つみたてNISAで選ぶべき資産均等型バランスファンドとその理由|4資産・6資産・8資産

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過去1年程度の数字を見ると、世界中の株式市場に投資する投資信託と、バランス型の投資信託に対する資金流入額が増えています。

このことから、ある程度のリスクを承知の上でハイリターンを狙う人と、安定的な運用でそこそこのリターンを狙う人に二極化してきている状況が想像できます。

そこで今回は人気のバランスファンドの中でも最もシンプルな「資産均等型」のバランスファンドについて解説し、4資産均等型、6資産均等型、8資産均等型のバランスファンドを選ぶ際の基準やオススメのバランスファンドをご紹介しています。

バランスファンドと株式ファンド

「つみたてNISA」は20年という時間(非課税となる運用期間)を味方にした積立投資ですが、運用を成功させるには投資対象を分散しておくことが重要です。

株式市場に分散してハイリターンを狙う

過去のデータから考えると、リターンを重視するなら運用対象として考えるアセットクラスとして株式を選ぶのが正解ということになります。

ただし、どの株が、あるいはどこの国の株式市場が、どのタイミングで上昇するのかを事前に知る方法はありませんので、世界中の株式市場に分散投資していくことで長期的に安定したリターンを狙うのが理想です。

このような理由から「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」や「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」などといった、世界中の株式市場に分散投資する投資信託が「つみたてNISA」でも人気の投資信託となっています。

「つみたてNISA」に興味はあっても、どの投資信託に投資していいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。この記事では、マネックス証券、楽天証券、SBI証券という大手3社の「つみたてNISA」でどのような投資信託が選ばれているのかをご覧頂きながら、選ばれている理由について解説してます。

このようにリターンを重視するなら世界中の株式市場に分散投資する投資信託を選ぶことになりますが、株式市場は値動きが激しいため、長い運用期間においては一時的に運用資産の20%から40%程度が目減りすることもありえます。

例えば、コツコツと積立ててきた資産が500万円程度までに増えてきたところで、リーマンショックのような株式市場の大暴落が発生した場合、一時的には100万円、200万円という評価損を抱えながら、なおかつ毎月の積立投資を続けていくだけの精神力が必要です。

複数のアセットクラスに分散して安定運用を狙う

全世界の株式に分散投資する投資信託も魅力的ですが、分散投資と言っても結局は株式市場だけに集中して投資しており、分散投資としては不十分だという考え方もあります。

このような考え方に基づいて、株式以外の債券や不動産といった全く異なるアセットクラスにも分散投資しておくことで、株式市場の値動きだけに振り回されない運用を狙うのがバランスファンドです。

バランスファンドは株式ファンドに比べて値動きが安定しており、株式市場の急落場面でも株式ファンドよりも基準価格の下落率は小くなるのが特徴です。その反面、株式市場が急激に上昇する局面においては基準価格の上昇率が株式ファンドに比べて小さくなってしまいます。

従って、世界の株式市場が長期的には右肩上がりの上昇を続けると信じている人はバランスファンドを選ぶよりも株式ファンドを選ぶ方がいいのですが、数年間に渡って大きな評価損を抱える状況に耐えられない人や、株、債券、不動産のうちでどれが値上がりするか分からないので全てのアセットクラスに投資しておきたいという人はバランスファンドを選ぶ方がいいでしょう。

自動でリバランスされるバランスファンド

バランスファンドの基本は株式と債券に半分ずつ投資することでお互いの値動きをある程度カバーしながら運用していくというものですが、お互いに異なる方向に動くだけなら互いの値動きを打ち消し合うだけで、資産が増えることはありません。

そこで重要になるのが「リバランス」です。「リバランス」とは事前に決定した分散比率を維持するために定期的に価格が上昇したアセットクラスを売却し、価格が下落したアセットクラスを買い足すことを意味します。

例えば、株式と債券に50%ずつ投資するバランスファンドの場合、株式市場が上昇していくに従って、株式資産の保有比率が高まっていき、債券の保有比率が下がってしまいます。

そこでバランスファンドではある程度まで株式市場が上昇したタイミングで株式資産の一部を売却し、下落している債券を買い足すことで保有比率を50%ずつに戻します(リバランス)。

つまり、値上がりした資産を売却することで利益を確定すると同時に、値下がりした資産を安い価格で買い足すという行為を自動的に行なってくれる訳です。

株式市場は上下の動きを繰り返しながらも長期的には右肩上がりに推移しています。

株式市場の上昇局面では株式資産を少しずつ売却して利益を確定しながら債券資産に移動させておき、株式の下落局面では債券資産を少しずつ取り崩しながら、安くなった株式資産を買い足していくのがバランスファンドにおける「リバランス」なのです。

意外と難しいバランスファンド選び

バランスファンドと言っても投資対象とするアセットクラスの種類や分散投資の比率などは投資信託によってかなりの違いがあり、期待されるリターンやリスクも異なります。

この記事を書くにあたって「つみたてNISA」で採用されている全てのバランスファンドについて、投資対象とその比率、純資産額の推移、信託報酬、過去のパフォーマンスなどについてチェックしましたが、プロの私でもかなりの時間を費やす結果となりました。

投資に不慣れな方にそのようなチェック作業を求めるのは現実的ではないと思うのですが、だからと言って何にどの程度投資しているのかも知らないものに最大20年間も投資するという訳にはいきません。

そこで今回はバランスファンドの中で最もシンプルな「4資産均等型」「6資産均等型」「8資産均等型」のバランスファンドについて解説していきます。

均等型のバランスファンドはシンプルな商品設計であるため、初心者にも理解しやすく、独自の分散比率で投資するバランスファンドと比べてパフォーマンスが劣るということもありません。

従って、投資に不慣れな方の場合、まずは均等型のバランスファンドから運用をスタートし、運用に慣れてきたらタイミングを見て株式ファンドや他のバランスファンドなどに分散投資していくのがいいでしょう。

「4資産均等型」のバランスファンド

「日本の株式」、「先進国の株式」、「日本の債券」、「先進国の債券」という4つのアセットクラスに対して均等に投資するのが「4資産均等型」のバランスファンドです。

日本国内に50%、日本を除く先進国に50%の割合で投資することになりますので、株式市場や債券市場の時価総額やGDP比率から考えると、日本への投資比率が高くなっているのが特徴です。

また、株式市場に50%、債券市場に50%の割合で投資しているため運用リスクは低く、新興国への投資をしないという点からも守りのバランスファンドだと言えます。

日本国内への投資比率が高いため、為替リスクも小さいのですが、20代や30代の人が投資するには少し物足りなさを感じるかも知れません。

「つみたてNISA」で運用するなら、「eMAXIS バランス(4資産均等型)」は信託報酬が0.54%と割り高ですので、信託報酬が0.24%の「ニッセイ・インデックスバランスF(4資産均等)」「つみたて4資産均等バランス」「JP 4資産均等バランス」の3つの中から選ぶといいでしょう。

あえてひとつだけを選べと言われれば、私は純資産額が22億円で2年の運用実績がある「ニッセイ・インデックスバランスF(4資産均等)」を選びます。

ちなみに「つみたて4資産均等バランス」の純資産額は1.3億円、「JP 4資産均等バランス」の純資産が3億円となっていますが、どちらも運用開始から1年未満の実績ですので今後の伸びに期待したいところです。

「6資産均等型」のバランスファンド

「日本の株式」「日本の債券」「日本の不動産」「先進国の株式」「先進国の債券」「先進国の不動産」に対して6分の1ずつ投資するのが「6資産均等型」のバランスファンドです。

「4資産均等型」と同様に、日本国内に50%、日本を除く先進国に50%の割合で投資しますが、不動産に投資しているという点が異なります。

不動産への投資比率が株式への投資比率と同じ33%となっており、長期間に渡って不動産市場に強気の見通しを持っている人にはピッタリのバランスファンドですが、不動産のことはよく分からないという人が投資するには不向きなバランスファンドだと言えます。

「つみたてNISA」で運用する場合は、「野村 6資産均等バランス」と「ニッセイ・インデックスバランスF(6資産均等)」の2本のファンドのうちどちらかを選ぶことになります。

どちらのファンドも運用実績が1年未満で信託報酬についてもほぼ同じ(0.24%)です。純資産額については「野村 6資産均等バランス」が7.6億円、「ニッセイ・インデックスバランスF(6資産均等)」が1億円となっています。

どちらを選んでも大差はなさそうですが、あえて選ぶなら純資産額の多い「野村 6資産均等バランス」を選ぶことになります。

「8資産均等型」のバランスファンド

「日本の株式」「先進国の株式」「新興国の株式」「先進国の債券」「日本の債券」「新興国の債券」「日本の不動産」「先進国の不動産」の8つのアセットクラスに均等に分散投資するのが「8資産均等型」のバランスファンドです。

「4資産均等型」、「6資産均等型」とは異なり、新興国にも投資するのが「8資産均等型」の特徴であり、新興国への投資比率が25%と比較的多めになっていることや、不動産にも25%を投資しているという点からも「8資産均等型」のバランスファンドは「攻め」のバランスファンドだと言うことができます。

均等型のバランスファンドの中では最も多くのアセットクラスに分散して投資しているという点では最もバランスファンドらしいバランスファンドが「8資産均等型」だと言えます。

「つみたてNISA」では6本の「8資産均等型」のバランスファンドが採用されていますが、その中から1本を選ぶとすれば、信託報酬が最安(0.17%)で、純資産額も119億円に達している「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」を迷うことなく選びます。

「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」はバランスファンド部門だけでにとどまらず、「つみたてNISA」の全ジャンルの投資信託の中でも人気のファンドとなっています。

まとめ

均等型のバランスファンドでは債券に対する投資比率が高いほど安定的な運用が期待できます。

リスクが最も低いのは債券への投資比率が50%の「4資産均等型」、続いて債券への投資比率が37.5%の「8資産均等」、そして最後は債券への投資比率が33%の「6資産均等型」ということになります。

リスクとリターンのバランスや信託報酬、繰上償還リスクなどを考えた場合、特にこだわりのない方であれば「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」を選んでおくのがいいでしょう。

不動産市場に強気の見通しをお持ちの方は「野村 6資産均等バランス」、できるだけリスクを小さくした運用をお望みの方は「ニッセイ・インデックスバランスF(4資産均等)」を選んでみてはいかがでしょう。

「つみたてNISA」はできるだけ早くスタートすることが重要です。投資するファンドは後から変更することが可能ですので、こだわりのない方であれば、とりあえずはバランスファンドからスタートしておくといいでしょう。

しかしながら、ある程度リスクの取れる方で、毎月の積立額が1万円未満という方であれば、なるべく早い段階で株式への投資比率を高めることをオススメします。

「つみたてNISA」は年間最大40万円の投資が可能ですが、例えば毎月1万円の積立額からスタートするなら株式ファンドに1万円ずつ投資することで、バランスファンドに2万円ずつ投資しているのと同じくらいのリターンが期待できるということは頭の隅に置いておいて下さい。

※追記(2018年7月22日)

世界の株式市場と債券市場に最適なバランスで投資する「楽天・インデックス・バランス・ファンド」が発売されました。

株式比率が30%の「債券重視型」、50%の「均等型」、70%の「株式重視型」の3つから選ぶことができ、信託報酬も「均等型」で0.2546%と割安な水準となっています。

「資産均等型」のバランスファンドは「新興国」「REIT」「日本市場」への投資バランスに偏りがありますが、「楽天・インデックス・バランス・ファンド」は世界経済との連動を目的とした投資バランスとなっており、初心者の方が利用するのに最適です。

低コストで世界中の株式市場と債券市場に最適なバランスで投資できるバランスファンド「楽天・インデックス・バランス・ファンド」が発売されました。この記事では「楽天・インデックス・バランス・ファンド」の優位性や投資する際のポイントなどについて解説しています。