積立投資の初心者が相場急落時に失敗しないための事前準備とは

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コインの積み上げ

「積立投資は長期的な視点に立ち、目先の相場の上げ下げに一喜一憂しないことが大切」ということは頭の中では分かっていても、現実の相場急落場面ではパニック状態になり、合理的な行動ができないというのが人間というものです。そこで大切になってくるのが相場急落時のプロトコル(行動規範)設定です。

「危険回避」と「利益の最大化」

普段は冷静に合理的な判断や行動ができる人でも緊急時には「頭がまわらない」という状況に陥ることがあります。同様に、緊急時に行った行動を後日冷静に振り返ってみると、「あの時、どうしてあんなことをしたんだろう」と疑問に思うこともあるのではないでしょうか。

人間は「物事を深く考える」という点において、他の動物とは異なります。このことは「人間が人間である理由」のひとつであると言えますが、「人間は人間である前に動物である」という点を見逃してはいけません。

道を歩いていて人がぶつかってくれば、多くの人が「反射的に」衝突を避けますし、ぶつかってしまって倒れる際には「反射的に」頭を守るために先に地面に手をつきます。

人間の行動は「深く考えた上での行動」と「反射的な行動」に分けることができますが、「反射的な行動」が優先するのは「危険を回避する」ことで、「深く考えた上での行動」が優先するのは「利益の最大化」です。

人間は動物として「危険を回避」する本能を持っており、判断から行動に至るまでの時間的な制約がある「緊急時」においては反射的に危機を回避する行動をとります。

人にぶつかって倒れるまでの時間に「手をつくなら利き腕とは逆の腕にしないと後日の生活に支障が出る。なるべく指は傷めないように手のひらを犠牲にした方がいいだろう。」などと考えている時間はないのです。「反射的な行動」は生命にかかわる危険を回避することが目的であり、それに伴う犠牲は無視して行動します。

急落時は「危険回避」に向かいやすい

前日のNYダウが大暴落していることを知っていると、東京市場における日本株も大暴落することが予想されます。日経平均株価が500円安からスタートし、午後には1000円安、1500円安と値を切り下げていく状況を見ると、人間は「危険を回避」するように行動しやすくなります。

今まさに自分の資産がどんどんと減っていっている状況を目にした時、「危険を回避」する方法として最も選択しやすいのが、「資産の減少をストップさせること」つまり「株や投資信託を売却すること」です。

相場が急落しているという「危険な状態」から離脱するには「全ての金融商品を売却する」というのが最も確実な方法であり、人が倒れる際には頭よりも先に地面に手をつくことと同じくらいに当然のことだと言えるのかも知れません。

長期積立投資を実践している個人投資家にとって大切なことは「長期的な視点に立ち、目先の相場の上げ下げに一喜一憂しない」ことなのですが、相場急落時には自分が長期積立投資を行っていることは忘れてしまし、短期売買の投資家と同じスタンスで「資産の減少をストップさせること」を最優先に行動してしまうのが人間の本質なのです。

「行動ファイナンス」の分野で「人間は投資に向かない」という結論を出しているのはこのようなことも理由の一つだと言えるでしょう。

積立投資家にとって急落は好機

積立投資を始める人は「現在の世界経済(現実的には株価)が10年後、20年後には大きく成長しているはずである」という大前提を信じているからこそ、目先の相場の動きには一喜一憂せずに長期的な投資を継続できます。

「積立投資は儲かると聞いたから始めた」、「積立投資のブログを読んでなんとなく始めた」というような人は、「10年後、20年後の株価は今よりも高い」という長期的に見た世界経済の成長を信じることができるかどうかをじっくりと考えてみて下さい。

積立投資は長期的に右肩上がりに動くものに投資するから儲かるだけであり、右肩下がりに動くものに投資しても大損するだけです。従って、積立投資家が金融資産を売却するタイミングは「右肩上がりの相場が終わった」と判断した場合と、自己都合で現金が必要になった場合だけです。

長期的に右肩上がりに成長するものの価格が急落するということは、積立投資家にとっては喜ぶべき「バーゲンセール」の到来であり、絶好の買場だと考えるのが普通であり、回避すべき「危機」だと考えるのは間違っています。

相場の急落によって「長期的な右肩上がりの相場が終わった」と判断したというのであれば全ての金融商品を売却するのが正解ですが、いずれ相場は反転すると考えているのであれば、売るのではなく買うのが正解です。

「とりあえず今売っておいて、安くなったところでまた買い戻すから大丈夫だ。」という人も多いと思いますが、相場の安いところと高いところが既に分かっているなら積立投資のような時間のかかる投資などせずに、短期売買をした方がはるかに儲かります。

積立投資は「目先の相場の動きを予想することは困難である」という前提のもとで、短期での相場の予想を放棄した投資手法であることを理解しておきましょう。

相場急落時のプロトコルを決めておく

冷静に考えれば相場急落時にとるべき行動は皆さんもよく理解されていると思います。しかし、現実に相場急落の場面に遭遇すると冷静な判断ができなくなるのが人間です。だからこそ事前に相場急落時の行動をルール化しておくことが必要となります。

最初に、相場急落時の最大下落率を想定しておきましょう。ここ20年間で最も大きな急落はリーマンショックの時ですので、リーマンショックと同等の急落を最大下落率として想定しておきましょう。

リーマンショック時の下落率は50%前後でしたので、積立投資を行う場合、「株価は最悪のケースでは半値まで落ちる」ということを覚悟の上で行う必要があります。

さすがに「自分の資産が半分になることには耐えられない」という方は、積立てているポートフォリオを見直してみて下さい。半値まで下がるのは株式資産だけですので、例えば債券や金(GOLD)などの組入を増やすことで最大下落率を20%~30%程度に設定することも可能です(同時に最大リターンも下がりますが・・・)。

さて、事前に想定しておく最大下落率が決まったところで、次は「何もしないで見守る」という行動を維持する下落率を決めておきましょう。例えば、最大下落率の半分までは「何もしないで見守る」というルールでもいいですし、「評価益が無くなるまでは見守る」というルールでもOKです。

最も重要なのは「何もしないで見守る」という水準を超えた下落率を記録した場合のアクションです。私の場合は「追加で臨時購入する」という行動をとります。最大下落率に至るまでの下落率によって最大3回の購入を行います。例えば、「ウェルスナビ」や「マネックスアドバイザー」などのロボアドによる運用では10%の下落で10万円、20%の下落で50万円、30%の下落で100万円の追加購入を行うという感じです。

人間は弱いものなので、このように事前にルールを決めておかなければ、周囲の悲観的な意見に流されてしまい、追加購入どころか場合によっては積立ての停止や解約に至ってしまう可能性もあります。

2018年2月の相場急落場面では下落率が一桁だったのでロボアドでの追加購入は行いませんでしたが、私の場合はポートフォリオごとにルールを決めていますので、一部のポートフォリオには追加で資金を投入しています。

皆さんも「つみたてNISA」では2月も積立てをされた(あるいは積立をされる)と思いますが、3月、4月と連続して相場が下落することも前提にアクションプランを考えておきましょう。

追加購入とは逆に売却というアクションをルールとして設定することもできます。「含み益がいくら減ったら売却する」というルールでもいいですし、売却する金額を下落率に合わせて決めておいてもいいでしょう。

パニックによって売却するのではなく、事前に考えた合理的な判断によって売却するのであれば後悔することもないでしょう。「相場がもう戻らない」という判断に至る状況であるならば勇気ある撤退も必要だと思います。

まとめ

相場急落時に積立投資家が最初に判断すべきことは「10年、20年後の株価が今よりもも高いか安いか」です。高いと判断した場合は目先の相場が急落しても慌てることなく積立投資を継続するのが正解です。

積極的な投資家であれば臨時的な追加購入のチャンスを狙っていってもいいでしょう。その場合は二番底、三番底があることを想定して、一度に予備の資金を全額投入しないことをお勧めします。

10年後、20年後の株価は今よりも低いと判断した場合は、適当なタイミングでマーケットから離脱するべきです。なぜなら積立投資は右肩上がりのものを投資対象にしなければ利益を得ることはできないからです。

例えば、日経平均の値動きを見る限り、バブル時の高値を一度も上回っておらず、厳密には右肩上がりの値動きとは言えません。また、日本以外の株式市場で継続している右肩上がりの値動きがこの先も絶対に続くとは言い切れません。

ただし、長期的な相場の方向性が変わると判断するに十分な材料や条件については事前に決めておく必要があります。自分の資産がどんどんと目減りしていく状況の中では全ての情報が悲観的な材料に見えてしまい、冷静に合理的な判断をすることは困難だということを理解し、事前にルールを決めておくことが重要です。

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