プロが教える超簡単「つみたてNISA」の賢い利用法

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「つみたてNISA」の口座開設手続きが2017年10月2日からスタートしました。この「つみたてNISA」がターゲットとしているのは「投資未経験者層」。つまり既にかなりの金融資産を持っている高齢者ではなく、これから資産を形成していく若者たちがターゲットとなっています。

20代、30代の方が始める資産運用としてはなかなか良くできているこの「つみたてNISA」。この非課税制度を使わないのはもったいないです。この記事では投資経験のない20代、30代の方が「つみたてNISA」を簡単に理解して賢く利用できるようにまとめてみました。

これまでのNISAは高齢者向けの制度

「以前からNISAという言葉は聞いたことがあるけど、高齢者向けのイメージが強くて自分には関係ないと思っていました。」という意見をコンサル先の若手スタッフから聞くことがあります。実はそれ、正解なんです。

NISAとは少額投資非課税制度のことで、年間120万円までなら、上場株式、投資信託、ETFなどといった様々投資対象に自分の好きなタイミングで投資でき、投資で得た利益にかかる20%の税金が最長で5年間非課税となる制度です。

もっと簡単にまとめると「毎年120万円の枠で好きな投資商品に投資することができ、5年以内なら儲かっても税金は払わなくてもいいという制度」です(強引なまとめかたで恐縮です)。

このような制度を積極的に利用できるのは、既に数百万円の余裕資金があり、数千種類もある金融商品から自分の好きなものを好きなタイミングで売り買いできる人。

つまり既に投資経験が豊富な中年サラリーマンや退職金を手に入れた高齢者をターゲットにした制度なのです(実際にNISAによる金融商品買付金額の約60%が60歳以上の高齢者による買付となっています)。

「つみたてNISA」は若者向けの制度

証券会社の顧客層は急速に高齢化が進んでいます。理由をあげればきりがないのですが、日本の個人金融資産の大半を高齢者が保有していることは紛れもない真実です。

恐らく60歳以上の人が保有する個人金融資産は日本全体の個人金融資産の7割を占めていると考えられます。

あと数十年もすれば証券会社で口座を持っているいる高齢者の個人金融資産はその子どもたちに相続される訳ですが、相続を受ける子どもたちに投資経験が全くなければ、相続された資産が再び証券会社に戻ってくる可能性は極めて低くなります。

政府としても日本の個人金融資産のほとんどが銀行の預金口座で眠っているという状態は健全な経済活動を維持していく上で問題があるという認識を持っています。

そこで生まれてきたのが「つみたてNISA」です。

「つみたてNISA」は年間40万円まで(月間3万3000円までの積立投資)の範囲であれば、金融庁が厳選した低コストの投資信託に対する投資の利益を20年間非課税とする制度です。

一言でまとめると「若者よ!儲かっても税金は払わなくていいから毎月いくらかずつを金融庁が厳選した低コストの金融商品に20年間積立てなさい!」という制度です。

若者たちが「つみたてNISA」を利用した長期の積立投資によって、個人金融資産を形成していくことは、疲弊している社会福祉制度の寿命を伸ばすことに役立ちます。

また、証券会社にとってもこれまで獲得できなかった若年層の口座を獲得できる上、リスクのある金融商品を購入する経験を積ませることで、将来非常に大きなリターンを生む可能性が出てきます。

つみたてNISAで積立てる投資信託

実は「つみたてNISA」は必ず毎月積み立てる必要はありません。半年に1回とか2ヶ月に1回という頻度でもOKです。毎月は無理だと言う人も是非検討してみて下さい。

もちろん積立投資のメリットを最大限に享受したいなら毎月定額ずつ積み立てていくのがベストです。無理のない金額でかまいませんから、できるだけ毎月積み立てていくよう心がけましょう。

2017年11月9日時点で、「つみたてNISA」で投資できる投資信託は金融庁が選んだ117本です。内訳を見ると、株式市場全体の動きに連動して価格が変動するインデックスタイプが103本、運用担当者が独自の視点で運用することによって株式市場全体の動きよりも高いパファーマンスを目指すアクティブタイプが14本となっています。(※2017年11月9日追記)

「つみたてNISA」で購入できる投資信託は全て売買手数料が無料です。また、毎年発生する運用コストである「信託報酬」が低いインデックスタイプの投資信託がほとんどであり、長期積立投資に最適な投資信託が数多く存在しています。

ただし、金融機関によって扱っている投資信託が異なりますので、なるべく豊富な品揃えをしている金融機関を選ぶことが重要です。

「つみたてNISA」で利用すべき具体的な低コストの投資信託については以下の記事で分かりやすくまとめてあります。投資信託をお選びになる際には是非、参考にしてみて下さい。

「つみたてNISA」が2018年1月からスタートしました。将来を考えて投資を始めるにはいい機会だとは思っていても、何にどのように投資をしていいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、投資の初心者が「つみたてNISA」を始める際に参考となる投資信託の選び方について解説していきます。

基本は低コストのインデックスタイプ

長期の積立投資で最も重視すべきことは投資にかかるコストです。マイナス金利の現在、年間1%のリターンをリスクなしに狙うことは不可能ですが、投資信託の信託報酬は「つみたてNISA」の低コストファンドと言えどもアクティブタイプを選んでしまうと毎年最大1.5%程度が容赦なく徴収されていきます。

そこでコオススメしたいのが、株式市場全体の動きに連動するインデックスタイプの投資信託です。国内の株式市場全体の動きを指数化したTOPIXや日経平均に連動するインデックスタイプの投資信託であれば信託報酬は平均で0.26%くらいですので20年間という長期運用を考えれば十分なりターンが期待できそうです。

ただし、国内のインデックスタイプだけに投資するのではリクス分散が不十分です。日本以外の先進国の株式市場に連動するインデックスタイプの投資信託と組み合わせて投資することで、国際分散投資によるリスク分散を行うようにしましょう。

余裕のある方は将来大きな値上がりが期待できる新興国の株式市場に連動するインデックスタイプの投資信託にも少しだけ投資資金を回していいと思いますが、信託報酬がやや割高な傾向がありますので注意が必要です。

お気に入りがあればアクティブタイプも

アクティブタイプの投資信託はインデックスタイプと比べて信託報酬が割高ですが、それでもアクティブタイプの投資信託を買う人がいるのは高い手数料の分だけインデックスタイプよりも高いリターンを期待するからです。

実際につみたてNISAに採用されている投資信託に3年前から毎月定額の積立投資をしていた場合、上位の運用成績を占めるのはアクティブタイプの投資信託です。

ただし、これは日本の株式市場がここ数年好調であったことが主な理由であり、運用期間10年程度の確率論で言えばインデックスタイプを上回るアクティブタイプの投資信託はアクティブタイプ全体のせいぜい2割程度であり、8割は手数料が高い割にはインデックスタイプにリターンで勝てないのが現実です。

既にお気に入りのアクディブタイプの投資信託がある人や、数あるアクティブタイプの投資信託から2割の当たりを見つける自信のある人は、アクティブタイプを組み入れてもいいと思います。

高値掴みで有名な「ノムラ日本株戦略ファンド」は信託報酬も約2%という割り高なファンドですが、17年の運用で元本を上回ることができています。つみたてNISAに採用されているアクティブタイプの投資信託はノムラ戦略ファンドよりも運用コストは低いので、ここまで悲惨な運用にはならないかも知れません。

野村證券の誕生100周年を記念し、当時の野村証券がグループの全勢力をあげて売り出した、1兆円という前代未聞の募集額を誇った「ノムラ日本株戦略ファンド」。このファンドの悲劇の17年から私たちは長期投資についての大切なことを学ぶことができます。

手間のかからないバランス型

ここまで読んでみて、「いきなり分散って言われてもてもよくわからないし、なんだか面倒くさそう」と思われた方に朗報です。

実は、「つみたてNISA」の対象となる投資信託の中には、全世界のGDP比率などをベースに計算し、専門家が常に最適なバランスで国際分散運用をしてくれて、なおかつ信託報酬が0.5%以下というようなバランス型の投資信託があります。

例えば、三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 」は信託報酬が0.24%という低さですが、「国内株式」、「先進国株式」、「新興国株式」、「国内債券」、「先進国債券」、「新興国債券」「国内リート」「先進国リート」の8つの資産クラスにバランス良く投資してくれます。

とりあえずは運用に慣れるまでこの「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 」1本だけで運用しておき、いずれ投資に慣れてくれば、ご自身で低コストのファンドを選んで組み合わせてみてはいかがでしょう。

今なら各証券会社が「つみたてNISA」の口座開設キャンペーンを実施していたりしますので、これを機会に将来に向けた資産形成を是非とも考えてみましょう。