つみたてNISAやiDeCoでは米国株式市場に連動する投信を中心に投資すべき理由

シェアする

「つみたてNISA」や「iDeCo」のような長期積立投資で大切なことは「右肩上がりに価格が上昇していく」と自分が信じられるものに投資することです。そんなことは分かっていても、いざ投資するとなると何に投資すべきか悩んでしまうという人は、米国の株式市場に連動するインデックスファンドを中心としたポートフォリオを考えてみてはいかがでしょう。

長期積立投資で最も重要なこと

長期積立投資が非課税となる個人年金制度としては「iDeCo」がありますが、企業年金のある会社で働くサラリーマンや公務員では利用枠が小さいため、来年からスタートする最長20年という長期積立投資の非課税制度である「つみたてNISA」の利用も検討されてはいかがでしょう。「つみたてNISA」についは以下の記事でまとめてありますので是非ご覧下さい。

20代から30代の方が始める資産運用としてはなかなか良くできているこの「つみたてNISA」。この非課税制度を使わないのはもったいないです。この記事では投資経験のない20代、30代の方が「つみたてNISA」を簡単に理解して賢く利用できるようにまとめてみました。

長期積立投資において最も重要な事は「長期間に渡って右肩上がりに価格が上昇しそうなものに投資する」ということです。「それが分かれば苦労はしない」という声が聞こえてきそうですが、少なくとも過去の値動きから将来の値動きを想像することくらいは可能だと思います。

長期投資という場合の「長期」の定義は決まっていませんが、少なくとも10年以上、できれば30年くらいの投資期間があれば十分に長期投資と言えるでしょう。将来の値動きを確実に予測することはできませんが、過去30年くらいの値動きが右肩上がりに推移しているものであれば、この先もかなり安心して投資することができるのではないでしょうか。

日経平均とTOPIXの過去の値動き

日本の国内株式市場の動きを代表するものとして最初にイメージするのは日経平均株価だと思います。毎日のニュースでもよく耳にしますし、単位が「円」というところも親しみやすい理由かも知れません。日経平均株価は「日経225」と呼ばれたりすることからも分かるように、東京証券取引所に上場されている企業の中から選ばれた日本を代表する225社の株価の単純平均から計算されます。

誰が225社の企業を選択するのかと言うと、日本経済新聞社という一般企業です。数十年という期間の株式市場全体の動きを表す指標として最も大切なことは「連続性」です。ところが、日経平均株価に採用される日本を代表する225社は、時代の変化に合わせて入替えが行われるため、225銘柄から外れる会社と新たに採用される会社が毎年のように出てきます。

日経平均株価に採用されている225銘柄が固定であれば「連続性」が維持できるのですが、このように銘柄の入替えが頻繁に行われてしまうと「連続性」は失われ、国内の株式市場の動きを正確に反映し辛くなってしまいます。特に2000年には一度に30銘柄も入替えが行われましたので、2000年以前と2000年以後との日経平均株価の比較は意味のないものになってしまっていると言えます。

これに対して、TOPIXは東証一部に上場する全ての会社の時価総額の合計を東証一部の上場企業数で割った値であり、国内の株式市場全体の動きを表す指数としては日経平均よりも信頼性が高いと言えます。下記のチャートは1988年から2017年までのTOPIXの値動きですが、1989年12月18日に2884.80の高値を記録してから現在までの約30年間は右肩上がりと言い難い値動きになっています。

TOPIX

米国株式市場全体の動き

日本の株式市場は1989年12月に付けた高値を超えることなくボックス圏内の動きが続いている状況ですが、米国の株式市場は下記のグラフをご覧になって頂けばお分かりの通り、右肩上がりの上昇を続けています。時期によっては下落が続くこともありますが、長期積立投資を前提とした10年以上の投資期間があれば、仮にリーマンショックの前からスタートしたとしても10年の積立ならリターンは100%を上回ります。

SP500のグラフ

米国株式市場に投資する時の注意点

以上のことから日本の株式市場は1989年以降、右肩上がりの動きとは言い難い値動きとなっているのに対し、米国の株式市場は綺麗な右肩上がりの上昇が続いているということはご理解頂けたものと思います。ここで注意して頂きたいことは、長期積立投資では、右肩下がりの値動きでない限りはある程度大きな値動きさえしてくれればリターンを確保することが可能であるという点です。

ここ20年くらいの値動きを見る限り、国内の株式市場は一定の範囲内で上下を繰り返しており、毎月定額ずつ積立てていく「ドルコスト平均法」の効果を出しやすい値動きとなっています。もちろん同じ時期に米国の株式市場に投資していた場合と比べればリターンは低くなりますが、リスクの分散という意味では国内の株式市場に投資しておく意味は十分にあると言えます。

そしてもうひとつ、米国の株式市場に投資するということは米ドル建ての投資をすることになりますので、為替の変動リスクについては注意が必要です。米国の株式市場に投資する投資信託にはこのような為替リスクをなくした「為替ヘッジあり」のものと、為替リスクを受け入れる「為替ヘッジなし」のものがあります。

だったら「為替ヘッジあり」のものを選べば問題ないと思う人も多いと思いますが、為替ヘッジにはコストが発生するということだけは頭に入れておく必要があります。

投資信託のコストと言えば信託報酬ばかりに目がいってしまいますが、為替ヘッジにかかるコストが1%を上回るようなケースもあり、リターンを圧縮する要因の一つになる可能性があります。同じ投資信託で比べた場合、投資のタイミングによもよりますが、「為替ヘッジあり」の投資信託の方が運用結果のブレが小さく、ややローリスク・ローリターンの傾向が見られます。

保有資産の通貨分散を考えるなら、為替ヘッジコストのかからない「為替ヘッジなし」を選んでドル建ての運用にしておくという選択肢もあります。

まとめ

「iDeCo」や「つみたてNISA」のような長期積立投資を前提とした投資信託選びでは、米国の株式市場に連動するインデックスファンドを中心に、日本国内の株式市場や米国以外の先進国の株式市場、新興国の株式市場に連動する投資信託にも少しずつ分散投資していくのが理想です。

特に「iDeCo」では60歳までの積立てが可能ですので定期預金のようなつまらないものに投資するのではなく、長期的に見れば右肩上がりで価格が推移すると自分が信じられるものに積極的に投資していくことで非課税制度がもたらす節税効果を十分に活かしてもらいたいと思います。

「つみたてNISA」や「iDeCo」で米国市場に投資するなら「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が最適な選択肢の一つです。現在のところ楽天証券、マネックス証券、松井証券などの一部のネット専業証券でしか取扱っていませんが、今後人気化することは違いなさそうです。「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の詳細については以下の記事でまとめてありますので是非ご覧下さい。

「つみたてNISA」は来月からのスタートですが、購入する投資信託をまだ決めていないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「つみたてNISA」で購入できる132本の投資信託の中から特に20代、30代の人にオススメする投資信託とその理由について解説していきます。

また、「iDeCo」と「つみたてNISA」の使い分けについては以下の記事でまとめてありますので是非ご覧下さい。

この記事では「iDeCo」と「つみたてNISA」のメリットやデメリットについて説明し、これらを組み合わせて利用することで計画的に老後資金を積み立てていくための具体的な方法について解説しています。