動した投資信託に投資したい場合には選択肢がありません。

このように考えると、ある程度投資信託のことが理解できている人にとっては、松井証券の「iDeCo」は少し物足りないと感じてしまうかもしれません。

だからと言って、初心者にとっては11本の投資信託から適切な資産クラスを選んだ上で、それらを組合せて適切な比率で運用するのは簡単なことではなく、投資信託の数が少ないことが必ずしも初心者に優しいとは言えません。

例えば、楽天証券の「iDeCo」を利用して「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」1本に投資する方が、初心者にとっては分かりやすく、運用も簡単です。

また、楽天証券やマネックス証券では土曜日にも電話によるサポートを受け付けていますが、松井証券では土曜日の電話サポートはありません。電話によるサポートを希望される方は、受付時間が最も長いマネックス証券を利用する方がいいでしょう。

松井証券の「iDeCo」に向いている人

「ひふみ年金」を中心にしつつ、「eMAXIS Slim シリーズ」にも投資しておくことで国際分散投資を実現したいという人は松井証券の「iDeCo」を利用してもいいでしょう。

ただし、運用商品数が少ない松井証券に将来的な不安を感じる方は、「eMAXIS Slim シリーズ」などの低コストインデックスファンドの品揃えが豊富なマネックス証券の「iDeCo」を利用して「ひふみ年金」を中心した国際分散投資を考えてみてもいいでしょう。

それとは逆に、運用商品数が多すぎるとどれに投資していいか迷ってしまうという人は松井証券の「iDeCo」を利用して、「ひふみ年金」や「eMAXIS Slim シリーズ」に投資するといいでしょう。

おすすめの投資信託と組合せ方

松井証券の「iDeCo」で運用するなら「ひふみ年金」、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」、「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」、「定期預金」の4つの中からいくつかを選んで組合せるのがおすすめです。

「ひふみ年金」をメインでお考えであれば、「ひふみ年金」に9割くらいを投資し、残りの1割については定期預金にプールしておき、株式相場が暴落した際に「ひふみ年金」にスイッチングしてみてはいかがでしょう。

日本を除く先進国への投資をメインにお考えの方は、「ひふみ年金」に1割、定期預金に1割、残りの8割は「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」に投資するのがいいでしょう。この場合も定期預金は株式市場が暴落した際のスイッチングに利用します。

新興国にも積極的に投資したいという方は、「ひふみ年金」に1割、定期預金に1割、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」に6割、残りの2割を「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」に投資してもいいでしょう。

リターンよりも安全性を重視する場合は定期預金への投資比率を5割程度まで増やしてもOKです。

まとめ

松井証券の「iDeCo」は運営管理手数料が無条件で無料であり、「iDeCo」の受け取りも自由度が高いという点が高く評価できますが、最大のセールスポイントは「ひふみ年金」と「eMAXIS Slim シリーズ」の両方に投資できるという点です。

現時点の品揃えの少なさについては、良く言えば「厳選されていて選びやすい」ということになりますが、悪く言えば「マネックス証券の劣化版」という評価となりますが、今後追加される投資信託によってはもっと大きな利用価値が出てくることも考えられます。

また、既に特定口座などを利用して「ひふみ投信」や「ひふみプラス」に投資している人であれば、信託報酬の低い「ひふみ年金」を非課税で運用できる松井証券の「iDeCo」を利用する価値は大いにあるでしょう。

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