「楽天・インデックス・バランス・ファンド」は最強のバランス型投資信託かも知れない

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低コストで世界中の株式市場と債券市場に最適なバランスで投資できるバランスファンド「楽天・インデックス・バランス・ファンド」が発売されました。

この記事では「楽天・インデックス・バランス・ファンド」の優位性や投資する際のポイントなどについて解説しています。

株式市場だけに投資するリスク

世界経済の成長に連動する投資信託として「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」が人気を集めています。

「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は世界中の株式市場の時価総額をベースに分散比率を決定しているため、このファンド1本に投資することで、誰でも簡単かつ低コストで世界経済の成長に連動して成長する資産を手に入れることができます。

ただ、このファンドは株式市場にのみ投資するため、相対的に値動きが激しくなる傾向が強く、ある程度の値下がりリスクを許容できる投資家でなければ長期的な積立投資を継続することができなくなる可能性があります。

そこで株式市場だけではなく、債券、不動産、コモディティーなどにも投資することで資産のバランスをとり、リスクとリターンを調整する「バランスファンド(バランス型投資信託)」を選ぶ人が増えてきています。

これまでのバランスファンドの欠点

投資経験の浅い方の場合、バランスファンドに投資するという考えは合理的で正しい判断の一つだと言えます。

ただ、これまでのバランスファンドにはいくつかの欠点があり、リスクが低く抑えられていないものや、投資先のバランスが悪いものが目立つのも事実です。

新興国への投資比率に偏りがある

最近人気が高まりつつある「8資産均等型バランスファンド」は新興国への株式および債券への投資比率が全体の25%を占めており、世界経済のバランスから考えると新興国への投資比率がやや高過ぎるように感じます。

それとは逆に「4資産均等型バランスファンド」や「6資産均等型バランスファンド」の場合は、新興国への投資比率がゼロとなってしまい、いずれの場合も世界経済にバランスよく投資しているとは言えません。

REIT(不動産)への投資は不透明

REITへの投資については株式や債券への投資と比較して歴史が浅く、長期投資に適した資産クラスであると明言できるだけの実績がありません。

従って、あまり高い投資比率で投資することは避けるべきだと考えられるのですが、「8資産均等型バランスファンド」では25%、「6資産均等型バランスファンド」では33%がREITに投資されてしまいます。

日本株への投資比率が高い

世界経済の成長に連動した値動きを期待するのであれば、GDPベースでも時価総額ベースでも日本への投資比率はせいぜい10%前後までに抑えるべきです。

しかしながら、多くのバランスファンドが日本への投資比率を35%から50%の範囲で設定しており、これでは世界経済との連動は望めません。

世界経済に投資する人気ファンド

すでに解説したように、一般的なバランスファンドは「新興国」、「REIT」、「日本」という3つの投資対象への投資バランスが偏っているという点で、世界経済に連動する投資信託とは言えません。

そこで登場したのが「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」、「世界経済インデックスファンド」のような世界経済への連動を前提に設定されたバランスファンドです。

これらのファンドでは世界中の株式市場、債券市場を対象に、時価総額ベース、あるいはGDPベースで投資比率が決定されており、「資産均等型」に見られるようなバランスの偏りがなく、REITへの投資もないため、多くの個人投資家から支持されています。

セゾン バンガード・グローバルバランスファンド

「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」は2007年3月15日に設定された10年以上の運用実績がある投資信託です。純資産額は1656億円(2018年7月20日時点)となっており、「つみたてNISA」の対象となっているバランスファンドとしては最大級の投資信託のひとつです。

なお、「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」は「つみたてNISA」の規定上では、アクティブ運用のカテゴリに属していますが、実際の運用は完全にインデックス運用です。

株式市場への投資比率は時価総額をベースに計算されており、2018年7月時点の投資比率では日本株への投資比率が6%、新興国の株式市場への投資比率が5.7%となっています。

「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」は株式市場への投資比率が50%、債券市場への投資比率が50%となっています。従って、ポートフォリオとしてはやや保守的な運用となるため20代、30代の投資家が利用するには物足りないかも知れません。

構成比率

※「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」交付目論見書より抜粋

また、信託報酬が0.68%(税込み)となっており、長期運用を前提とした積立投資ではやや割高な水準だと言えます。

世界経済インデックスファンド

「世界経済インデックスファンド」は2009年1月16日に設定されており、純資産額は584億円(2018年7月20日時点)の人気ファンドです。

2007年に設定された「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」のライバルとして設定されたファンドであり、信託報酬は「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」の0.68%(税込み)に対抗し、0.54%(税込み)に設定されています。

また、「世界経済インデックスファンド」は株式市場への投資比率をGDPベースで決定しているため、時価総額ベースで決定している「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」と比べると新興国への投資比率はやや高くなる傾向が見られます。

2018年6月末時点の投資比率では、新興国の株式市場に14.57%を投資しています。さらに、新興国の債券市場に14.05%を投資しており、新興国の債券には投資しない「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」とはスタンスが異なりますので注意が必要です。

構成比グラフ

※「世界経済インデックスファンド」交付目論見書より抜粋

楽天・インデックス・バランス・ファンド

先行する「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」、「世界経済インデックスファンド」は世界経済に連動する投資信託として不動の地位を獲得しており、長期に渡って人気を維持してきました。

しかし、2018年7月20日に登場した「楽天・インデックス・バランス・ファンド」により、その地位は大きく揺らいでいくものと思われます。

先行する2本のファンドはどちらも株式市場と債券市場に半分ずつ投資するものであり、20代、30代にとってはあまりに保守的だと考えられます。

「楽天・インデックス・バランス・ファンド」は株式市場と債券市場に半分ずつ投資する「均等型」以外にも、株式市場に70%、債券市場に30%を投資する「株式重視型」や、株式市場に30%、債券市場に70%を投資する「債券重視型」の合計3つパターンを取り揃えており、投資家のニーズに合わせて選ぶことが可能です。

信託報酬は「株式重視型」が0.2446%、「均等型」が0.2546%、「債券重視型」が0.2646%となっており、先行する2本のファンドと比べて半額以下の運用コストになっています。

「楽天・インデックス・バランス・ファンド」は世界の株式市場への投資として「バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)」への投資を行い、世界の債券市場への投資として「バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド」への投資を行います。

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※「楽天・インデックス・バランス・ファンド」交付目論見書より抜粋

債券市場への投資比率が高くなるにつれて信託報酬が高くなっているのは「バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド」の信託報酬(0.15%)がVTの信託報酬(0.1%)よりも高いことが原因です。

VTはETFですので低コストで運用できますが、「バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド」は投資信託ですので運用コストはETFよりもやや高くなります。

また、「バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド」は為替リスクから資産を守るために全ての通貨に対して為替ヘッジを行っている点で、他のバランスファンドとは異なりますので注意が必要です。

利用する際のポイント

「楽天・インデックス・バランス・ファンド」は2018年7月20日に設定されたばかりの投資信託ですので、純資産額がある程度の額になるまでは慌てて利用する必要はありません。

既に特定口座で「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」や「世界経済インデックスファンド」に投資している人は「楽天・インデックス・バランス・ファンド」の純資産額の伸び方に注意しながらスイッチングのタイミングを待ちましょう。

特に、評価益がある状態でのスイッチングは納税による運用額の目減りによるマイナスインパクトが信託報酬の差によるプラスインパクトよりも大きくなるケースがありますので、注意が必要です。

「楽天・インデックス・バランス・ファンド」には「株式重視型」、「均等型」、「債券重視型」の3つのタイプがありますが、私の予想では「債券重視型」を選ぶ人はあまり多くはなく、ほとんどの人が「株式重視型」、「均等型」のどちらかを選ぶのではないかと思います。

20代、30代の方であれば「楽天・インデックス・バランス・ファンド」よりも「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」に投資する方がいいような気がしますが、投資経験の浅い方の場合は値動きがマイルドな「楽天・インデックス・バランス・ファンド」の「株式重視型」を選ぶことで安定的な運用が実現するでしょう。

50代以降の方であれば「均等型」、「債券重視型」を利用するのもありですが、世界的にもう少し金利が高くなるまでは債券市場に多くの資産を投資するよりも手元資金として定期預金で運用しながら追加投資のチャンスを待つ方が得策ではないでしょうか。

私が利用するならポートフォリオの半分を「均等型」に投資し、残りの半分は米国の株式市場に投資します。

「楽天・全米株式インデックス・ファンド」、あるいは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「楽天・インデックス・バランス・ファンド」の「均等型」に半分ずつ投資することにより、運用資産の25%を世界の債券市場で運用し、残りの資産を米国を中心とした世界の株式市場で運用することができます。

「楽天・インデックス・バランス・ファンド」は初心者からベテランに至るまで、様々な投資家のニーズに対応できる優れたバランスファンドであり、近日中には「つみたてNISA」でも利用できるようになるでしょう。

◆追記(2018年7月28日)

「楽天・インデックス・バランス・ファンド」は「つみたてNISA」の対象となっており、7月27日時点で楽天証券、マネックス証券の「つみたてNISA」の対象商品となっていることを確認しました。

これから「つみたてNISA」をスタートする投資ビギナーの方には「楽天・インデックス・バランス・ファンド」の株式重視型の利用が最良の選択肢の一つになるでしょう。