つみたてNISAで失敗しないために知っておくべき3つのポイント

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積立てられた石

「つみたてNISA」に興味はあっても具体的に何から始めていいのか分からないという人も多いと思います。

この記事では「つみたてNISA」を始める人が知っておくべき重要なポイントとして、具体的な金融機関や投資信託の選び方、オススメの投資信託などについて解説しています。

満足度が高い「つみたてNISA」

日経マネーが2018年4月に実施したアンケートの結果によると、個人投資家の4人に1人は「つみたてNISA」を利用しており、利用者の過半数が「つみたてNISA」の制度に満足しているという結果が出ています。

ちなみに同じアンケートで仮想通貨についても調査していますが、利用者の半数近くが「今後投資しない」という回答となっています。

「つみたてNISA」の利用者は若い世代が多く、20代、30代ではそれぞれ約3割の個人投資家が「つみたてNISA」を利用していますが、投資歴で見ると投資歴1年未満の人が37.6%を占めており、投資歴3年未満の人の割合は62.5%となっています。

以上のようなアンケート調査の結果から、「つみたてNISA」は20代、30代の若年層が積極的に利用しており、投資歴が比較的浅い人でも気軽に利用できる制度であることが想像できます。

つみたてNISAのメリット

「つみたてNISA」のメリットとして最初に思い浮かぶのは税制優遇です。ひと言で説明すると、「つみたてNISA」では最大20年間、運用益に対する税金の支払いが免除されます。

例えば、ある個人投資家が投資信託を10年間積立投資して100万円の利益を得た場合、20万3150円を税金として国に納める必要がありますが、「つみたてNISA」を利用して得た100万円の利益については課税されることはありません。

また、「つみたてNISA」を利用して投資できる金融商品は、金融庁が長期積立投資に向いていると判断した149本(2018年7月3日時点)の投資信託と3本のETFに限定されており、長期運用に不向きな金融商品が除外されています。

5000本を超える公募投資の中には長期運用に適さないコストの高い投資信託や、期待されるリターンが極めて小さく、若年層が長期的に金融資産を形成してくために役立たないものも多く存在しています。

金融庁が投資信託を販売する銀行(主な都銀・地銀をあわせた29行)に実施した調査によると、投資信託を保有する個人投資家の46%が評価損を抱えているという恐ろしい実態が明らかにされています(2018年3月末時点で計算)。

2008年から右肩上がりに成長している世界の株式市場の状況や、アベノミクスの成果によるここ数年の日本株の急激な上昇を考慮すれば、ほとんどの個人投資家が含み益を抱えているはずなのですが、コストの高い投資信託を頻繁に売り買いすることで、金融資産が成長していない実態が浮き彫りになったと言えます。

「つみたてNISA」では、コストの高い投資信託が排除されているだけでなく、そもそも頻繁な売買ができない仕組みになっており、世界経済の成長に連動した個人金融資産の成長が期待できます。

つみたてNISAのデメリット

「つみたてNISA」はメリットばかりが強調されがちですが、いくつかのデメリットも存在しています。

「つみたてNISA」では1年間に積立てることができる金額は40万円が上限となっており、毎月3万3333円までしか積立てることができません。

このことは、毎月3万円を積立てるのも大変だという若年層にとってはデメリットとは言えないのかも知れませんが、投資信託の乗り換え(スイッチング)ができないという点では若年層にとっても大きなデメリットとなります。

例えば、これまで投資していた投資信託と同じ資産クラスに投資する低コストの新しい投資信託に乗り換えたいと思っても、年間40万円という積立上限額(購入枠)の範囲でしか乗り換え(スイッチング)ができません。

このようなことから「つみたてNISA」では事実上、投資信託を乗り換えることは非常に困難だと考えておいた方がいいでしょう。

また、「つみたてNISA」の税制優遇が適用される期間は最長20年となっており、運用期間が10年を過ぎたあたりからは出口戦略を考えながらの運用を行う必要があります。「つみたてNISA」の出口戦略については以下の記事で詳しく解説しています。

2018年1月から「つみたてNISA」がスタートしました。この記事では「つみたてNISA」の金融機関の選び方や、144本もある投資信託の中から何を基準に投資信託を選び、どのような出口戦略を準備すればいいのかについて解説しています。

つみたてNISAで大切な3つのポイント

「つみたてNISA」に積極的な金融機関選を選ぶ

◆利用できる投資信託の数が少ない金融機関は避ける

「つみたてNISA」で利用できる投資信託の数は金融機関によって異なります。2018年7月3日時点において、149本の投資信託が「つみたてNISA」の対象となっていますが、金融機関によっては極端に取り扱い本数を絞り込んでいるところもあります。

例えば、三井住友銀行では3本、りそな銀行では4本、みずほ銀行では5本の投資信託の中から運用する投資信託を選ぶことになりますが、マネックス証券や楽天証券などの大手ネット専業証券会社では120本以上の投資信託の中から運用商品を選ぶことが可能です。

「つみたてNISA」の制度がスタートしたことで、投資信託の運用コストである「信託報酬」が低い投資信託が次々と誕生してきています。このような新しい投資信託を積極的に取り扱う金融機関を選ぶことで、長期的な運用成績は大きく改善される可能性があります。

◆少額からの投資を受け付けない金融機関は避ける

「つみたてNISA」における最低積立金額は金融機関によって異なります。大手銀行では1万円からという設定になっているところが多いようですが、楽天証券、SBI証券、マネックス証券といった大手ネット専業証券会社では100円からでも「つみたてNISA」を利用することができます。

複数の投資信託に分散して投資したい場合や、とりあえず少額から「つみたてNISA」の利用をスタートしたいという方などのニーズを考慮すると、少額からの投資を受け付けてくれる金融機関を選んでおく必要があるでしょう。

◆自動引き落としの設定がある

「つみたてNISA」では毎月の積立資金を金融機関のNISA口座に振り込む必要がありますが、毎月決まった金額を自動的に給与振込口座から引き落としてくれるサービスが利用できれば、振込を忘れて積立をスキップされてしまうリスクがなくなります。

大手ネット専業証券でも松井証券のように自動引き落としのサービスがないところもありますので、楽天証券、SBI証券、マネックス証券などの自動引き落としサービスを提供している金融機関を選んでおくようにしましょう。

長期積立投資に適した投資信託を選ぶ

◆繰上償還リスクを回避する

「つみたてNISA」に限った話ではありませんが、投資信託を利用する際には繰上償還のリスクを考慮して投資信託を選んでおく必要があります。

繰上償還をひと言で説明すると、人気のない投資信託がリストラされることを意味しており、具体的な目安として純資産額が30億円以下の状態が長く続く投資信託は採算がとれないため運用が終了してしまうリスクがあると考えておくといいでしょう。

モーニングスターの調査によると、全ての投資信託で見た場合の繰上償還リスクは6.1%ですが、純資産額が30億円から100億円未満の投資信託の場合は0.3%、100億円以上の場合は0.1%まで繰上償還のリスクは小さくなります。ちなみに純資産額が10億円未満の場合、繰上償還リスクは13%を上回ります。

10年以上の運用期間を前提とした「つみたてNISA」の利用においては無視できないのが投資信託の繰上償還リスクです。今回は、投資信託が運用会社の都合で運用を終了してしまう繰上償還リスクとその回避法について解説していきます。

◆高コストの投資信託は避ける

「つみたてNISA」の対象となる投資信託は、信託報酬が比較的低いものが選ばれていますが、インデックスファンドの場合は同じベンチマークに連動する投資信託であれば信託報酬が少しでも低いものを選ぶことで運用成績が改善する可能性が高まります。

「eMAXIS Slimシリーズ」のように常に最低コストを目指して運用しているような投資信託を選んでおけば、新たに発売される低コストの投資信託に乗り換えなくても信託報酬は業界最低レベルまで引き下げられることが期待できます。

◆国際分散投資を心がける

日経平均やTOPIXに連動する投資信託だけに投資するのではなく、日本以外の先進国にも幅広く投資しておくことが大切です。

世界のGDPや株式市場の時価総額などから考えると、運用対象として日本株の占める割合は1割以下が適切です。少なくとも過去20年の世界の株式市場の値動きを見る限り、日本の株式市場だけに投資することは正しい選択とは言えません。

ところが、「つみたてNISA」で積立されている件数が最も多いのは「ひふみプラス」というアクティブ運用の投資信託となっており、多くの人がほとんどの資産を日本の株式市場で運用しているというのが現実です。

「つみたてNISA」で人気の投資信託を教えて欲しいというリクエストを頂くことが多くなりました。そこで当ブログではマネックス証券、楽天証券、SBI証券で発表されている「人気投信ランキング」を毎月まとめてお伝えし、人気の理由やランキングの変動理由などについて解説しています。

「ひふみプラス」の運用実績を見ると、買いたくなる気持ちは私にも理解できます。ただ、もしも「つみたてNISA」と「iDeCo」を併用しているならば、「ひふみプラス」は「iDeCo」で利用するようにした方がいいかも知れません。

「ひふみプラス」はどこかのタイミングで利益を確定したくなる可能性がありますが、「iDeCo」なら好きなタイミングで他の投資信託にスイッチングすることが可能ですが、「つみたてNISA」でのスイッチングは制度上困難だと言えます。

投資信託を積立てる場合、インデックスファンドを選ぶのが一般的ですが、最近ではアクティブ運用の投資信託を選ぶ人も増えてきています。今回は「つみたてNISA」の対象となっている15本のアクティブ運用型投資信託の中から人気化必至の1本をご紹介します。

積立てを継続しながらも出口戦略は考えておく

◆最大のリスクは積立ての中止

「つみたてNISA」がスタートした2018年の株式市場の値動きは、これまでの右肩上がりの値動きから一変し、方向性が見えにくい調整局面に突入したように見えます。

特に日本の株式市場だけに投資している人の場合、含み損を抱える状態を目にすることが多かったのではないかと想像され、中には積立額を引き下げたり、積立を中止したりする人もいらっしゃったのではないでしょうか。

しかし、積立投資のメリットは値下がりした場合に買い付け数量が増え、値上がりした場合には買い付け数量が減ることによる買い付け価格の平準化であり、値下がりによって積立を中止することは大きなリスクであると考えておくべきです。

◆利食いは10年後から考える

「つみたてNISA」では事実上「スイッチング」が困難ですので、積立てた投資信託を売却することは少なくとも運用開始から10年くらいまでは考えないようにしましょう。

運用開始から10年が経過したら自分の判断で利益を確定するために投資信託を売却しても問題ありませんが、売却して手に入れた資金は別の口座で再運用することを忘れないようにしましょう。

再運用する場合の候補としては「iDeCo」の利用を考えましょう。既に「iDeCo」を利用されている場合はウェルスナビやTHEO(テオ)のようなロボットアドバイザーで運用することも選択肢の一つになります。

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数あるロボアドのサービスの中で、ウェルスナビは預かり資産、利用者数においてNo.1のトップブランドであることは間違いありません。今回はウェルスナビのサービスの特徴や、ウェルスナビのメリット・デメリットについて解説していきます。

まとめ

「つみたてNISA」を利用する際には金融機関選びが重要です。マネックス証券や楽天証券のように取り扱い商品が豊富で少額から利用でき、自動引き落としサービスある金融機関を選んでおくのがいいでしょう。

投資信託選びでは純資産額が30億円以上で、信託報酬が低い投資信託を利用した国際分散投資を心がけることが大切です。

「つみたてNISA」を利用したら10年間は積立投資を継続し、10年目からは株式市場の状況を見ながら利食いのタイミングを考えるようにしましょう。利食いによって手に入れた資金は「iDeCo」やロボアドのサービスなどを利用して再投資することを考えるようにしましよう。