富裕層向けのファンドラップが恐れる楽天証券のロボアド「楽ラップ」の実力とは

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数あるロボアドのサービスの中で、完全に標的を「ファンドラップ口座」にロックオンしているのが楽天証券が提供する「楽ラップ」です。今回は他のロボアドを競争相手とせずに「ファンドラップ口座」の顧客をターゲットとしている「楽ラップ」について解説していきます。

この記事は2020年3月14日時点の最新情報に基づいて加筆・修正しています。

富裕層に人気のラップ口座

野村證券や大和証券などの大手証券会社が富裕層向けの運用サービスとして展開している「ファンドラップ口座」は2009年12月末の契約資産が5544億円であったのに対し、2019年12月末時点での契約資産は9兆6830億円(「一般社団法人 日本投資顧問業協会」より)に達しており、10年間で約17倍に成長しています。

今や大手証券会社にとって「ファンドラップ口座」は最大の成長分野であり、収益の柱のひとつとなっています。

「ファンドラップ口座」とは顧客が証券会社と投資一任契約を締結することにより、資産の運用を任せることができるサービスです。「ファンドラップ口座」のサービスは原則として顧客と証券会社の担当者が面談し、コンサルティングを受けることで運用ニーズやリスク許容度、運用スタイルなどを話し合い、その結果を運用計画書としてまとめた上で、運用を開始していきます。

「ファンドラップ口座」の運用対象は「ファンドラップ口座」専用の投資信託であるのが一般的で、数あるラップ口座専用の投資信託の中から運用計画に合う投資信託を選んでポートフォリオを組み立てて運用していきます。投資信託の売買の度に必要となる売買手数料などは「ファンドラップ口座」では徴収されず、運用にかかかる手数料は「ファンドラップ口座」の年間手数料以外に投資信託の信託報酬も含めて考えると運用資産の3%前後が徴収される仕組みになっています。

「ファンドラップ口座」は資産運用をプロに任せることができる便利なサービスなのですが、以前であれば数億円から、今でも最低300万円程度の資金からしか利用することができないという点で、誰でも利用できるサービスだとは言い難い状況です。

実はロボアドNo.2の「楽ラップ」

下の表は「一般社団法人日本投資顧問業協会」が集計した2019年12月末時点でのラップ口座に関する統計資料からロボアドによるサービスで契約している契約資産の上位3社を当ブログが抜粋したものです。

◆一般社団法人「日本投資顧問業協会」の統計資料より(2019年末時点)

 契約資産契約件数
ウェルスナビ2033億8600万円172,927
楽天証券(楽ラップ)639億5000万円40,168
お金のデザイン(THEO)551億9300万円80,855

契約件数、契約資産額の両部門でNo.1となっているのは「ウェルスナビ」です。

「ウェルスナビ」も「楽ラップ」と同様に最低10万円から利用できるロボアドのサービスを展開していますが、投資対象は「楽ラップ」が国内の投資信託であるのに対し、「ウェルスナビ」は米国に上場している低コストのETFとなっており、スマホ専用アプリで手軽に本格的な国際分散投資ができるという点が人気の理由となっています。

「ウェルスナビ」のサービスの詳細につきましては以下の記事でまとめてありますので、是非ご覧下さい。

数あるロボアドのサービスの中で、「ウェルスナビ」は預かり資産、運用者数においてNo.1※のトップブランドであることは間違いありません(※一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2019年9月末現在)」よりモーニングスター社調べ(2019年12月時点))。今回はロボアド「ウェルスナビ」のサービスの特徴や、「ウェルスナビ」のメリット・デメリットについて解説していきます。

契約資金額でNo.2となっているのが「お金のデザイン」が提供するTHEO(テオ)ではなく、楽天証券であるということを意外に感じる人がいるかも知れませんが、1万円から利用できるTHEO(テオ)は契約件数では楽天証券を大きく引き離しているものの、契約金額という点では楽天証券にまだ追いついていません。

ただし、THEO(テオ)のビジネスモデルから考えるとライバルとなるのは楽天証券ではなく「ウェルスナビ」であり、楽天証券は独自路線でビジネスを展開しています。「楽ラップ」のサービス内容の詳細は以下の記事でまとめてあります。

大手ネット証券で最初にロボットアドバイザーのサービスを提供した楽天証券。東大発のフィンテックベンチャー「Finatext」、世界最大級の資産運用アドバイザリーサービスを提供する「Mercer」、米国最大級の資産運用会社である「SSGA」などとタッグを組んで開発した「楽ラップ」の実力(メリット・デメリット)とは。

ラップ口座に最も近いロボアド

楽天証券が提供しているロボアド「楽ラップ」は数あるロボアドのサービスの中で最も「ファンドラップ口座」に近い存在だと言えます。「ファンドラップ口座」とほぼ同じ内容のサービスを忠実にオンライン上で再現しているという点で「楽ラップ」は他のロボアドとは一線を画しているサービスであり、その独自のコンセプトが多くの顧客から支持されています。

「楽ラップ」は投資一任契約によって運用を任せるサービスですが、四半期ごとの運用報告書とは別に、毎月の運用状況を「楽天証券ラップサービス(楽ラップ) マンスリーレポート」として詳細に報告し、常に顧客が納得して運用を任せてくれるよう、顧客とのリレーションシップの構築に努めており、その姿勢は「ファンドラップ口座」と非常に近いものがあります。

「楽ラップ」の運用コースは細かく分けると9コースありますが、全てのコースにおいて独自の「楽天証券ラップサービス(楽ラップ) マンスリーレポート」を作成し、そのレポートには市場の解説、ポートフォリオの変化、パフォーマンスの推移、運用者からのコメントなどが記載されています。

「楽ラップ」を利用する顧客は、どうしてポートフォリオのリバランスを行ったのか、どうしてパフォーマンスが悪化したのか(あるいは好転したのか)、今、市場では何が起こっているのかというようなことが書かれたレポートを毎月読むことで、自分の運用コースの特徴や目指している運用方針を理解することができ、もしパフォーマンスの悪化したとしても慌てて運用を中止することなく、納得して運用を継続しやすくなります。

コロナショックで真価が問われるロボアド運用

ここ数年の株式市場は非常に順調な値動きを見せており、各社が提供するロボアドによる運用成績も概ね順調に推移してきましたが、2020年2月後半からの「コロナショック」によって、ロボアドは初めての運用悪化局面をむかえました。

今までのように順調にリターンが出ている状況で、ロボアドによる資産運用をやめようと考える人は少ないと思いますが、一度市況が悪化し始めるとパニックになって運用をやめてしまう人が出てきます。

例えば、リーマンショックの時のように、1ヶ月足らずで資産が4割以上も減少するような状況では「とりあえず撤退して様子をみよう」と考える人が多くなり、そのことが更に市場の悪化に拍車をかける結果となります。

株価急落時のパニックによって運用を中止したくなる気持ちは私にも理解できるのですが、このような株価急落時に積立投資をやめてしまった人と、継続できた人との差は将来的に非常に大きなものとなる可能性が高いことはリーマンショック後の相場の動きを見るまでもなくご理解頂けるものと思われます。

担当者が親身になって話を聞いてくれる「ファンドラップ口座」と異なり、市況が悪化した状況でロボアドによる積立投資を継続することは、比較的利用者との距離が近い「楽ラップ」であっても難しいことなのかも知れません。

短期的な相場変動に一喜一憂しないというロボアドの基本的な運用スタイルが日本の新しい投資家層に定着していることに個人的には期待したいと思います。

「ファンドラップ口座」よりも低コスト

「ファンドラップ口座」の年間手数料は専用の投資信託の信託報酬などを考慮すると運用資産の3%前後となりますが、「楽ラップ」の手数料は1%前後です。「楽ラップ」は可能な限り「ファンドラップ口座」と同等のサービスをオンライン上で完結することで人件費をカットし、「ファンドラップ口座」の手数料の3分の1程度のコストで10万円の資金からサービスを利用することができます。

現在、「ファンドラップ口座」を利用している人は、試しに一度「楽ラップ」を少額で利用してみてはいかがでしょう。「ファンドラップ口座」の運用成績が「楽ラップ」の運用成績よりも毎年最低でも2%は上回らない限り、リターンは「ファンドラップ口座」よりも「楽ラップ」の方が大きくなります。

個人的には「ファンドラップ口座」と「楽ラップ」のポートフォリオの内容が、運用成績で2%の差がつくほど異なることは考えられず、長期的に見ると「楽ラップ」に軍配が上がる可能性が高いのではないかと考えます。

同じことは「ウェルスナビ」「THEO(テオ)」「マネックスアドバイザー」でも言えることであり、これらのロボアドは手数料の面から考えて「ファンドラップ口座」よりもより高いパフォーマンスを出す可能性が高いものと思われます。

ロボアドの中でも「楽ラップ」は「ファンドラップ口座」に最も近いサービスを展開しており、他のロボアドを競争相手とせず、完全に「ファンドラップ口座」を標的としたサービスとして、今後も独自の成長を見せてくれることでしょう。

もちろん、運用の中身なんて興味もないし、レポートなんて読む時間がないからこそロボアドを利用しているという人も多いと思います。

自動積立でどんな時でもお任せ運用を継続できるという方であれば「ウェルスナビ」や「THEO(テオ)」、業界最安手数料0.3%の「マネックスアドバイザー」なども有力な選択肢となるでしょう。「マネックスアドバイザー」については以下の記事でまとめてありますので是非ご覧下さい。

ロボット・アドバイザーによる運用額は右肩上がりに増えてきており、2020年には1兆円~5兆円規模になるとも言われています。そして2017年10月25日にスタートしたマネックス証券の新しいロボアドであるマネックスアドバイザーはこの新市場の起爆剤となるかも知れません。
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・スポンサーリンク|著者が利用しているロボアド

 

ウェルスナビ       (国内ロボットアドバイザーのトップブランド)

THEO         (リターンにこだわるAI搭載の最先端ロボアド)

マネックスアドバイザー(国内最安手数料「0.3%」のマネックス証券のロボアド)

 

 

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